『癖ツヨ モテ術!』

「おい、タクヤ、また眉毛抜いてんのかよ」
レンが呆れ顔で言う。
「えっ? ああ、無意識にな...」
タクヤは眉のあたりに伸ばした指を慌てて下ろした。
「集中できるんだよな」
「眉毛なくなるぜ」
とレンはノートに視線を落とし、ペンで点を一つ打った。
「お前も授業中にやたら点ばっか打ってるじゃん。変な癖だよな」
レンはちょっとだけ苦笑した。
タクヤがふとレンのノートをのぞき込むと、もう点がびっしりだった。
「その点をつなぐとさあ、お前の似顔絵になるんだぜ?」
レンが言う。
「マジ!? ウソ!」
「うん、ウソ」
「...そういうさあ、そういうつまんないウソをつく癖さあ!!!」
すたすたと行ってしまったレンの背中にタクヤは言葉を投げつけた。
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