『中学生のストレス解消法 アタマで考えるより動いてみよう!』
大型連休が明けて、新学年の授業がスピードアップしたり、部活や委員会に新入生が入った新体制が本格的にスタートしたり。
中学生にとって学校生活の疲れが出てくるのがこの時期。
なんだか調子が出ないなと感じたら、まずはリフレッシュをこころがけよう。
あまり悩まず、身体を休めたり、軽く運動したりでOK。
そんな中学生のストレス解消法を紹介するよ。
目次
ストレスってどんなときに感じる?
ストレスは身体や心にたくさん負荷がかかったときに感じると言われている。
ストレスの感じかたや原因は人それぞれだけど、中学生には中学生なりに直面しがちな学校生活や家庭でのストレスがある。
中学生が中学校や家庭で感じるといわれているストレスの原因と、ストレス解消法について考えてみよう。
どうしてストレスを感じる?
ストレスを感じるときというと、具体的にはどんなことが思い浮かぶかな。
たとえば身体に対しては暑さ寒さ、病気やけが、睡眠不足や食べ過ぎ、逆に栄養不足といったこと。
空気の汚れや悪臭、騒音、ブルーライトの明かりといった環境から受けるものもあるね。
さらに成長期の身体の変化も、ストレスの原因になると言われている。
精神的には、人間関係や生活を送るうえで感じる不安・怒りはもちろんだけど、疲れて身体が健康でないと感じることも、影響するんだ。
気づかないうちにストレスがたまっていることも?
気づかないうちにストレスがたまっていることもある。
なんだか不調だなと思ったら、ストレスがたまってきているサインかも。
なんとなく頭やおなかが痛いとか、息苦しく感じるとか、イライラしたり、無意識に言葉づかいが悪くなってしまったりというのも、ストレスサインの例。
そんなときはストレスの原因を探ってみよう。
ストレスの原因がわかれば、解決する方法があるかもしれない。
たとえば、おなかがすいているときに勉強してイライラするなら、おなかにやさしいおやつを少し食べてから勉強すればいい。
ちょっとしたことで解決できることは、早めに対処していこう!
ストレスは0にはならない! 上手につきあっていこう
とはいえ、そもそも現代人のストレスの原因はさまざま。
それは中学生も同じだ。
すべてのストレスの原因を解決して、ストレスを完全に0にするのは難しい。
自分がどんなことにストレスを感じるかを知って、解決できそうなことをやってみたり、どうしても解決できない場合は気分転換をしてみたりして、じょうずにつきあっていこう。
行動に移すことで、周囲の人や状況に変化が起こったり、行動してみただけでも気が晴れたりすることがあるんだ。
実はストレス感じてない? 中学生のストレスチェック
では、中学生が勉強や部活、家族や友達との関係など、学校や家で感じやすいストレスの例をいくつか紹介するよ。
自分がどんなことにストレスを感じるのか、その原因を知ることはとても大切。
まずは冷静に、「自分がどんなことをつらいと感じるか」を言葉にしてみよう。
意外な発見があるかもしれないよ。
自分がどんなことにストレスを感じるのか、ストレスチェックをしてみよう。
友達関係・人間関係
人間関係はどんな年代の人でも、多かれ少なかれストレスを感じることのひとつ。
中学生になると学校で過ごす時間が長くなって、クラスメイトや部活での先輩後輩、先生たちなど、人間関係が複雑になるから、悩みの原因も増えて当然。
協調性を気にしすぎて、周囲の反応に必要以上に敏感になってしまうことは、だれにでもある。
友だちに言われたことや、いきおいで言ってしまったことが、あとになって気になってしかたない、なんてこともあるよね。
だれかの発言や、テレビやマンガの内容についての友だちの反応が、自分の感じたことと違って、「ん?」と思ってしまうなんてことも、よくあるできごと。
家では、ちょっとしたことで家族と口げんかしてしまったり、今まさにやろうとしていたのに「宿題やったの」なんて言われるとムッとするよね。
そんな小さな積み重ねで、ストレスはたまってしまうものなんだ。
毎日の勉強
毎日の勉強がストレスになる人もいるだろう。
中学校の勉強は、けっこう大変だよね。
定期テストだけじゃなくて小テストもあるし、宿題もそれぞれの教科で出る。
