『日焼け対策 部活でこれやってみて!』
日差しがまぶしい季節。
日本では5月から8月にかけては紫外線(しがいせん)がとても強くなっているから、炎天下(えんてんか)で紫外線を浴び続けると健康面や美容面にダメージを受けてしまうかも。
そこで今回は中学生のキミにおすすめの日焼け対策を紹介するよ。
紫外線の基礎(きそ)知識から日焼け止めの正しいぬりかたや選び方、日焼け止め対策グッズや食べ物など、さまざまな日焼け対策の知識を紹介するので部活のときに実践(じっせん)してね。
目次
日焼け対策は中学生にも必要?
むしろ小麦色に日焼けするほうが健康だしオシャレって思われていたから。
もしかするとキミも中学生はシミやシワも出ないし、熱中症対策は必要でも日焼け対策はいらないと思っているかも。
でも今は時代が変わっておとなはもちろん中学生も日焼け対策は必要だ。
なぜなら紫外線が美容面だけでなく健康面にも影響を与えるからだ。
どうしてそんな時代になったのだろう?
その秘密は「紫外線」の増加にあるよ。
ここから紫外線の影響についてさらにくわしくみてみよう。
紫外線は増加している
英語で紫外線のことを「ultraviolet(ウルトラバイオレット)rays」と言う。
「UV」というのは紫外線の略だ。
紫外線は、太陽の光の中でも目には見えない光線。
波長によってUVA、UVB、UVCの3つに分かれるよ。
そのうちUVAとUVBの2つが、地球の表面まで届く紫外線なので、UVAとUVBの特徴(とくちょう)をサクッと解説しよう。
UVAは、3つの紫外線の中でいちばん長い波長。
曇りの日でも遮光(しゃこう)カーテンをしていないと窓から入ってきて、皮ふの奥(おく)の層まで浸透(しんとう)して、長時間かけてじわじわと肌に影響を与えることがわかっている。
だからUVAは家の中にいても油断ならない。
UVBは、地表に届く量は少ないけれど、皮ふや目に与える影響はUVAより速くて大きい。
短時間のうちに赤くなる日焼けの炎症を起こしたり、長年たくさん浴び続けると皮ふや目の病気の原因になることもある。
気象庁の観測によれば1990年の観測開始以来、紫外線が地表に届く量は、年々増加している。(つくばの地表にて観測) 保護者の中学時代より、キミのほうが多くの紫外線を浴びてしまう可能性は高い。
紫外線の影響は
晴れた日にふとんを干して殺菌するのも、紫外線の殺菌力を利用した昔からの知恵といえる。
またビタミンDは骨の形成・病気に対する免疫(めんえき)力を調整する効果があり不足すると病気になりやすい。
だから紫外線を全く浴びないよりは、短時間でも浴びたほうが健康によいとも言われている。
でもその一方で紫外線はシミやシワを作ったり、そばかすを濃(こ)くしたり、長年浴び続けることで「皮ふがん」や「白内障(はくないしょう)」になるなど、健康にダメージを与える可能性があることも明らかに。
紫外線は年々増加していることを考えると、もはや中学生にも日焼け対策はしておいた方が美容にも健康にもいいと言えるかも。
とくに炎天下、外で部活して長時間紫外線を浴びている人は、なんらかの紫外線対策をしたほうが将来の病気を防ぐことになるよ。
日焼け止めのぬりかた
キミは日焼け止めをなにげなくぬっていないかな?
