『神無月←→神在月 なんかカッコいいけどその意味は?』

ミライ科
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2024.10.25

1月から12月まで、それぞれの月に別の呼びかたがあるのは知っているよね。
たとえば1月は睦月(むつき)、12月は「師走(しわす)」という名称だ。
そして今月、10月は「神無月(かんなづき・かみなづき)」。
でも実は10月には「神在月・神有月(かみありづき)」という名称もある。
無し? 有り? どういうこと?
知っているとちょっとカッコいい、日本の古くからの由来について紹介するよ。

目次

神無月とはなに? なんか名前カッコいいよね

こうした月の別名のことを、「和風月名(わふうげつめい)」や「異称(いしょう)」などというよ。
これはもともと陰暦で使われていた呼びかた。
陰暦というのは月の運行を基準として定めた暦のことで、7世紀ごろ中国から伝わり、日本では1872年まで使われていた。
「旧暦(きゅうれき)」や「太陰太陽暦(たいいんたいようれき)」ともいわれているよ。
神無月というのは陰暦の10月のことだけど、今では10月の異称として使われるようになったんだ。

神無月の名前の由来は?

10月がなぜ神無月と呼ばれるようになったのかな?
それは、神様にまつわる古くからの言い伝えによるもの。
10月には、日本中の神々が島根県の出雲大社※という神社に集まると言われている。
そのため、各地の神社から神様がいなくなるという意味で「神無月」と呼ばれるようになったという俗説が有名だけど、「神を祭る」という意味で「神な月」と呼ばれるようになったという説、「無」は「の」という意味で使われていて「神の月」という意味であるという説など、いろいろな説があるよ。
※いづもおおやしろ。いずもたいしゃという呼びかたは通称。

神無月のほかに10月の別名がある?

じつは、神無月のほかにも10月の異称はいろいろあるんだ。
冬の初めという意味の「開冬(かいとう)」や、木がらしが吹き、木の葉が落ちることから「木の葉月(このはづき)」、時雨(しぐれ)という、秋から冬にかけて降ったりやんだりする通り雨から「時雨月(しぐれづき)」など。
10月という月だけでも、いろいろな別名があるんだね。

各月のいろいろな呼びかたを知ろう

1月から12月までの和風月名と、由来の代表的な説も知ってみよう。
覚えておいて、「もう師走かあ、いそがしいなあ。」なんてつぶやいたら、ちょっとカッコいいかもね。
1月は睦月(むつき)。
お正月に親族などで集まり、仲睦(なかむつ)まじく(親しく)するところから名前がついたといわれているよ。
2月は如月(きさらぎ)。
まだ寒いので、衣を重ね着することから「衣更着(きさらぎ)」という名前がついて、それに中国の2月の衣装の「如月(にょげつ・じょげつ)」の漢字をあてたといわれているよ。
3月は弥生(やよい)。
草木がだんだん生い茂ることから名前がついた。
「弥」にはいよいよ・ますますという意味があるよ。
4月は卯月(うづき)。
「卯(う)の花」といって、ウツギという植物の花が咲く時期であることから名前がついた。
5月は皐月(さつき)。
「早月」とも書く。
早苗(さなえ)を植える時期であることや、「皐(さ)」の字には神にささげる稲(いね)という意味があることから名前がついたよ。
6月は水無月(みなづき・みなつき)。
田んぼに水を引く時期であることから名前がついた。
「無」は、「無い」という意味ではなく、「の」という意味で使われているので、「水の月」という意味になるんだ。
7月は文月(ふみづき・ふづき)。
稲穂が実る時期なので「穂含月(ほふみづき)」という言葉から名前がついたという説や、七夕に書物を開いて夜風にさらし書の上達を祈るという昔の風習から、「文披月(ふみひろげづき・ふみひらきづき)」と呼ばれていた名前を短くしたものという説があるよ。
8月は葉月(はづき・はつき)。
木の葉が落ちる時期なので、「葉落(はお)ち月」という名前だったのが葉月に変わったといわれているよ。
9月は長月(ながつき・ながづき)。
夜が長く、「夜長月(よながづき)」と呼ばれていたいことが名前が短くなったのが由来とされているよ。
10月はすでに説明したように、神無月(かんなづき)。
11月は霜月(しもつき)。
霜の降る月という意味だよ。
12月は師走(しわす)。
師匠も走り回るほど忙しい時期という意味だ。
陰暦は現在の暦とは1~2か月ほどのずれがあるので、「今は陰暦だといつごろかな?」なんて考えてみるのもおもしろいよね。

出雲では10月を神在月という 

10月の別名は神無月だけど、神無月にはもう一つの呼びかたがある。
それは、「神在月(かみありづき)」。
この呼び名は、出雲国(いずものくに・現在の島根県)で呼ばれている名前なんだ。
神様たちが各地から出雲大社に集まる神無月。
でも出雲大社のある島根県の出雲地方国では、神様がいるから神在月と呼ばれるんだ。

なぜ出雲だけ神在月? 

