絵本作家

絵本作家の仕事内容は?

絵本作家になるには子どもに愛される絵やお話のセンスが必要


絵本作家は子どもや大人に長い間読み継がれる作品を作る仕事

絵本作家は絵を描く人? お話を考える人?


絵本作家の仕事は絵本をつくることです。
絵本作家はお話だけ考える人、絵だけを描く人、絵とお話の両方をつくる人の3パターンがあります。
しかし今は多くの絵本が、絵を描く人と文を書く人と共同で作られており、どちらも担当できる人は少数派と言われています。
共同で絵本を作るときは、文章の作家が先に話や文をだいたい考えてから、絵を描いてくれる作家に依頼することが多いです。
そして絵本の出版社の編集担当者をはさんで、お互い連絡を取り合って共同で絵本を完成させていきます。

絵本のお話を書く仕事とは?


絵本のお話を書く仕事は、少ない文字で楽しさや感動を与えていかなければならないので、普通の本とは違う、独特の技術が必要です。 例えば絵を見ればわかることは言葉にしないということや、小さな子どもが読むので、ひらがなの少ない言葉だけでリズムを出したり、物語を伝えるということです。

絵本の絵を描く仕事とは?


絵本の絵を描く人は、編集者と打ち合わせをして、このページにはこんな絵を書いてほしい、という要望を聞き、お話の担当の人が書いたストーリーを読んで、物語で大事にしたい雰囲気を考えながら絵を描きます。
たいていは、編集者がお話を書いた絵本作家さんの意図を伝えますが、直接お話担当の人と絵の担当の人がやりとりをして、話し合いながら作品を共同で作る場合もあります。
絵だけを描く人も、絵本作家と呼ばれ、普段はイラストレーターやデザイナーとして活躍している人が多いです。また美術学校やデザイナーの学校の出身者が多く、イラストや色使いのセンスと技術が優れています。

絵本作家のやりがいとは?


最近は、大人向けの絵本も人気ですが、子ども向けの絵本は、お家の人が小さな子どもに読み聞かせをするものです。 読み聞かせをしてもらって育った子どもたちは、絵本からいろいろなことを吸収し、想像力を伸ばしたり、よりよい成長につながったりします。自分の作品でそのような大事な役割を果たせること、なにより子どもたちに喜んでもらえることが、絵本作家のやりがいです。 また子ども時代に気に入った絵本は、その人が大人になっても読み返されることが多々あります。子どもや大人に長い間読み継がれ、作品がロングセラーになったときや、翻訳出版され海外の子どもたちにも喜ばれたときにも、絵本作家は強いやりがいを感じるでしょう。
絵本作家はどんな働き方をするの?

絵本作家の働き方 ほとんどが兼業

実は、年に何冊も絵本を出版し、絵本作家一本で仕事をしている人はごく少数派と言われます。絵本作家のほとんどが、他の職業を持ちながら作品を描いています。
絵を担当している人は、普段はイラストレーターとしてイラストを描いて仕事をしたり、絵画教室の先生をしていたり、グラフィックデザイナーとして活躍したりしています。 お話を担当している人の中には、普段は絵本の編集者をしている人や、まったく絵とは関係のない本職を持っている人も多くいます。
絵本作家はどんな人に向いているの?

絵本作家には子どもが好きな人に向く

絵本作家の基本的な適性


絵本作家は、子どもに喜んでもらえる本を作る仕事なので、前提として子どもが好きで深い愛情がある人がとても多いです。絵本の絵を担当する人は、子どもに愛される魅力的な絵が描けるセンスと技術が必要です。お話を担当する人は、子どもの喜ぶストーリーやアイデアを考えられる人、また感情が豊かで小さなことにも感動できる人に向いています。
また絵本を1冊作り上げるには、大きなエネルギーと長い時間がかかるので、作品を最後までていねいにかきあげられる集中力や根気のある人が向いています。

絵本作家に求められる知識・資質を磨く



創造力と洞察力

創造力なしにオリジナリティあふれる作品を作り続けることはできません。普段の生活の中に落ちているエピソードをひろう洞察力や観察力も欠かせません。

インパクトのある作画

絵のうまさよりも斬新な発想とインパクトのある作画が求められます。とくにまだ字が読めない子どもたちがおもしろいと感じるような作品にするためには、言葉がわからなくても伝わる、わかりやすくて他にない個性が必要です。

自分を売り込むプレゼンテーション力

出版社に作品を持ち込み編集者に認めてもらうには、自分の作品を持ち込む行動力と作品や自分をアピールできるプレゼンテーション力も必要です。

好奇心

何にでも興味を持ったり、追求してみようと思う好奇心が旺盛な人は、絵本の題材に事欠きません。またこうした人は経験も豊富で、より多くの読者を引き付ける魅力を持っているといえるでしょう。
絵本作家の将来展望は?

絵本作家の将来の展望 デジタルによる拡大

日本は少子化が進んで行きますが、子どもに絵本を読み聞かせたい、という人は今も多くいます。従来の紙の絵本が代々受け継がれていく一方で、iPadやスマホなどで読める電子絵本も増えていくことが予想されます。また将来的にはV R(バーチャルリアリティ)の技術を使って、体験型絵本なども登場していくかもしれません。
このように絵本の形は時代とともに進化していっても、良質で愛される絵本のお話と絵自体は必要とされ、読み継がれていくと思われます。将来的にも子どもを夢中にさせる絵本を作る、絵本作家の仕事自体はなくならないでしょう。
絵本作家にはこうすればなれる!

絵本作家になるには?kindleで自分で出版してみるのもおすすめ

絵本作家になるには特別な学歴や資格は必要ありません。
しかし、絵やデザインの技術があった方が表現に役立つので、絵本作りやイラスト、デザインなどを学べる専門学校や大学、あるいは通信教育などで学ぶことがおすすめです。ただ、そうした絵やデザインの学校を卒業すれば自動的に絵本作家になれるというわけではありません。
絵本作家としてデビューするには、作品を描いて絵本に力を入れている出版社に持ち込んだり、出版社や企業の行う主なコンクールに応募したりして編集者の目に止まることが必要です。
自分の好きな絵本作家たちが、実際どのようなコンクールで入賞したのか、あるいはどんな出版社から絵本を出してデビューしたのか、などプロフィールを調べて、同じコンクールに挑戦したり、同じ出版社に持ち込んでみることもおすすめです。
しかしコンクールで入賞したり、作品が目に止まったりするチャンスは、狭き門ともいえます。
そこでKindleなどで絵本の電子書籍を自分で制作して、出版することも一つの方法です。電子書籍を自分で制作するメリットは、お金をそれほどかけずに、かつ自分のタイミングで絵本を出版できることです。
実際、自分で出版した電子書籍が売れて注目され、出版社から絵本を出版することにつながった作家もいます。