『七夕の伝説 ロマンチックにひたりたい♡』
7月といえば七夕。
ふだんは天の川によって離(はな)ればなれになっている織姫(おりひめ)と彦星(ひこぼし)が、年に一度だけ7月7日の夜に会うことが許されている、という伝説は有名。
夏の風物詩として古くから親しまれている七夕の伝説は、やっぱりロマンチック。
夏が来たなあ...と、季節の移り変わりを感じることもできるよね。
今年は七夕にくわしくなって、七夕の恋の伝説にひたっちゃおう!
目次
天の川と夏の星空
七夕に欠かせないのが天の川。
天の川自体は、見る位置や方角などの条件がそろえば一年中でも見られるそう。
でも、特に夏は天の川がよく見える季節なんだって。
天候や場所によってはあまりきれいに見えないということも多いけれど、やっぱり七夕には夏の星空を見上げてみたいもの。
もし天の川が見えなくても、空のきれいさや宇宙の広さを感じることができるかも。
「天の川」って? 七夕には、空を見上げてみよう
天の川というのは、たくさんの星が集まって見える光の帯のようなもの。
約2000億個の星などが集まってできていると言われているんだ。
すごい数だよね。
星や惑星(わくせい)、宇宙のちりなどがたくさん集まって一本の川のように見えることから、「天の川」と呼ばれるようになったんだ。
夏の夜空には、「夏の大三角」と呼ばれるひときわ明るく輝(かがや)く3つの星が見られるよね。
夏の大三角は、こと座の一等星であるベガ、わし座の一等星であるアルタイル、白鳥座の一等星であるデネブを結んでできる三角のこと。
明るくて見つけやすいので、目じるしとして覚えておこう。
ちなみにこと座のベガは織姫星、わし座のアルタイルは彦星で、二つの星の間に天の川が横たわっているんだ。
天の川を見るならこの季節!
というわけで、やっぱり七夕が近づく時期には空を見上げてみたい。
でも、天体望遠鏡などを使わずに肉眼で天の川が見える地域というのは限られてしまうよね。
それでも、比較的(ひかくてき)見やすい季節や時間帯があるんだ。
ほんの少しでも空を見上げて、古くから伝わる伝説に思いをはせてみるのもロマンチックでいいものだよ。
梅雨の時期だとくもり空が多くなってしまうので、時期としては梅雨明けのあと、7月から9月ごろまでの間が天の川が見やすいと言われている。
この時期であれば、場所によっては夜7時ごろから11時ごろに見ることができる。
また、旧暦(きゅうれき)の七夕は8月で、その時期は夜8時ごろに一番見えやすい位置に天の川がくるんだ。
もし新暦(しんれき)の7月7日によく見えなかったという場合は、8月の中旬(ちゅうじゅん)から下旬(げじゅん)くらいにかけて再トライしてみるといいかも。
雲のない晴れた日、できれば月の出ていない新月などの日を選ぶとより見えやすくなるよ。
天の川が見えやすい場所って?
ビルや家、お店などの光が明るいと、天の川はあまり見えなくなってしまう。
近くに街灯やビルの明かりなど、人工的な光のない、暗い場所だと見やすいよ。
ただし、夜暗い所へいくときは、おうちの人といっしょに行くようにしよう。
暗さに目を慣らしてから見るといいんだって。
また、海の近くは水蒸気が多くて空がぼやけてしまうため、海の近くよりも内陸部のほうが星がはっきりと見えるんだ。
夏休みで旅行や帰省など、町の明かりの少ない場所に行く機会があれば、ぜひ空を見上げてみよう。
7月であれば、東の方角に見えるよ。
旧暦の七夕である8月中旬から下旬であれば、南の方角に見ることができる。
最近では星座早見盤などのアプリもあるので、ぜひ活用してみよう。
織姫と彦星の伝説を知ってロマンチックな気分にひたろう!