ぬりムラがいっぱいできてしまったり、すぐに効果がなくなっていたりする人は注意。
クリームやジェルタイプの日焼け止めには、ぬる場所によってぬりかたにコツがある。
日焼け止めをぬった効果を上げるためにも、正しいぬりかたや使い方をマスターしよう。
またぬり忘れがちな場所もここでチェックしておこう。
顔と首のぬりかた
適量を手のひらにとったら、顔の両ほお、額(ひたい)、鼻、あごの5点にちょこんちょこんと日焼け止めのクリーム(またはジェルなど)を置く。
2.なじませる
ほお、額、鼻、口周り、フェイスライン、目の周りの順に、中指と薬指を使ってていねいになじませよう。 このとき、小鼻周辺や耳の後ろもしっかりぬってね。
3.重ねづけ
顔のすみずみまでなじませたら、もう一度同量をとって重ねづけしよう。
うすく伸ばし過ぎると量が足りなくて効果が減るので伸ばし過ぎないでおこう。
4.首にぬる
適量を手のひらにとったら、首とえり足の数か所にちょこんちょこんとクリームを置く。
5.忘れがちなところ
中指と薬指で数か所に置いたクリームを軽く広げてから、下から上に向かってなじませる。
首の後ろ・うなじ・デコルテ(えり周りが深く開いた服を着たときに見える、首筋から肩周り+胸元までの広いエリア)も忘れずにぬろう。
体のぬりかた
身体はぬる範囲が広いので、ぬるときにムラにならないように、とくに注意しよう。
ちょこちょこぬらずに、手のひらを使ってぐるぐる大きな円を描(えが)くようにぬるとうまくいくよ。 1.容器から肌へ直接、線状に日焼け止めを出す。 2.皮ふの上に手のひらで大きく円を描くようぐるぐると動かしながら、どの部分も同じ量になるように日焼け止めをなじませる。
手の甲(こう)のぬりかた
1.適量を手の甲にのせる。
2.もう一方の手のひらで、手首から指の先までを覆うように、大きな円をくるくる描きながらぬる。
3.1,2を何回かくり返すとムラなくぬることができるよ。
やってはいけないぬりかた
ここからはやってはいけないぬりかたを紹介。
このぬりかたをするとせっかくの日焼け効果が弱くなってしまうので、一度目を通しておいて損はないよ。
顔と首
最初は顔と首のNGな日焼け止めのぬりかたを紹介するよ。
●両手のひらを日焼け止めですり合わせてからぬり始めるのはNG
両手のひらですり合わせてから顔にぬると、最初に触れた部分だけ多くぬれて、ほかの部分はほとんどぬれていないなど、ムラになりやすいんだ。
紫外線から肌を守るためには、日焼け止めがスキマなく均一に広がっている状態がベスト。
またちょぼちょぼ少量ずつぬり重ねたり、1度にドバッとつけたりするのも、ムラになるので気をつけよう。
身体
ボディは範囲が広い。
だから指先で少しずつのばすぬりかたはムラだらけになるのでやめよう。
先にクリームを線状に置いて、手のひらで大きく円を描いてのばすのがコツ。
またつけすぎを恐れて少量すぎるのもムラになってしまうので、適量を使おう。
ぬり忘れがちなのはここ!
うっかりぬり忘れしがちが場所も知っておこう。
「顔の輪郭(りんかく)のライン」「眉間」「耳」「首の後ろがわ」「髪の生えぎわ」「小鼻のわきの部分」などはとくにぬり残しやすい部分の代表。
これらの場所はぬり忘れがちだし、めんどうではぶいてしまうこともあるかも⁉ そこだけ日焼けして真っ赤になると後悔するから忘れないよう意識してぬろう。
外部活のときの日焼け対策
さてここからはとくに屋外の部活のときの日焼け対策を紹介。
部活前、どんなタイミングで日焼け止めをぬればいいのかとか、どんな服を着ると日焼け対策ができるのか迷っていない? また部活後の日焼けした後の肌のケアはどうすればいいのかとか、屋外の部活用にはどんな日焼け止めを選べばいいのか、よくわからないかもしれない。
そこでここからは、外で部活するときの日焼け対策にまつわるいろいろな疑問にひとつひとつ答えていくよ。
30分くらい前に日焼け止めをぬる
部活の前に日焼け止めがぬれるなら、直前ではなく外に出る30分くらい前にぬるのがベスト。
でもそんなタイミングないよというキミは、あまり神経質にならず部活前にぬろう。
UVカットインナーを活用する
その名の通り、UVカット効果のあるインナーだよ。
部活のときにインナーを着てもいいルールなら、UVカットインナーをTシャツやユニホームの下に着れば日焼け対策に高い効果が期待できる。
