『平和について 将来について』

ミライ科
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#将来
2024.08.09

夏休みもなかば。
毎年この時期になると、ニュースなどで戦争や平和に関する話題を見聞きすることが多くなるよね。
8月は終戦記念日などがあるから、戦争にまつわる話が取り上げられることが多いんだ。
ふだんはあまりゆっくり考える機会がないかもしれないけれど、今の日本は、平和な国といえるよね。
でも、世界にはそういう国ばかりじゃない。
平和とはなにか、自分にできることはあるのか、時間に余裕のある夏休み、ぼんやり考えてみてもいいんじゃない?

目次

平和ってなんだろう

そもそも、「平和」とはどういうことなのかな?
国語辞典では「①争いや戦争がなく世の中がおだやかな状態であること②何事もなく安らかなこと」(ベネッセ新修国語辞典)とある。
日本国憲法の前文にも平和という言葉が出てくる。
でも、世界に目を向けるとさまざまな争いごとが起こっていて、平和とはいえないんだなと思うよね。

日本は平和な国?

じゃあ日本は平和なんだろうか?
この問いには、さまざまな答えが考えられる。
いま現在、日本のどこかで実際に武力による戦争が起きているわけではないけど、日本の周辺でミサイルなどが発射されたり、近隣国と領土問題を抱えていたりと、決してなんの問題もない状況とはいえない。
また、戦争でなくても、いじめやひぼう中傷、暴力や事件など、人間どうしの争いは絶えないよね。
もしかすると、一見平和に見える日本でも、平和に暮らせている人ばかりではないのかもしれない。

夏になると話題になる戦争の話

夏には戦争にまつわる話題が多く出るようになる。
それは、過去のこの時期に、忘れてはいけない重要なできごとがたくさんあったから。
毎年ニュースなどでも報じられるように、戦争によって亡くなった人たちを弔(とむら)う日があり、慰霊(いれい)のための式典などが行われているんだ。
たとえば、8月6日は広島に、8月9日は長崎に原爆が投下された日。
第二次世界大戦中の1945年のできごとだ。
今は原爆を投下された日に、広島・長崎それぞれの地で、平和を祈る式典が行われている。
このあと、終戦を迎えた8月15日は終戦記念日となっていて、全国戦没者追悼(せんぼつしゃついとう)式が行われる。
式典のニュースだけでなく、戦争を体験した人や、遺族の話などを見聞きすることもあって、平和について考える機会が増える時期だよね。
町の防災無線などで黙とうをささげる放送が流れたりもするから、この日だけでも、戦争の犠牲になった人たちに思いをはせてみよう。

この夏休み、ふと考えてみる

第二次世界大戦が終結してから今年で79年。
今の世界は、日本は、どのような状態にあるだろう?
世界で起きている戦争はこの先どうなっていくんだろう?
すぐに答えの出る問いではないけれど、だからこそ考えていきたいこと。
時間に余裕のある夏休みだから、そんな問いについて考えたり、調べたりしてみるのはどうだろう。

世界で起こっている戦争は無関係? 

戦争は決して、過去のできごとではない。
今、世界のあちこちで戦争が起きていることは、ニュースなどで見て知っているよね。
海外でのできごとだし、日本にいる自分にはあまり関係ないなんて思っているかな?
でも、世界といろいろな面でつながっている現代、海外でのできごとだから無関係とはいえない。
世界で起きているできごとが自分たちの生活とつながっているという意識をもつことは、平和のために連帯する力にもなっていくんだよ。

戦争は今起こっていること

日々のニュースで流れてくる、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻や、イスラエルによるガザへの攻撃などでは、民間人の犠牲も報じられている。
民間人が犠牲になるということは、戦闘員として戦争に参加しているのではなく、日常生活を送っているところで突然攻撃を受ける恐怖にさらされるということなんだ。
ほかにもアフガニスタンでの紛争やシリアでの内戦など、世界各地での争いは、ニュースで取り上げられなくなったからといって、すべてが解決しているわけではなく、今も争いが続いているところはたくさんある。

戦争は関係ないこと?

海外でのできごとであっても、日本の生活に無関係というわけにはいかない。
たとえば、ロシアによるウクライナ侵攻が長期化していることによって、さまざまな物資やエネルギーの値段に影響が出ている。
もともとロシアで多く産出・輸出されていた天然ガスや原油、金、小麦といったものの供給が少なくなり、値段が上がってしまっているんだ。
原油などのエネルギーの値段が上がると、ガソリン価格が上昇し、輸送費も上がってしまう。
さらに、航空機による輸送では、ロシア上空の飛行ルートが使えなくなり、物資の輸送費アップだけでなく、旅客機の飛行ルートにも影響が出ている。
海外で起きていることは、決して関係のないことじゃないんだ。
そして、こうした経済的な面での影響だけでなく、武力による現状変更を認めてしまうと、今平和だと思っている日本もまた、侵攻を受けてしまう可能性だってあるかもしれない。

世界で起きていることに目を向けてみよう

新聞やニュースなどでは世界各地の情報を得ることができる。
世界でどんなことが起きているか、少し関心をもって世の中を見てみると、今まで気づかなかったものごとのつながりに気づいたり、新たな発見をしたりすることもあるだろう。
めぐりめぐって、興味がもてることに出合えたり、将来を考えるきっかけを見つけたりすることもあるかもしれない。

平和な世界のためにどんな取り組みがある?

