『勉強で眠くなるのはなぜ』

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2022.09.01
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休み時間は全然眠くなかったのに、授業が始まると意識がぼんやりとして、先生の声が少しずつ遠ざかっていく。
次第にまぶたが重たくなって、ウトウト...。やる気がないわけではないのに、まるで見計らったように睡魔はいつも勉強中に襲ってくる。
「眠気を克服できれば、もっと進められたのに」なんて悩んだこともあるんじゃないかな。勉強していると眠くなるのはどうしてなのか? 
この記事でその理由を理解して、勉強中に眠くならないようにする方法や、眠くなっても睡魔を撃退するコツを知り、勉強中の眠気をコントロールできるようになろう。

勉強をしていると、眠くなるのはなぜ?

「勉強をしていると眠くなる」と思い当たる人は多いと思う。でも、眠くなるのは本来、ヒトが生命を維持するために必要なことなんだ。眠くなるのには主に次の2つが関係している。

・脳や体が疲れたから、休ませて機能を回復するために眠くなる。
・体内時計によって、夜になったから眠くなる。

体内時計というのは、人間の身体に備わっている時間を刻むメカニズムのことだ。
人間は、昼間一定の時間活動すると、夕方、睡眠を促すメラトニンという物質が体内に分泌され、夜に眠くなるようになっている。
本来、夜は寝ている時間なんだから、夜遅くに勉強していて眠くなるのは当然のこと。夜型の勉強スタイルを見直せばいい。
でも、眠くないはずの日中の勉強時間に眠くなるのはなぜだろう。それには、上で紹介した一つめの「疲れ」が関係しているんだ。

原因その1 睡眠不足や睡眠の質が悪いために、脳がきちんと働かないから

夜更かしをしてそもそも睡眠時間が少なかったり、ある程度長く眠っていても睡眠が浅かったりすると、寝ている間に脳や身体の機能が十分に回復しない。
そうすると、脳が働いているはずの日中に、疲れを回復させようとして眠くなるんだ。
勉強中に眠くなってしまったら、睡眠不足や疲れが影響していることも考えられるよ。

原因その2 脳に十分な栄養が足りていないから

脳がきちんと働くためには、そのエネルギー源である糖分が必要になる。
一方で、起きている間は通学、授業、部活動など、とても多くのエネルギーが消費されるんだ。
学校から帰って夕方勉強をするとき、空腹でエネルギーが足りない状態だと、脳にも必要な糖分が不足して頭がきちんと働いてくれない。
勉強中にあくびが出てきたら、空腹で脳に必要な栄養が足りていないのでは?と疑ってみよう。

寝不足や疲れ、エネルギー不足のほかにも、勉強中に眠くなることがある。それには「モチベーション」も関係しているんだ。

原因その3 脳にとって魅力的な刺激が足りないか、脳にストレスがかかっている

人間は、楽しいことや興奮するようなことなどの魅力的な刺激に接していると、脳が活性化するドーパミンという物質が分泌されて覚醒する。
逆に、魅力的な刺激がないと脳は活性化されず、眠気を引き起こす。
また、嫌なことや苦手なことに挑戦するときのように、プレッシャーやストレスが大きすぎると、脳はその嫌なことをシャットアウトして心身を守ろうとする。
この嫌なことに対する拒否反応が眠気となって表れることがあるんだ。
勉強中、わからないことがあると眠くなるのも、脳が「わからないこと=ストレス」だと感じ取ってしまうからなんだ。

眠くなること自体は何も悪いことではない。どんなに立派な人でも、勉強が得意な生徒でも、誰だって眠くなる。
つまり、勉強中眠くなるのはキミの意志が弱いせいではない。
だから、自分を責めるのではなく、疲れていないか、脳にストレスをかけていないか、と考えて、眠気とうまくつきあっていくコツを身につけよう。