10月になると各地から神々が集まる出雲大社。
つまり、10月の出雲国には神様たちがたくさんいるということ。
だから、「神」が「在(あ)る=存在する」「月」ということで、「神在月」と呼ばれているんだ。
出雲大社をはじめとして、出雲地方の各神社では、この時期神様たちを迎える準備をし、さまざまな神事が行われるんだよ。

出雲大社の神在祭

現在でも行われている大きな神事が、出雲大社で行われる「神在祭(かみありさい)」だ。
毎年、陰暦の10月11日・15日・17日にあたる日に行われているよ。
2024年なら、11月11日・15日・17日に開かれる。
陰暦の10月11日から10月17日までの間は、各地から神様が集まって、「神議り(かむはかり・かみはかり)」という話し合いをしているといわれているんだ。
この神議りのさなかである神在祭の期間中は、神々のじゃまにならないよう、人間は静かに過ごすということになっている。
きれいな心と体で神々を迎えるため、静かに過ごし穢(けが)れを防ぐ、物忌(ものい)みを行うことから、神在祭は別名別名「御忌祭(おいみさい)」とも呼ばれているんだって。

神迎えと神送り

また、「神議り」のために各地から集まる神々をお迎えするための神事と、「神議り」を終えて各地へ戻る神々をお送りするための神事もある。
神々をお迎えする神事を「神迎神事(かみむかえしんじ)」という。
陰暦の10月10日の夕方に出雲大社の西にある「稲佐(いなさ)の浜」で神様をお迎えし、「神迎(かみむかえ)の道」を通って出雲大社までお連れして、「神迎祭(かみむかえさい)」をとりおこなうよ。
そして神在祭を終えた後には、出雲大社から帰られる神様をお送りする「神等去出祭(からさでさい)」という神事が行われるんだ。

神無月・神在月に神様は何してる?

各地から出雲大社に集まる神々をお迎えし、神議りの間には神在祭をとりおこない、また各地へ戻られる神々をお送りする、という一連の神事。
このように大々的に神事が行われていることを知ると、出雲地方では10月を「神在月」と呼んでいるのも納得だよね。
ところで、こんなに大々的に全国から神様が集まって、どんなことを話し合っているのかな?

神様が集まる理由

神様は、人の縁結びや天候、お米やお酒のできなど、いろいろなことを話し合って決めている、と考えられているよ。
だから神様が集まって「神議り」をしている間は、人間は静かに過ごし、神様のじゃまをしないようにする必要がある。
縁結びとは、結婚など男女の結びつきのほか、さまざまな人間関係の縁。
人の縁というのはときに不思議なものだけれど、もしかしてそれも、神議りで決まったことなのかな、なんて想像してみるのもおもしろいかもしれない。
神様たちは、今どんなことを話し合っているのかな...なんて考えてみると、ちょっとロマンチックな気もするよね。

留守神様の役割

各地から出雲大社に神々が集まるということは、各地の神社からは神様がいなくなっちゃうのかな、と思わない?
実は出雲大社に神々が集まっている間、出雲には行かずに神社を守っている神様もいると考えられているんだ。
それが「留守神様(るすがみさま)」というもの。
留守神様として各地を守っているのは、「えびす様」や「大黒様」「金毘羅(こんぴら)様」などと考えられていて、地域によってもちがうんだ。

おいしい神無月

神無月・神在月の由来や、出雲大社の神事についてよくわかったね。
おごそかな雰囲気の中で行われるさまざまな神事は、とても風情(ふぜい)のあるもの。
そんな神無月・神在月に、家でもちょっとその雰囲気を感じてみるのもいいかもしれない。
たとえば、神無月にちなんだお菓子を食べてみよう!
実は神無月のお菓子にはおいしそうなものがいっぱい。
その由来などにも思いをはせながら食べれば、いっそうおいしく感じられるかも。

神在餅(じんざいもち)

神無月のお菓子といえば、神在祭でふるまわれる「神在餅」。
紅白の丸いお餅と、甘く煮た小豆をいっしょに食べるものだよ。
お餅と小豆っていう組み合わせは、何だかなじみがあるよね。
そう、「ぜんざい」って知ってるかな?
実は、ぜんざいの起源となったのがこの神在餅なんだ。
「じんざい」と「ぜんざい」って、ちょっと音の響きが似ているよね?
神在餅の「じんざい」が出雲弁で「ぜんざい」に聞こえるため、「ぜんざい」と呼ばれるようになったんだって。
ちなみに10月31日は「出雲ぜんざいの日」。
これはもう食べるしかない!