七夕や天の川には、いろいろな伝説や由来があるけれど、やっぱり有名なのは織姫(おりひめ)と彦星(ひこぼし)という二人の恋人(こいびと)にまつわる物語。
夏のロマンチックな気分を盛り上げるにはもってこいだね。
七夕は、中国から伝わってきたお話と、日本に古くから伝わるお話とが合わさって生まれたものといわれているよ。
織女牽牛伝説(しょくじょけんぎゅうでんせつ)について
まずは中国から伝わってきたお話。
織姫と彦星の伝説のもととなったのは、中国の「織女牽牛伝説」というもの。
天の川の西岸に住んでいた織女は、一日中はた織り(たて糸と横糸で布を織ること)にはげんでいた。
さびしがり屋の織女をかわいそうに思った天界の神様である父が、天の川の東岸に住んでいた牽牛という牛飼いと結婚(けっこん)させた。
しかし結婚したとたん、ふたりは仲睦まじいものの、織女は機織りをしなくなり、牽牛は牛の世話をしなくなるなど、なまけるようになってしまった。
二人がなまけるので、神様が着るための布がなくなってしまったり、飼っていた牛が病気になったりしてしまったんだ。
そこで怒(おこ)った神様は二人を引き離(はな)した。
牽牛と離ればなれになったことを織女がとても悲しんだため、まじめに機織りをすることを条件として、1年に1度、7月7日の夜には天の川にかかる橋で会うことを許した、というお話。
中学生のみんなも、恋だけのことを考えていたら、勉強や部活がおろそかになってしまうかもしれない。
両立はたいへんだけど、だからこそ気持ちも盛り上がるのかもしれないよ。
七夕伝説で有名な織姫星と彦星の物語
日本で伝わる七夕伝説も、中国の織女牽牛伝説をもとにしたお話となっている。
まじめすぎる織姫の将来を心配し、天界の神様である父が同じくまじめな牛飼いの青年である彦星に引き合わせ結婚したものの、二人ともなまけるようになってしまい、天の川の東西に引き離されてしまった、というもの。
また、日本に古くから伝わるお話として「棚機津女(たなばたつめ)」というものもある。
「棚機津女(たなばたつめ)」は、棚(たな)づくりの小屋で、神様が着るための布を作るために機織りをする女性のこと。
その名前から、七夕を「たなばた」と読む語源になったのではないかという説もあるそうだよ。
織女と牽牛の出会いと別れのストーリー
織女と牽牛、織姫と彦星のお話は、完全なハッピーエンドとは言えないかもしれない。
せっかくおたがい好きになって結婚したのに、離ればなれにさせられてしまうのは、悲しいよね。
それでも、いっしょうけんめいがんばっていれば1年に1度だけ会えるとことに、希望もある。
待ちに待った七夕の日の再会は、きっと二人にとってすごく大切な時間になると思うんだ。
ちょっと切ない別れと、待ちに待った再会に盛り上がる気持ちなどが、古くから人の心を打ち、現在まで言い伝えられてきたのかもしれないね。
日本各地の七夕行事と世界の七夕
七夕の日には、古くから日本各地でお祭りが開かれているよ。
きみも、短冊(たんざく)に願い事を書いてササの葉に結びつけて飾ったことがあるかな?
実は七夕のお祭りというのは、地域によってもいろいろな特徴があるんだ。
それに、日本だけでなく世界にも七夕のような行事があるんだよ。
実は奥が深い七夕祭り。
いったいどんな伝説やお祭りが各地で伝えられてきたのかな?