勉強中に眠たくならない方法

ここでは、集中して勉強に取り組めるように、あらかじめやっておきたい「眠気予防法」を紹介しよう。

規則正しい生活で体内時計を正しく機能させて、良質な睡眠を確保する

上で説明したように、人間には体内時計という体のリズムが備わっている。
体内時計の周期は24時間より少し長いため、これを1日24時間の周期に合わせる調整が必要だ。
朝起きて、太陽の光を目から取り込み朝食をとることで、体内時計がリセットされる。
こうして体内時計が正しく機能すれば、日中は元気に活動できるし、夜には身体が休息モードに切り替わって自然と熟睡できる。
勉強中に眠くならないためには、良質な睡眠をしっかりと確保することが何よりも重要なんだ。睡眠の質を高めるために、次のことを意識してみよう。

・起床したら太陽の光を浴び、朝食をしっかり食べよう。
・体内時計を狂わす次のような行動は控えよう。
①寝る前に、スマホやテレビなどの液晶画面を見る。
②食後すぐや、入浴後すぐに寝る。
③部屋の照明や、映像・音楽を付けっぱなしのまま寝る。

バランスの取れた食事を心がける

身体に必要な栄養素が足りていない状態やおなかが空きすぎている状態では、エネルギー不足で脳は働いてくれない。
集中力を保って効率的に勉強をすすめるには、1日に3食、栄養バランスのとれた食事をすることが大事なんだ。
正しい食生活を心掛ければ、体内時計も整って睡眠の質を高めることにもつながるよ。

適度な運動をする

ジョギングやウォーキングなど、毎日ちょっとした運動を取り入れると夜の眠りが深くなる。
そして、勉強をはじめる直前に運動を行うことで勉強への集中力もアップする。あくまで、疲れをためない程度の「適度な」運動にとどめておくことが大事だよ。

勉強中に眠たくなったときの対処法

どうしても勉強中に眠くなってしまったら、次のような方法を試してみよう。脳に刺激を与えることで頭がリフレッシュして、目が覚めてくるよ。

勉強内容を変える

人間の集中力が続く時間は決まっているから、同じことをずっと続けていれば当然飽きてくる。
集中力が切れてきたと感じたら、違うことに取り組むのが眠気防止には効果的。
また、同じことを長く続けていなくても眠くなってしまったのなら、今やっている勉強が「魅力的ではない」「退屈だ」と脳が判断した可能性がある。
苦手な教科やとても難しいことに取り組んでいるなら、脳がそのストレスから離れようと、眠気を引き起こしているのかもしれない。
得意な教科や易しい問題に変える、暗記から問題演習に変える、教科書をただ読むだけではなく手も動かしてみる、など、やることに変化をつければ脳が刺激されて、眠気が解消されるよ。

声を出す

勉強している環境があまりにも静かだと眠くなることもあるよね。そんなときは声を出して脳に刺激を与えるのも一つの手。
教科書や参考書を大きな声で音読してみる、歌を歌うなどして眠気を解消してみよう。
家で勉強しているなら休憩がてら家族と話をするのもいいし、友達と一緒に勉強しているならその人と少し話をするのもおすすめ。
誰かと話しているうちに眠気が覚めていくこともあるよ。

軽く体を動かす

長時間同じ姿勢でいたり疲労や緊張が続いたりすると、血液の流れが低下し、脳に十分な酸素が行きわたらなくなって眠くなることがある。
首や肩を回したり、椅子から立ち上がって背中を伸ばしたり、ストレッチや体操を行ったりしてみよう。全身の血流がよくなって眠気覚ましの効果が期待できるよ。
その他にも、手軽に行える眠気対策がいくつかある。
気分転換に歯磨きや洗顔をする、冷たいタオルや飲み物を顔に当てる、外に出て冷たい風にあたる、換気をして新鮮な空気を取り入れるなどが有効だ。
また、ミントやカフェイン入りの飲み物でも脳をリフレッシュさせることができる。コーヒーやお茶などから取り入れてみて。
ただし、カフェインの摂りすぎは胃を壊したり、体を冷やしたり、害になることもあるから注意が必要。
おなかが空いて頭が働かない、というときには、チョコや飴、ブドウ糖などで糖分を摂取するのもおすすめだよ。

それでも眠いときは、いっそのこと仮眠してしまおう!

