漁業従事者

漁業従事者の仕事内容は？

日本の近くの海や、世界中の海で漁を行う仕事です。

　漁業には、世界中の海で数か月から1年以上の長期にわたり、漁を行う「遠洋漁業」と、日本の周りの海で１回の漁が１日から数週間の「沖合漁業」、港に近い海で日帰りの漁をする「沿岸漁業」の３種類があります。日本で多くの人が営む沿岸漁業では、いろいろな種類の船や網が使われ、地域や季節によってとれる魚の種類がちがいます。沿岸漁業の場合、船の操縦、網や釣り竿での漁、とれた魚の仕分け、市場への出荷、船や網などの整備やそうじなど、さまざまな仕事を行います。しかし、昔と比べると魚群探知機の使用や、網の巻き上げなどを機械で行えるようになり、仕事の効率は高まっています。

漁業従事者はどんな働き方をするの？

天気や漁場の場所に影響を受けます。

沿岸漁業では、地域によってとれる魚の種類や漁の方法、港を出る時間や漁をする時間がちがいます。休日は漁業協同組合で決められた日や雨の日、風が強い日などです。とれる魚の量は日や年によって異なり、魚の値段も多くとれた年は安くなり、人々の好みによっても変化します。遠洋漁業は、長い間、海の上で生活をしなければならず、体力や精神力も必要とされます。

漁業従事者はどんな人に向いているの？

キーワード：海が好き、体力、工夫、経営する力

まずは、海が好きであること、体力があることが基本です。漁は天候や赤潮など自然の影響を受けるため、海が好きでなければ続きません。また、漁の方法を工夫することや、稚魚の放流などで海の資源を増やすことなどに意欲的に取り組めること、利益を伸ばしていくための経営する力も必要です。

漁業従事者の将来展望は？

つくり育てる漁業への変化が望まれます。

日本人の魚介類の消費量は世界でもまれにみる多さで、漁業従事者の仕事は、人々の食生活を支える上でなくてはならないものです。一方で、水産資源を保護しようとする世界的な動きから、漁場や漁獲量が制限され、遠洋漁業と沖合漁業の水揚げ高は減っています。今後は「とる漁業」から「つくり育てる漁業」への変化が望まれ、稚魚の放流などの栽培漁業が期待されています。

漁業従事者にはこうすればなれる！

資格はなく、技術は漁の現場で学びます。

漁業従事者になるには、高校の水産科や大学の水産学系学部などで学んだことが役に立ちますが、漁の技術を身につけるには、漁業従事者のもとで働くか、漁業会社に就職して現場で学ぶことが重要です。将来自分の漁船を持って漁に出たいと考えるならば、港の近くに住み、定められた日数以上漁に出て実績をつくって漁協の組合員になり、さらに漁をする権利が必要となります。小型船舶操縦士や海上特殊無線技士の資格を得たりする必要もあります。沿岸漁業の仕事につく人は、親や親せきの仕事をつぐ場合が多いようです。遠洋漁業・沖合漁業では、わずかながら新人の募集を行っているところもあるようです。