日本各地の七夕伝説
日本各地で行われいるさまざまな七夕祭りや、その土地に伝わる七夕の伝説。
たとえば、大阪府枚方(ひらかた)市と交野(かたの)市には「天野川(あまのがわ)」という川が流れていて、その川砂が白く光って見えることから平安時代から七夕にまつわる和歌が多くよまれている。
そのため七夕にまつわる地名や名所が多く存在していて、織姫がまつられている神社などもあるんだよ。
また福岡県小郡(おごおり)市にも、織女神などをまつる七夕神社があり、毎年7月から8月にかけて短冊をかざるなどにぎわいを見せるそう。
古くから、織物は神様をむかえるお祭りのときに大切なものとされてきたので、布を織ることは神聖な仕事と考えられてきたんだって。
七夕を思いきり楽しむ七夕祭り
ほかにも、七夕祭りは日本各地で行われている。
有名な宮城県の「仙台(せんだい)七夕まつり」など、ニュース番組などで様子が流れることもあるよね。
各地の七夕祭りでは、カラフルな吹き流しやちょうちんといった豪華な七夕飾りが登場するほか、願いごとにまつわるイベントや花火、伝統的な踊りが行われるなどにぎわいを見せる。
七夕飾りにも地域ごとに種類や形、大きさなどがちがっていておもしろいから、機会があれば足を運んでみるのもいいだろう。
ちょっと気になる人をさそってみると、新たな恋のチャンスも生まれるかもしれないよ!?
意外と知らない? 世界の七夕
実は日本以外の国でも七夕のイベントがあるということを知っていたかな?
七夕の伝説の由来ともなった中国では、七夕という節句は古くからあるものの、最近では男性から女性に花束などをプレゼントする、中国版のバレンタインデーのような日になっているのだとか。
また、韓国では七夕の日が「恋人の日」と呼ばれていて、かつてはイチョウの実を恋人同士で贈りあったり、素敵な出会いを願って女性が「チャクトク」という半月状のおもちを食べたりしていたそう。
現在では、イチョウの実ではなく、プレゼントを恋人同士で贈りあうんだって。
ほかにも、日系人が多く住んでいるブラジルでも「スターフェスティバル」という七夕祭りが開かれており、願い事を書いた短冊を飾った竹など、街中に飾りつけがされるという。
世界で七夕祭りなどが行われているというのは、おもしろいよね。
七夕伝説には恋のヒントがいっぱい!
年に一度の特別な出会いを象徴する、七夕伝説。
その恋物語にはなぜか人の心をひきつける魅力があるよね。
織姫と彦星の出会いと別れのお話は、恋に関する希望や夢、好きな人と過ごす時間の大切さや、運命的な出会いの尊さなど、たくさんのことを教えてくれる。
実は恋の参考になるヒントも、いっぱいかくされているんだ。
七夕から得られる恋の教訓などについて、考えてみよう。
七夕伝説にひそむ恋の教訓
好きな人と結婚していっしょに過ごす時間が楽しすぎて仕事をさぼってしまった...なんて、七夕の伝説はある意味人間味あふれる、親しみやすいお話だよね。
もしかしたらみんなも、好きな人のことが気になって勉強が手につかない...なんてことがあるんじゃないかな!?
相手のことを大切に思えばこそ、今自分がやるべきことをなまけずにしっかりとやることが、その先へつながることの道なのかもしれないよ。
遠く離れて思う気持ちが恋のスパイスに
同時に、七夕の伝説は1年に1度という限られた機会を大切にする尊さも教えてくれる。
離れて過ごす時間に、相手のことを大切に思いやる気持ちを育てれば、再会がよりいっそううれしいものになるよね。
勉強に部活にいそがしい中学生。
できれば気になる人や好きな人とたくさんの時間を過ごしたいけど、なかなか思うようにそうできない、ということもあるかもしれない。
でも、そういうもどかしい気持ちがあるからこそ、会えたときにとっても楽しいし、うれしいんだと思う。
いろいろなことに打ち込みながら、好きな人を思う気持ちを大切にしていくことが、キミを魅力的な人間に成長させてくれるはず!
夏のひととき、夜空を見上げて恋の伝説に思いをはせよう
七夕の伝説から得られる恋のヒント、少しは参考になったかな?