眠くなったときの対処法を試してもどうしても眠気に勝てないときは、思いきって仮眠をとることも大切。
眠たいのに無理して勉強を続けても、集中力は下がるし頭の働きも鈍くなる。勉強の効率が落ちてしまうんだ。
15分から20分程度、短時間だけ寝るのなら、勉強で疲れた脳を休ませることができて頭がすっきりとする。
椅子の背にもたれたり横になったり、リラックスした姿勢で仮眠をとることがポイント。あまり長く寝ると頭がぼんやりしてしまうので、長くても30分以内にしよう。

睡眠は、記憶を整理してくれる大事な機会!

定期テスト前や受験勉強では、やることが多すぎるせいで休む暇なくひたすら勉強し続けるという声を聞くことがある。
でも、こんな「寝る間も惜しんで」の勉強は、残念ながら努力ほど効果が期待できない。
なぜなら、勉強で覚えた重要ポイントを記憶するために、勉強で疲れた脳や体を休ませるために、睡眠は大事な役割を果たしているからだ。
ここで睡眠の仕組みについて、簡単に説明しよう。睡眠には、次の2種類があるんだ。
【レム睡眠】
起きているときの脳に近い状態だが、外からの刺激を完全に遮断しているので簡単には目覚めない状態。
全身の筋肉がゆるんで力が入らない。「身体を休ませるための眠り」と考えられている。
考えをまとめる、知識や技能などの記憶を整理し定着させる重要な役割がある。

【ノンレム睡眠】
心拍数や呼吸がゆっくりになるが、筋肉はある程度緊張しているので、寝返りを打つこともある。
少しの物音や刺激で目が覚める浅いノンレム睡眠から、身体が完全にゆるんだ状態の深いノンレム睡眠までいくつか段階がある。
「身体とともに脳も休ませるための眠り」といわれ、深いノンレム睡眠では、健康維持のための成長ホルモンも活発に分泌される。

眠りにつくと、最初に「ノンレム睡眠」が現れ、そのあと90分前後で「レム睡眠」がやってくる。
さらに、「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」が交代で現れ、繰り返される。
睡眠が進むにつれて「ノンレム睡眠」が持続する時間が短くなり、代わりに「レム睡眠」の持続時間が長くなっていくのが一般的な睡眠サイクルだ。

「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」は、それぞれに重要な役割を担うどちらも必要な眠りなんだ。
睡眠の質を上げて睡眠の前半に現れるノンレム睡眠をより深い眠りにすることができれば、疲労も回復できて日中の睡魔を防ぐことができる。
また、十分な睡眠時間をとって睡眠の後半に現れるレム睡眠を確保することができれば、学習したことを脳がきちんと整理し定着させてくれる。
睡眠は、記憶の整理と定着にとても重要だということを心に留めて、眠りをおろそかにしないようにしよう。

さいごに

どうだったかな? 勉強中に眠くなったときの対処法にはすぐにでも取り入れられるものもあるから、ぜひ試してほしい。
でも、眠くなったときに対処するだけでは、根本的な解決にはならないのも事実だ。普段から睡眠不足だと感じている人は、それを解消するような工夫をしてみよう。
また、睡眠中の眠りの質が良くないと感じている人は、寝ている間にしっかりと脳や体を休めて、起きている間に脳がきちんと働く状態にできるよう、体内時計を正しく機能させることを意識してみよう。
それでも、日中にどうしても眠くなってしまうなら、自分が眠くなる時間帯がいつかを把握して、その時間帯には好きなことや得意教科、易しい問題など、「退屈さ」や「ストレス」を感じないことに優先的に取り組み、眠気を引き起こさないことも大切だよ。
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