活動が厳しい部活に入っている人は、毎日くたくたで家に帰って、宿題や予習をしようとしても、疲れて集中できなくて、そのこと自体にストレスを感じてしまうかもしれない。
がんばって勉強しているのに思ったように成績が伸びない。
人前で発表するのがニガテで、その授業がある日は朝からユーウツ。
勉強にストレスを感じるのは、中学生ではあたりまえのことなのかもしれないね。
進路や将来のこと
高校などの進路やその先の将来のことを考えて、まったく不安にならないという中学生はきっとほとんどいないと思う。
高校受験が近づくにつれ、やりたいことや志望校が決まっていないこと、志望校が決まっていたとしても成績に不安を感じてしまう。
でも、生きている限り「将来」はずっとあり続ける。
これでもう一生安心! なんてことは、じつはオトナにだってない。
「なんとなく漠然と不安を感じる」ことは、人間としてあたりまえ。
不安なんて無縁で涼しい顔しているように思えるクラスメイトや先輩だって、みんな不安を持っているものだよ。
まわりの人と自分をくらべてしまう
授業中や部活など、まわりの同級生はすごくよくできているように見えたり、努力しているように見える。
そんなふうに、人と比べたときに感じる劣等感も、中学生にとって身近なストレスかもしれない。
みんなだいたい制服を着ているし、同じ服装だからこそ、見ためを気にして落ち込んでしまうなんてことも。
でも、それはものごとを客観的に見ることができるようになっているということでもある。
中学生として成長しているからこそ、感じてしまうストレスかもしれないね。
中学生活がイメージと違う
この春、中学校に進学した新中1生はとくに、想像していた中学校生活と違うことにとまどったり、疲れがどっとたまったりする時期。
中学生になったらがんばるぞ! とやる気マンマンで中学生活をスタートしたはずなのに、毎日の忙しさにぐったりで、だんだんなにを目標にして毎日を過ごしていったらいいのかわからなくなってきた...。
なんて、理想と現実のギャップを感じているかもしれない。
中2・3生でも、後輩たちとの関係がイメージと違った、なんてちょっとした違和感がストレスにつながることもあるよね。
夜ふかししてしまう・朝起きるのがつらい
中学生なら、つい夜ふかしをしてしまって朝起きるのがつらかったりすることもある。
睡眠不足は疲労回復をさまたげるし、イライラの原因にもなってしまう。
宿題や部活で忙しいからといって、睡眠をけずって生活リズムが乱れてしまうと、よけいに疲れてしまうかも。
自律神経の乱れが原因で朝起きられなくなることもあるので、どうしても起きることができない、起きたときふらふらするという場合は、おうちの人や保健室の先生などに相談することも考えてみよう。
ストレス解消はふだんの生活から! 中学生のストレス解消法
なんとなく不安だったり、落ち込んだりと心がストレスを感じているときは、身体だけでもリフレッシュすることで、回復に向かうこともある。
悩みごとをいったんアタマのすみっこにおいて、軽い運動や散歩で身体を動かしたり、疲れている人はちょっとだけでも身体を休めると、気持ちもすっきりしてくるはず。
ふだんの生活でできるストレス解消法を紹介するから、まずは行動してみよう!
規則正しい生活をする
身体へのストレスの原因に、睡眠不足や栄養不足があったね。
これってつまり、不規則な生活が身体へのストレスになるっていうこと。
だから、規則正しい生活をすることが、じつはいちばん大切だったりする。
新学年が始まってまだ2か月。
自分のペースがつかめなくて、生活リズムがくずれているなと感じたら、規則正しい生活を取り戻していこう。
そのためにできることを紹介するよ。
■睡眠時間を確保する
中学生は勉強に部活に忙しい。
だからこそ、睡眠時間をしっかり確保することを意識しよう。
中学生に必要な睡眠時間は8時間から9時間と言われている。
まずは、起きる時間と寝る時間を固定すると、1日の生活のリズムが整いやすいよ。
睡眠時間をしっかり確保したうえで、ほかの予定をこなしていく習慣をつけていこう。
■バランスのいい食事
朝、昼、晩のバランスのいい食事を心がけよう。
とくに朝食は元気な1日をスタートするのに必要不可欠!
