『昔の言葉 かっこいい使い方』

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#放課後
2023.08.21

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いつもの友達との会話のなかで使うのは、そのときどきのはやり言葉が多い。
でもある日、会話中に突然投げ込まれた、聞きなれない言葉のひびきがなんだかかっこよかった!
意味はさっぱりわからなかったけれど、どうやら昔の言葉みたい?

昔の言葉がかっこよく聞こえる理由

どうして、昔の言葉がかっこいいと感じたんだろう?
ひびきや字面(じづら)のレトロさが、逆に新鮮な印象だったりもするよね。

古い言葉の魅力

昔の言葉は、季節によってちがう自然のようすを表すものなどがたくさんあるよ。
今では使われない言い回しだったり、漢字も難しいものだったりするのも、言葉自体の神秘的な雰囲気(ふんいき)を醸(かも)し出すのに一役買っているよね。

ふとつぶやいたらかっこいい日本語

パラパラと雨が降ったりやんだり。
そんな空を見上げて「あ、時雨(しぐれ)かな?」とひと言。
激怒(げきど)している先生を見て、「阿修羅(あしゅら)のようだな」とつぶやく......ほら、なんだかかっこいい⁉︎
さっそく神秘的な言葉たちの意味を見てみよう。

①朧(おぼろ)

ぼんやりとしてはっきりしていない、かすんでいるようすのこと。
「おぼろに見える」「おぼろ(おぼろげ)な記憶しかない」といった使いかたをするよ。

②時雨(しぐれ)

秋の終わりから冬にかけて降る、パラパラとした雨のこと。
「時雨が降ってきたね」は使いやすい!

③十六夜(いざよい)

満月の次の日の月や、その夜のことを表すよ。
満月の十五夜の月よりも少しおそく出ることから、ためらっているようすを表すことがあるんだ。

④登竜門(とうりゅうもん)

「この試験はプロへの登竜門だ」といった形で今でも比較的(ひかくてき)よく使われるよね。
出世や成功するための大切な試験などのことを指すよ。

⑤摩天楼(まてんろう)

天をもこすりそうな高さの高層建築のことだよ。
「摩天楼のなかに人々が入って行ったんだ」なんて言ったら、どんな話が続くのか気になっちゃう!

⑥阿修羅(あしゅら)

インドの鬼神(きしん)の一種で、略して「修羅」とも呼ばれるよ。
阿修羅像という像にもなっていて、そのおそろしい表情から「阿修羅のような形相だな」などと使われるんだ。
ちなみに、鬼気迫る(ききせま)大変な状況(じょうきょう)を「修羅場」というのも、「阿修羅」からきているんだ。

⑦不知火(しらぬい)

九州の有明海や八代海などで現れる、夜に点々と見られる怪火のこと。
ひとつの漁火(いさりび)が光の異常屈折(くっせつ)によって左右に伸びて見える。
解明されるまでは、不思議な現象としてあつかわれていたよ。

⑧紫電一閃(しでんいっせん)

集中して、刀をサッとふったときに発生するするどい光のことを表すよ。
そこから、一瞬で事態が変化すること、急ぐべき事態であることを表すようになったんだ。
「このまま負けるかも、という状況だったけれど、紫電一閃、彼のゴールでまぬがれたんだ」

⑨麟鳳亀竜(りんぽうきりゅう)

「麒麟(きりん)」「鳳凰(ほうおう)」「亀(かめ)」「竜(りゅう)」という、めでたいきざしといわれるものたちのことで、珍しい聖人や賢者(けんじゃ)のことを表すよ。「キミは麟鳳亀竜だな。」と感心した相手をほめてみる?

ふとつぶやいたらかっこいいフレーズ

「光陰矢の如し」なんて、校長先生のお話などでしか耳にしないかも!?
そんな言葉をあえて日常会話に混ぜてみるのも新鮮だ!

光陰矢の如し(こういんやのごとし)

月日がたつのはあっという間で、飛ぶ矢のように過ぎてしまうということ。
「もう夏休みが終わるだなんて、光陰矢の如しだな」。

求めよさらば与えられん

なにかを成しとげるためには、与えられるのを待つのではなくて、自分から動くことが大切だ、ということ。
「夏休みの宿題でほめられたい? それならばとにかく手をつけることだ。求めよさらば与えられん」

明日は明日の風が吹く

「たとえ今日いやなことがあっても、明日は明日の風が吹くよ。元気出して!」といった使いかたをするよ。
心配してもどうにもならないこともある、未来のことはそのときに心配しなよ、と前向きなアドバイスをしたいときに!