世の中、できれば平和であってほしいと願うのはみんな同じだよね。
じゃあ、平和のためにはどんなことができるんだろう?
答えは一つではないし、だれかが確実な正解をもっているわけではない。
だけど、世界の平和のためにどんな取り組みがされているのかを知ることはその一歩だ。
平和のために取り組んでいる人や団体、国際的な機関などについていっしょに見てみよう。

平和な世界を実現するために行動した人

平和のために活動するというと、問題が大きすぎて何をしたらいいかわからないよね。
でも、自分にできることで平和に貢献した人はたくさんいるんだ。
たとえば、日本人の医師であった中村哲(てつ)さんは、パキスタンやアフガニスタンで医療活動に従事していた。
それだけでもりっぱなことだけど、中村さんはアフガニスタンでは、人々の健康に水が重要であることを認識し、そこから用水路の整備をすることを考えたんだ。
その後、用水路の整備によって、現地の人々の健康的な生活の基盤を整え、農業生産を増加させることにもつながり、多くの人たちに感謝された。
残念ながらアフガニスタンで武装勢力に銃撃されて亡くなってしまったけれど、国内外から多くの追悼の声が寄せられたよ。

国連の役割って?

戦争や紛争を防ぎ、世界の平和と安全を維持するための機関としては、国際連合(国連)がある。
国連は世界の平和と安全を維持すること、そして経済・文化・人権などの分野で国際協力をすることを役割として、第二次世界大戦が終結した1945年に発足した。
主要機関である総会のほか、国と国の間の争いを解決する安全保障理事会や、経済・社会・文化・教育・保健などの国際問題を解決する経済社会理事会、国連加盟国間の紛争を解決する国際法廷である国際司法裁判所などがある。
また、国連にはいくつかの専門機関もある。
飢えや病気などから子どもを守る活動をするユニセフ(国連児童基金)や、教育・科学・文化を通じて世界の平和を推進するユネスコ(国連教育科学文化機関)など、こうした専門機関も、世界の平和につながる活動をしているよ。
社会科でも習っていると思うから、この機会にあらためてどんな活動をしているのか調べてもいいね。

平和のために活動するいろいろな団体がある

国連に限らず、平和維持や紛争解決などのために活動している国際機関は数多くあるよ。
赤い羽根募金でおなじみの日本赤十字は世界中の災害や紛争、病気で苦しむ人々のために活動しているし、ほかにも多くのNGO(非政府組織)やNPO(民間非営利団体)が平和のために働いているんだ。

平和な世界のためにできること

平和のための国際機関は多数あって、自分にできる分野で平和のために活動している人たちはたくさんいる。
じゃあ、今なにか中学生のキミにできることはあるのだろうか。
そんな大それたことできないよ、と思うかな?
でも、一人ひとりの考え、行動、発言、選択が積み重なって世界はできている。
だから今、ほんの小さなことでも、キミが平和のためにできることは必ずあるはずだ。

自分でできることを考えてみる

平和のために自分にできることはなんだろう?
そう考えることが、すでに平和のための第一歩だといえる。
まずは世界にどんな問題があるのか、今どうなっているのかを知ることから始めてみよう。
海外での紛争について調べてみてもいいし、日本が抱える国際問題について調べてみてもいい。
戦争やテロといった直接的な紛争だけでなく、差別や偏見、貧富の差といった問題に目を向けてもいい。
どうせ変わらない、しかたがないというあきらめや無関心は、むしろ課題を悪化させているかもしれない。
「これっておかしいんじゃない?」と思うその感覚こそが、その問題を解決する第一歩。
キミのなかの疑問や意識が、世界を変えていくエネルギーにつながっていくんだ。

ボランティアや募金活動

もし実際になにかアクションを起こしてみたいと思ったら、ボランティアや募金活動に参加するのもいいね。
ボランティアには、さまざまな活動があるので、興味がもてる分野のものを探してみよう。
食べきれなくて余ってしまいそうな食品を必要な人に届けるフードバンクや、学用品や衣料品などを必要な人に使ってもらうリユースやリサイクルなどの活動もある。
また、自分のおこづかいの範囲で募金してもいい。
募金先はいろいろあるけれど、ユニセフやUNHCRのような国際機関に直接募金することもできるし、地域の団体の活動を応援するために寄付することもできる。
寄付や募金を考えるときには、どんな団体なのか、募金がどのように使われるのか、金額や使い道が公開されているかなど調べてみよう。
おうちの人や学校の先生などに相談して、どんな活動を応援したいのか考えてみてもいいね。