起きてすぐは食欲がないと感じても、食べ始めると身体が目覚めて食欲が出てくることもあるから、少しでも食べるようにしよう。
給食や家の食事は、バランスを考えて作られているから、なるべく好き嫌いはしないで、いろいろなものを食べるようにしよう。
成長すると味覚が変わることもあるから、昔は食べられなかったものも、今はおいしいと感じるかもしれない。
ニガテな食べものに挑戦するのを楽しんでみるのもアリだよね。
そして、食事もなるべく毎日毎食時間を決めるのも、規則正しい生活をするコツだ。
■お風呂に入る
お風呂でリラックスするとストレス解消につながりそうだよね。
身体が温まると、血行が良くなって筋肉の緊張がほぐれる。
身体がリラックスすれば、精神的な安定感にもつながるよ。
好きな香りの入浴剤を入れたり、読書や歌を歌ったりするのもいいかも。
ただし、長すぎる入浴は肌に負担をかけたり、のぼせたりしてしまうので、20分ぐらいを目安にしよう。
適度な運動をする
文化部・帰宅部でふだん運動をしていないという人はとくに、適度な運動をしてみよう。
ストレッチやヨガ、ウォーキングなど、できる範囲で、すっきりするような運動がおすすめだよ。
ストレッチやヨガはリラックス効果も高い。
部活で運動をしている人は、さらに運動というよりは、しっかり休んで回復することをこころがけよう。
ストレスを感じたとき落ち着ける動きを会得する
ふだんから、もやもややストレスを感じたときに、落ち着くためにできることをいくつか考えておくといいよ。
■呼吸法
楽な姿勢でイスに腰かけて、ゆっくり楽に深呼吸してみよう。
次に腹式呼吸。
吸った空気を目いっぱいおなかに入れて、それを全部吐き出してみる。
1、2、3と数えて吸って、
4、5で止めて、
6、7、8、9、10でゆっくり吐き出す。
ゆっくり呼吸を整えるだけで、もやもやが晴れることもあるよ。
■セルフタッチ
自分の胸やおなかに手を当てて、目をつぶってふれているところに意識を集中する。
このとき、とても大切なものにさわるような気持ちでさわるのがポイント。
ふれている手のひらやふれられている胸やおなかの感触と温度をじっくり感じよう。
■力をぬく
意識して力をぬくだけでも、リラックス効果があるよ。
肩を目いっぱいあげて5秒間キープし、そのあと一気に力を抜く。
力を抜くのってじつはとても難しい。
無意識に力が入っていることもあるから、まずは1回ぎゅっと力を入れてからだとやりやすいよ。
肩だけじゃなくて、目と口をぎゅっと閉じて顔の真ん中に集めるような気持ちで5秒間キープ。
そのあとに顔の力を抜く顔リラックス法もあるから試してみてね。
身体の力が抜けているということを意識して感じるのがポイントだ。
自分の好きなことがストレス予防になる!
好きなことに無心で取り組んでいるときは、ストレスの原因となる悩みや不安も忘れてしまうはず。
それに、笑うと免疫力がアップして、ストレスホルモンの分泌が抑えられるとも言われている。
自分が好きなことをしたり、たくさん笑ったりすることがストレス予防につながるんだ。
好きなこと・楽しいことでストレス予防!