亥子餅(いのこもち)

もう一つこの時期に食べておきたいのが、「亥子餅」。
陰暦の10月は、「亥(い)の月」とも呼ばれている。
亥の月の最初の亥の日、または亥の日に行われる年中行事を「亥の子」というんだよ。
2024年は11月7日が亥の子なんだ。
亥の子の亥の刻(午後9時から午後11時の間)に、穀物をまぜこんだお餅を食べると病気にならず健康に過ごせると信じられていたんだ。
亥子餅の作り方は地域によってもさまざまで、紅白のお餅を使ったものや、お餅の表面に小豆をまぶしたもの、お餅の表面にイノシシの子どもの体のようなしましまの模様を入れたものなどがあるよ。

秋の味覚を楽しもう!

昔の人たちがさまざまな願いを込めて大切に食べていた神在餅や亥子餅を食べて、昔の時代や伝統に思いをはせるのも風情があるよね。
ほかにも、秋はたくさんの実りがある季節。
お米やお餅、野菜や果物など、たくさんの収穫物に感謝をし、一つひとつ味わって秋の味覚を楽しむのもすてきなことだよね。

まとめ

古くから伝わる和風月名や、神無月・神在月についての由来や風習を知ると、「10月」といってもいろいろなとらえ方やロマンがあるって思わない?
昔の人はどんな気持ちで10月を迎えていたのかなあ、なんて想像してみるのもおもしろいよね。

神話や伝説をもとに物語を考えるのが好き、というキミは、シナリオライターという仕事について調べてみては?

テレビドラマなどの台本を書く「シナリオ専門の作家」

シナリオライターの仕事は、映画や芝居などの台本を書くことで、とくに放送局では常に必要とされます。
ドキュメンタリーやワイドショー、バラエティーなどにも台本がありますが、ふつうはドラマの脚本家をシナリオライターとよび、ほかの番組の作家と区別しています。
ドラマには、小説やマンガなどの原作からシナリオを書きおこす場合と、オリジナルでシナリオをつくる場合があります。
必要があれば、現地調査や資料集め、関係者への取材などをして、シナリオを仕上げていきます。

企業に属することなくフリーランスとして活動することが多い

シナリオライターのほとんどは、企業に属することなくフリーランスとして活動しています。
テレビ局やラジオ局の一般公募やシナリオコンテストに応募して、デビューのきっかけをつかんだ人も多く、評判がよければ、次の仕事もくるようになります。
実力のある人の中には、デビューから短い期間で、一流の脚本家の仲間入りをした若手ライターもいます。
シナリオライターのギャラは作品ごとに決まり、実力やキャリア、放送局によって違います。
作品が再放送されたり、DVD化されたりすると、二次使用料なども入ってきます。

日本の伝統や文化に興味があるというキミは、和裁士という仕事に向いているかも?

日本の伝統衣装である和服を仕立てる仕事

最近は若い人の中にも、現代風のアレンジでおしゃれに四季折々の着物を楽しむ人たちがいます。
和裁士とはそんな着物の仕立てやリメイクを仕事にする職業です。
反物(たんもの)を1枚の和服に仕立てたり、サイズを調整したり、修復したり、リメイクなどが主な仕事です。

もともと和の文化や和服に興味のある人が目指すことが多い

和裁士のお客さまは、茶道や日舞などの芸事をしている人から、日常的に着物を着ている人、成人式や結婚式、夏の花火大会などイベントで着物や浴衣を着る人など、さまざまです。
また、和裁士になる人は、もともと和の文化や和服に強い興味のある人、和装が大好きな人がほとんどです。
和裁士は確実な技術を身につければ、生涯にわたって働くことができる仕事で、定年もないため、歳を重ねても女性が働きやすい仕事です。
とはいえ、着物の需要は昔に比べて多いわけではないので、和裁士の給与水準や年収は、一般的には低めと言われています。

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