やはり野に置け蓮華草(れんげそう)

「蓮華層」は野に咲く花の代表。
つんで鑑賞するよりも、咲いている場所にあるのがいちばん美しい、ということから、人にはふさわしい立場があるから無理やり変えないほうがいい、といった意味だよ。
「彼を委員長に?いやいや、やはり野に置け蓮華草というように、彼は書記が向いているよ」

鳴(な)かぬ蛍(ほたる)が身を焦(こ)がす

セミのように鳴かないけれど、静かに光っている蛍のほうが切実な思いを抱えている、ということ。
「あの子はおとなしく見えるけれど熱意があるよ。鳴かぬ蛍が身を焦がすというでしょ?」

生きとし生けるもの

この世に生きているものすべて。「生きとし生けるもの、彼のすばらしさがわからないものなんている⁉︎」

如くは無し

「しくはなし」と読むよ。それがいちばんで、及ぶものはないということ。
「あの子のかしこさ如くは無し」。

怒りは敵と思え

徳川家康の遺訓(いくん)のひとつと言われていて「怒りは身を滅(ほろ)ぼす敵だと思い慎(つつし)むこと」という意味だ。
「腹が立つのはわかるよ、でも『怒りは敵と思え』というじゃない。おさえて!」

君がため春の野に出でて

「君がため 春の野に出でて 若菜摘(つ)む 我が衣手(ころもで)に 雪は降りつつ」という百人一首の「あなたのために、春の野原に出かけて」という頭の部分だよ。
「君がため、運動場に出でて」なんて少しアレンジしてみてもいいね。

ふとつぶやいたらかっこいい「四字熟語」

かっこよく見える言葉で比較的使いやすいのが四字熟語。
せっかくだから、あまり聞きなれないものを使ってみよう。

明鏡止水(めいきょうしすい)

よごれなどのないきれいな鏡と静かな水面のように、静かな心の状態。「明鏡止水の心境です」

洒々落々(しゃしゃらくらく)

性格、言動がさっぱりしていて、細かくこだわらないようす。「洒々落々なタイプが好きかな」

天真爛漫(てんしんらんまん)

ありのままで、かざったり気取ったりしないむじゃきなようす。「天真爛漫な性格だね」

桜花爛漫(おうからんまん)

桜の花が満開であるようす。「桜花爛漫のきれいな景色だったよ」

鏡花水月(きょうかすいげつ)

鏡のなかの花、水面に映った月のように、見えるけれど手には取れないもの。
つまり、心で感じるしかないこと。「君の作文は鏡花水月のようなおもむきがあるね」

鮮美透涼(せんびとうりょう )

美しく、色あざやかに透き通っているようす。「沖縄の海は鮮美透涼だったよ」

活発婉麗(かっぱつえんれい )

イキイキとしていて、しなやかで美しいこと。「部活に打ち込む姿が活発婉麗だ」

雪魄氷姿(せっぱくひょうし)

雪のように高潔(こうけつ)で、氷のように気高い人物のこと。「彼は雪魄氷姿という言葉がピッタリだ」

雲心月性(うんしんげっせい)

雪や月のように、世俗的(せぞくてき)な利益を求めようとしない清らかな心のこと。
「私は雲心月性な人物を目指したい」

山紫水明(さんしすいめい)

山や川などの景色が美しいこと。
「旅行へ行ったら山紫水明に感動したよ」

花鳥風月(かちょうふうげつ)

自然の美しい風物を鑑賞(かんしょう)したり、詩や絵などに表したりする遊びのこと。
「ポスターも花鳥風月として取り組んでみたよ」

流星光底(りゅうせいこうてい)

切り下ろした刀の光が、流星のように輝く一瞬のこと。
「大会では、流星光底、ゴールをそらしてしまった」

飛花落葉(ひからくよう)

花も青葉も、いずれ色づいて枯れてしまう、はかなさのたとえ。
「大好きなアイスをゆっくり大切に食べていたら溶けて落ちちゃった......飛花落葉とはこのことか」

雪中松柏(せっちゅうしょうはく)

志や主義を曲げないこと。
「あの子は一度決めたら絶対にやり遂げる、雪中松柏だね」

積水成淵(せきすいせいえん)

塵(ちり)も積もれば山となる、と同じ意味だ。
あえて「努力も積水成淵だ!」と言ってみよう。

万里一空(ばんりいっくう )

目標などを見失わずにやり続けること。「万里一空の境地を目指して努力します」

雲外蒼天(うんがいそうてん)

困難な状況でも、努力すればいい結果が待っている。
「もう少しだけがんばろう。きっと雲外蒼天のときがくる」

夢幻泡影(むげんほうよう)

人生は、夢やまぼろし、泡、影のようにはかないということ。
「ああ、あんなすてきな俳優さんが......なんて夢幻泡影なんだ」

清風明月(せいふうめいげつ)

月が明るく、静かな夜のこと。
「こんな夜はスマホを置いて、清風明月を楽しむのもいいね」

火樹銀花(かじゅぎんか)

夜景、または街の明かりや花火のなどが光り輝くようす。
「あの山からの街の明かりは火樹銀花のごとしさ」

まとめ

ふだん、あまり使われないような言葉ってたくさんあるよね。
言葉をたくさん知ることで、見たこと感じたことをより伝わりやすく表現できるようになるよ。
興味を持ったらぜひもっと調べてみてね!

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昔の言葉に興味を持ったキミにぴったりな仕事
言葉のおもしろさ、奥深さを少しでも感じたキミは、言葉を大切にする仕事が向いているかも。
小説などを書き起こす「作家」や、絵と言葉を使って表現する「絵本作家」は言葉を使うプロフェッショナルだよ。
動画などで話される言葉について考えてみたい、というキミは「構成作家」がおすすめ。

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