『「うそ」のことわざ いくつ知ってる?』
知っていることわざを挙げてみて、と言われたらキミはいくつ答えられる?
「猫に小判」「犬も歩けば棒に当たる」「馬の耳に念仏」など、動物が登場することわざもあれば、「石の上にも三年」「急がば回れ」など、なんだか耳の痛くなることわざも......。
目次
ことわざにはどんな役割があるの ?
お家の人との会話のなかや、先生のお話など、日常生活でもちょこちょこ顔を出すことわざ、どんな役割があるんだろう?
ことわざの基本的な役割
まず、ことわざがどういうものなのか確認してみるよ。
ことわざは世界中のさまざまな国にあるもので、人々が昔から暮らしのなかで使ってきた、ためになる教えやいましめなどを簡潔にまとめた言葉だ。
日常生活におけることわざの影響
覚えやすく、使いやすいことわざは、暮らしのなかから生まれた教訓が多い。
だから、実感をもって現代の日常生活のなかで使われる。
なんとなく頭のなかに残っているものも多いはずで、いざ行動をするときに、ことわざが頭をよぎって注意を払って行動したり、とった行動を反省したり、と影響を受けることも多いはずだ。
「うそ」を使ったことわざ
そんなことわざのなかで、よく登場するのが「うそ」。
うそがなにかしらの役割を果たしたり、とんでもない事態を引き起こしたり、うそは教訓につながりやすいから、ことわざがいくつも登場したのかもしれないね。
どんなことわざがあるか見てみよう!
「うそも方便」
「うそも方便って言うしね!」と、うそをついたことを正当化するような場面で登場するこのことわざ。
その意味は、「うそをつくのは良くないけれど、目的を達成するために時には必要だ」ということだ。
「方便」というのはもともと、仏が人々を導くためにとるさまざまな手段のこと。
相手のことを考えてとる手段なら、うそも仕方ないよね、という話から生まれたという説があるよ。
「うそつきは泥棒の始まり」
「宿題やった?」と聞かれて、やっていないのに「やった」とついたうそ。
うそがバレて怒られる、定番ストーリーだよね。
このことわざは「うそをつくことに慣れてしまうと、いつか泥棒をするのも平気になってしまう」という意味だ。
うそをつくことは信用を失うことにつながるぞ、という教訓のことわざだね。
「うそ八百」
たくさんのうそ、まったくのうそであること、うそのレベルがはなはだしいことを表すことわざだ。
どうして八百? さすがに八百個もうそをつかないよ、と思うかもしれないけれど、八百というのは「たくさん」であることを表す表現で、「八百万(やおよろず)」などと同じ。
うそのとらえかたは文化的背景で違うんだ
日本のことわざをみると、うそについてのとらえかたがわかってくるよね。
「うそをつくのはダメなこと」といましめつつ、「ときには仕方ないこと」と案外優しい。このうそのとらえかたは、文化的背景が違うと変わってくるんだ。
日本のうそのとらえかた
まず日本。日本では人とのつながりや関係を和やかに維持することを大切にされてきた。
だから、人間関係をスムーズにするためのうそなどは、ときと場合によっては仕方ないものとして受け止められる傾向があるよ。
欧米のうそのとらえかた
欧米ではどうだろう? さまざまな文化があるけれど、ときにキリスト教の影響が強い地域では、うそは聖書で禁じられていることから、いけないことだと教えられることが多いようだ。
でも、だれかを楽しませたり喜ばせたりするような、人との関係を円滑にするうそまでは禁じられていない、ともいわれているよ。
英語には「White lie」という表現もあって、これは相手のことを思ってつく、優しいうそを表すんだ。日本語の「うそも方便」と似ているよね !
アジアでのうそのとらえかた
アジアの他の地域、例えば中国や韓国では、またちがったうそのとらえかたがあるようだ。家族や国など、大切なものを守るためのうそは認められる、という考え方があるとも言われている。
人との関わりのなかでも、社会的な調和や面子(メンツ)を保つためのうそは重視されることもある、という説があるよ。
まとめ
だれかを混乱させたり、悲しませたり、怒らせたりするようなうそは、だれも幸せにはならない良くないうそ。
でも、うそをつくことで気持ちが楽になる人がいたり、楽しくなれる状況だったりするのなら、それは一概に悪いうそとは言えないよね。
ことわざの意味も、うそを認めるようなものといましめるものがあるように、簡単に白黒つけることができないのが、言葉というものなのかもしれないね。
「おしごと事典」を見てみよう!
うそのことわざに興味を持ったキミにぴったりな仕事
うそをつくこと、うそにまつわることわざをきっかけに、他人とのコミュニケーションについて考えるおもしろさを人に伝えたいと思ったら「中学校教諭・高校教諭」を目指してみてはどうかな。
魅力的なストーリーでみんなに夢を見せる仕事がしたいなら「広告代理店」や「イベントプランナー」がぴったりかもしれないよ。
どんな仕事かな?と思ったら「おしごと事典」を見てみてね!