平和のためにどうすればいいか学んでみる

平和のためになにができるかを考えるには、いろいろなことを学ぶのも大切だ。
過去にどのような争いや対立があったのか。
なぜ、争いが起きてしまうのか。
だれかの平和が、じつはだれかの不幸につながっていないか。
平和的な解決方法にはどんなものがあるのか。
...などなど、考えるテーマはたくさんあるんだ。
まずは、自分のまわりに目を向けてみよう。
もしかしたら、今身近に苦しんでいる人がいるかもしれない。
まずは「知る」ことによって、意識が変わり、キミの行動が少し変わることで、なにかが動き始めるかもしれない。

まとめ

世界の平和というと大きなことだけれど、平和について考えるその気持ちがもっとも大切だといえる。
まずは知ること、そして、自分のことや自分の身の回りのことに目を向けてみよう。
自分の身の回りのことと世界はつながっている。
学ぶこと、想像力をはたらかせること、そしてなにか行動してみること。
この夏休みは、そうした平和のための時間を少しだけつくってみてはどうかな。
これから自分たちがどういう世界を生きていくのか、どういう世界にしたいのか、すべてはつながっていくことなんだ。

平和のために働く人になりたい! と思った人は、国際公務員をいう仕事について調べてみては? 

国際公務員の職場は国際機関

国際公務員の仕事は、国連をはじめとする国際機関で働き、世界平和や貧困、人権、地球環境などの課題解消に取り組むことです。
国際公務員が働く機関の例として国連や、国連開発企画(UNDP)、国連児童基金(UNICEF)、世界保健機関(WHO)、国際通貨基金(IMF)などがあります。
これらの機関は各国の政府から独立した組織です。
具体的な仕事内容は所属する機関によりますが、国際社会の抱える課題と直接向き合い、貢献することが最高のやりがいと言えるでしょう。

国際公務員はどんな人に向いているの?

世界には環境問題、テロや民族紛争、貧困、感染病など、一つの国だけではなく地球規模で協力して取り組まなくてはならない問題がたくさんあります。
そのような世界の課題をなくし、自分の力で世界をよくしたいという高い意識と使命感があり、フットワークの軽い人が国際公務員に向いています。
世界の抱える課題に即戦力として関わるには、現地で英語かフランス語で仕事のできる高い語学力、専門領域の高い知識、実務経験も欠かせません。
採用時にはハイレベルの語学力と修士号以上の高い学歴、専門領域での経験が条件となります。
国際公務員の採用試験には、世界中の優秀な人材が応募するため、非常に難関と言われます。それでもその高いハードルを超え、世界をよくするために挑戦したいと思う努力のできる人にはとても向いている職業と言えます。

戦争にならないように事前にいろいろなことを交渉して解決することはできないの? と思ったキミは、外交官という仕事に向いているかも? 

国際的な交渉や交流、情報収集などを行う

東京にある外務省で働く人のことを「外務公務員」、その中でも特に海外の大使館・領事館などで働く「外務公務員」を「外交官」と呼びます。
外交官には、国家の機関である外交使節(大使・公使)もふくみます。
世界の国々にある日本の大使館や総領事館、国内の外務省などに勤務して、日本の代表として国際的な交渉や交流、情報収集などを行うのが主な仕事です。

数年おきに海外勤務と国内勤務をくり返す

世界各国には日本の大使館や総領事館、政府代表部などの在外公館が約220か所あり、これらの在外公館や外務省本省に勤務し、国家間の交渉の先頭に立って活躍しているのが外交官です。
外交官として採用されると、外務省で2-3年の研修を終えた後、各国の大学などで2~3年の研修を受けます。
その後は3-4年ごとに異動し、海外勤務と国内勤務をくり返します。
たとえば国際会議に参加したり、外国に滞在する日本人の安全を守ったり、国連の平和維持活動に参加したりと、貿易や平和、政治、文化などに関するあらゆる場面で日本の代表として活やくします。

戦争で傷ついている発展途上国などのサポートをする仕事に興味があるというキミは、JICA職員という仕事について知ってみては? 

JICA(日本国際協力機構)の役割とは

JICAは、開発途上国を支援する世界最大規模の国際協力機関です。
世界のさまざまな地域の開発途上国に、国のODA(政府開発援助)を使い、資金面や技術面から支援を行っています。
貧困、飢餓、紛争、感染症の広がり、社会基盤の未整備など、世界の開発途上国の抱える課題はさまざまです。

JICA職員の仕事はプロジェクトの進行管理(マネジメント)

JICA職員の主な仕事は、
1、途上国の課題を解決するための調査や研究を行うこと。
2、援助のための資金計画を立てること。
3、現地サポートを行う専門家やボランティアを現地に派遣すること。
です。
JICA職員はあくまでもプロジェクトの進行管理(マネジメント)の仕事をしており、実際に技術協力などで働くのは、JICAの専門家やボランティアスタッフです。
JICAの本部は東京にあり、国内に15か所、海外に90か所の拠点があります。JICA職員には、一般企業と同じように、人事、経理、広報といった業務を行う人もいます。

どんな仕事かな? と思ったら「おしごと事典」を見てみよう!

おしごと事典
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