七夕の夜には、織姫と彦星、今ごろ幸せな時間を過ごしているかな? って、ぜひ少しだけでも空を見上げてみてね。
願い事をして信じる気持ちや、人を大切に思う気持ちなど、大切なことに気づけるかも。
まとめ
日本の夏の風物詩である七夕。
天の川が輝く夏の星空の下で、人とのつながりや支え合うことの大切さを感じてみてね。
いろいろなところで色とりどりの七夕飾りを見ることもできると思うから、その地域での風習や言い伝えに耳をかたむけてみるのもおもしろいかも。
昔の人はどんな気持ちで七夕を過ごしていたのかなと、想像してみるのもいいね。
夜空の星に思いをはせ、いつか宇宙に飛び出してみたい! と思うキミは、宇宙飛行士についてあらためて調べてみては?
地上ではできない革新的な実験や研究をおこなう
宇宙飛行士の主な仕事内容は、宇宙船を操縦すること、国際宇宙ステーション(ISS)に滞在し、宇宙空間での科学実験や研究、天体観測を行うこと、宇宙ステーション内の修理や管理をすることです。
2020年現在、日本では宇宙航空研究開発機構(JAXA)が宇宙飛行士の募集や訓練を行なっていて、日本国籍の宇宙飛行士はみんなJAXAの職員です。
JAXA宇宙飛行士は、主に日本実験棟「きぼう」で、微小重力など特殊な宇宙環境での科学実験や研究を行い、国際宇宙ステーション(ISS※)や「きぼう」本体の維持管理、実験装置や材料の設置なども行っています。
※国際宇宙ステーション(ISS) 国際宇宙ステーション(ISS)とは地上約400Kmの上空に建設され、地球の周りを回る重要な施設のことで、世界の宇宙開発を大きく前進させるために、アメリカ、ロシア、カナダ、ヨーロッパ各国、そして日本の世界15カ国が関わっています。ISSには2000年11月から宇宙飛行士が滞在を始め、宇宙実験や研究、天体観測などが行われています。ISSの一部には「きぼう」という名称の日本の建設した実験棟(じっけんとう)があります。(2021 4月現在)
地上で働いている期間は、訓練や宇宙開発に関する研究作業をおこなう
宇宙ステーションで行われるさまざまな分野の科学実験や研究成果は、さらなる宇宙開発だけでなく、世界の科学技術を進歩させ、地上の生活や産業の発展に役立っています。
例えばスマホのGPS、新薬や治療法の開発、天気予報の精度ほか、生物や物理分野、芸術分野に至るまで、多数の技術進歩に役立っています。 このような地上ではできない革新的な実験や研究に携われることは宇宙飛行士のやりがいのひとつと言えます。
キレイな天の川、できればこの目で見てみたいよね。視力って上げられるの?? と思ったキミは、オプトメトリストという仕事に興味が持てるかもしれないよ。
アメリカや欧米では国家資格のある高度な専門職
オプトメトリストは、薬や手術に頼らずに患者の視力を上げるサポートを行う仕事です。
アメリカやオーストラリアなど欧米諸国では国家資格となっており、高度な専門職として認知されていますが、日本ではまだ認知度があまりない職業でしょう。
オプトメトリストは、目に関する機能を検査して、視力の問題、目の病気、そのほかの異常を見つける技術者です。
メガネやコンタクトレンズの処方だけでなく、使用方法やメンテナンス、生活習慣のアドバイスなども行っています。
さらに幼児の視力の発達検査や、両眼視に問題のある人の見る機能トレーニング、発達障がいを伴う人の視機能トレーニングにも、オプトメトリストが活躍しています。
またスポーツ選手の「動体視力」「瞬間視」など、特殊な機能の検査、矯正、強化トレーニングなどにも取り組んでいます。
眼科医との違いは?
オプトメトリストは、医師とは違うので、病気の治療や手術はしません。
目の病気を発見したら眼科医に行くように勧めます。
オプトメトリストの専門分野は「両方の目をうまく使って効率よく物を見ているか?」 「見るべきものを正確に脳で見ているか?」など、目を使って物を見る方法が健全であるかどうかを検査して、改善のアドバイスやトレーニングをすることです。
「オプトメトリスト」の資格はまだ日本ではあまり認知されていないのですが、高度な知識を必要とする資格であるため、今後、日本での資格制度の変化によっては年収アップの可能性もあります。