自分が書きたいことを、作品として完成させるクリエイターです。
自分で作家だと名のる人は、世の中にあふれるほどいます。
さらに作家になりたい人ともなると、正確に人数を数えるのはとても難しいことです。
しかし、実際に作家として名が通っている人は、全体の中ではとても少ないものです。
それは、作家という職業には書きたいことを作品として完成させるだけでなく、作品を書き続けるための発想力や粘り強さも必要とされるからです。
著作で生計を立てている職業作家は、一冊の本として書くこともありますが、多くの場合、週刊誌や月刊誌などに小説やエッセイなどを連載し、まとまると単行本として出版します。
出版社からの依頼を受けて作品を創作します。
出版社などが主催する文学新人賞をもらうと、担当の編集者がつき、作家として育ててくれるうえに、次回作の発表の機会も与えてくれます。
ただし、新人賞はあくまでも作家になるきっかけにすぎません。
2作目、3作目と書き続けていけるかどうかが、プロの作家になれるかどうかの分かれ目です。
主な収入は、週刊誌や月刊誌、新聞などに連載している小説の原稿料や、単行本や文庫本の印税です。雑誌の原稿料は、400字詰め原稿用紙1枚につきいくらという計算で支払われますが、掲載誌の決まりや作家本人の知名度によって異なります。
また、単行本の場合、本の定価の10%前後の印税が支払われます。
実力や人気のある作家の中には、講演を行ったり、文章講座を開いたり、教育機関に講師として招かれる人もいます。
作家を職業にすると、「しめ切り」を守ることが不可欠になります。
売れっ子作家ともなると、いくつかの出版社からの仕事が重なり、月に数百枚もの原稿をこなすこともめずらしくありません。
しめ切りに間に合わないからといって逃げるわけにもいきません。
粘り強さや何日も続けて執筆できる体力がなければ、作家生活を続けていくことは難しいでしょう。
また、人気の浮き沈みのある世界なので、へこたれない精神力を持っていることも大事です。
世界から注目される日本の小説の担い手の登場が望まれます。
日本の作家がノーベル文学賞をもらったこともあり、日本の文学は、世界から注目されています。
人気のある作家の作品も、他の国のさまざまな言葉に訳され、広がっています。将来は、世界に向けて外国語でも作品を発表する、国際派の作家が増えてくることが期待されます。
新人賞をもらうことが、最短の道と言えるでしょう。
作家になる最短のコースは、出版社、テレビ局、地方自治体などが主催する新人賞を受賞することでしょう。最も一般的なのが出版社系の賞で、純文学系、大衆小説系などのジャンル別に、定期的に募集しています。テレビ系の賞は、受賞作がドラマ化されるなど、日ごろ本を読む習慣の少ない人たちにも注目されるチャンスがあるのが魅力です。そのほか、文芸雑誌の編集者に作品を直接持ちこんで見てもらったり、単行本を自費で出版したりする方法もあります。