自分の好きなことや楽しいことをしてストレスを予防しよう。
笑っている表情の自撮りや、見た人が幸せな気持ちになる写真は、撮るだけで気持ちを軽くしてくれるよ。
日記などの文章を書いてみたり、おいしいものを食べたり、どんなことでもいい。
ただし、なにごともやりすぎには注意しよう。
おいしいものも食べ過ぎると健康に良くないし、食べるクセがついてしまってやめられなくなると、また別のストレスにつながってしまうかも。
ゲームも、やりすぎて時間をむだづかいしてしまったという後悔がストレスになる前に、ほどほどで楽しむのがおすすめだ。
趣味や推しをもつ
本やマンガを読んだり、音楽を聴いたり映画を見るなど、好きなことや趣味を思いきりする時間を大切にしよう。
推し活も楽しい趣味の一つだね。
一週間のどこかに趣味の時間を設定しておくと、リフレッシュできてストレス予防になるよ。
趣味がないというキミは、まずは趣味を見つけるためにいろいろなことに挑戦してみよう。
家族とたくさん話す
家族とたくさん話すこともストレス予防に効果があるといわれている。
好きなことや楽しいと思ったことは、家族やまわりの人とたくさん話すといいよ。
その日、楽しいと感じたことを話すと、楽しいことを言葉にしてもう一度味わえるから、幸せな気分になれる。
もちろん、悩みごとを相談したり、ただ話したりするのも〇。
無理に話すのではなく、話したいと思ったときに、話したいと思った相手に、話したいと思った範囲でいい。
家族や友だちでも、自分自身が話したくなかったら話さなくていいんだ。
まとめ
中学校新学年の生活の疲れが出てくるこの時期、ストレスを感じることが多いと思う。
でも、ストレスの原因を解決しようと考えすぎたり、無理をしたりする必要はないんだ。
なんだかストレスを感じているなと感じたら、まずはリフレッシュ!
身体を動かしたり、趣味に没頭したりして、気持ちを切り替えていこう!
ストレス解消をはじめとして、メンタルを健全に保つ方法に興味があるというキミは、メンタルトレーナーという仕事に向いているかも?
カウンセリングやコーチングの技術で目標達成や悩みを持つ人を導く
メンタルトレーナーは、その人の抱える問題解決や目標達成などをメンタル面から導き、サポートする仕事です。
メンタルトレーナーの行うトレーニングは、気合いや根性論ではなく、主に心理学をベースにした「カウンセリング」や「コーチング」の技術を使って行います。
メンタルトレーナーのクライアント(お客さま)は、目標達成や悩みを解決したい人たちです。
スポーツの世界では今やメンタルトレーニングの重要性は常識で、大会などの本番で最高のパフォーマンスを発揮するために、メンタルトレーニングが欠かせないものとされています。
しかし今ではスポーツ選手に限らず、教育関係者、芸術家、宇宙飛行士、経営者、営業マン、主婦など、さまざまな人を対象にメンタルトレーナーが活躍しています。
メンタルトレーナーとスポーツトレーナーとの違いは?
メンタルトレーナーの仕事は、クライアントの話をよく聴いて相手の望む目標や課題を知り、信頼関係を築くことから始まります。
そのうえで、さまざまなワークやトレーニングを促したり、励ましたりしながら、クライアントを目標達成や課題解決に導いていきます。
スポーツ界で活躍するメンタルトレーナーは、選手やチーム、指導者などを対象に、課題解決や目標達成のために「メンタル面」からサポートします。
それに対し、スポーツ界で活躍する「スポーツトレーナー」は、スポーツの知識やスキルを教える人で、「身体面」からサポートしています。
ストレスを抱える生徒をサポートする仕事にはどんなものがあるのかな? と思うキミは、養護教諭という仕事について調べてみては?
「保健室の先生」として、学校全体の健康管理と衛生管理を担う
養護教諭とは、学校にいる「保健室の先生」のことです。
児童生徒だけでなく教員を含めた学校全体の健康管理や保健指導の中心といえる存在です。
養護教諭の仕事で一番イメージしやすいのは、生徒のケガや病気の応急処置でしょう。
養護教諭は、保健室で手当をしたり、休養させたりするだけでなく、病院を受診すべきか家庭で休養すべきかなどの判断も行います。
また、身体測定や、内科検診、歯科検診、視力検査などの健康診断の計画や準備、測定から結果の記録までを引き受けています。
また、思春期の心身の変化などの単元でゲストティーチャーとして参加したりもします。
生徒ひとりひとりに寄り添う指導も大切
個人の生徒に対して保健指導を行うのも養護教諭の仕事です。
例えば睡眠不足が続き不調を訴えている生徒には、生活習慣の改善を指導します。
また学級活動などの時間にクラス全体に病気やケガを防ぐための保健指導や、歯磨(みが)き、手洗い指導などを行うこともあります。
また不登校や心の悩みを抱えた生徒に対して、スクールカウンセラーなどと協力してケアをすることも大切な仕事になってきています。