炎天下のスポーツには冷感タイプの通気性のよいストレッチ素材の長袖(そで)インナーがおすすめ。
暑いのに長袖!? と驚くかもしれないけど、最近のUVケア衣類はすごく進化している。
ひんやり感じる冷感機能付きの通気性のいい生地を選べば、長袖のほうがすずしいと感じられるはず。
UVカットインナーはUVカットと暑さ対策がいっしょにできるのが魅力だよ。
また手首から二の腕までのUVカットアームカバーも、校則が許せばおすすめ。
スポーツタイプのアームカバーはメンズ用もある。
部活後に日焼けケアを
次は部活後の日焼けケアを紹介するよ。
日焼けは軽いやけどのようなもの。
部活後は早く肌を冷やすことが一番のケアだよ。
水分補給しながら、水で冷やしてかたくしぼったタオルを、日焼けした肌へこすらずにやさしく押し当てて冷やそう。
それだけでもひりひり感をともなう炎症や日焼けをだいぶ抑えることができるよ。
また日焼けした日は帰宅後すぐ、薄手の布で保冷剤をくるんだものや、氷水入れたビニール袋などで、ほてりを冷やしてケアするのもおすすめ。
日焼けした部分が広範囲の場合は、冷水のシャワーを浴びると早く冷えるよ。
そうしてしばらく冷やして、肌のほてりが取れ、ひんやり感じるくらいになったら、しっかり保湿(ほしつ)ケアしよう。
また日焼け止めは肌に負担がかかるのでしっかり落とすのも忘れずに。
でも肌が日焼後は乾燥して弱っているので肌をゴシゴシこするのは絶対NG。
日焼け止めを洗い落としたあとは、保湿には敏感肌用の化粧水や乳液、クリームなど、低刺激なものを選んでそ~っとやさしく肌にぬろう。
外部活用に選ぶべき日焼け止めは?
ドラックストアやコンビニなどのコスメコーナーに行くと、いろんなブランドやデザイン、価格の日焼け止めが売られているよね。
近ごろはメンズ用の日焼け止めもいろいろなブランドから出ているし、成分も無香料・無添加タイプや、肌のうるおいをキープする保湿成分入り、紫外線を反射させてはじく「紫外線散乱剤」使用タイプと紫外線を吸収して日焼けを防ぐ「紫外線吸収剤」使用タイプなどがある。
さらに美容面での効果もバラエティ豊かで、ファンデーションなしで顔色を白く明るくつやつやに見せてくれる「トーンアップ」効果のあるものや、カラーつきのもの、白く浮かず透明感のあるもの、美白(ホワイトニング)効果のあるものなどがある。
さらに日焼け止めの「質感」もクリーム、ジェル、ローション、スプレー、フェイスパウダー、スティックタイプなどがあって、つけ心地もいろいろだ。
日焼け止めだけで、こんなにいっぱい種類やタイプがあると、どれが自分にぴったりなのか迷っちゃうかもしれない。
キミが使うシーンに合わせた日焼け止めを選ぶには、日焼け止めのパッケージに表示されているSPFやPAの数字の意味を知っておきたい。
それがわかれば、キミは日焼け止め選びの達人になれるよ。
SPFは、紫外線のなかの、UV⁻B という光線をカットする時間を表している。
SPFは数字が大きいほど長時間しっかりとカットしてくれるよ。
もうひとつのPAは紫外線の中のUV⁻Aを防ぐ効果を表す指標。
PA+とPA++++では、PA++++のほうが高い効果がある。
+の数は1つから4つまであり、多いほどPAを防ぐ力が強い。
通常SPFの数字が高いとPA+の+の数も多く機能が高くなっている商品が多い。
でもSPFや PA効果の強いものほど肌のへ負担が大きい。
つねに数字の大きいものをつけておけば安心なのではなく、紫外線を浴びる時間や天候などのシーンによって、適切な指数のものを選んで肌をいたわることも大切だ。
目安としては屋内の日常生活ではSPF20・PA++以上あればだいじょうぶで、
屋外にもちょっと出るならSPF35・PA++ぐらいが目安。
そして夏の屋外の部活ではSPF50・PA++++など強いものが合っている。
汗を大量にかく人は、汗に強いウオータープルーフタイプがおすすめ。
ただしウオータープルーフ効果の高いものは肌への負担も大きくて、専用クレンジングを使わないと落ちないものもあるので注意しよう。
とくに肌の弱い人は、肌への負担になりにくい「紫外線吸収剤不使用」「ノンケミカル処方」「吸収剤フリー」と書いてあるタイプや、無添加・無香料で、クレンジングしなくてもせっけんやお湯で落とせるタイプがおすすめだよ。
また肌の弱い人や、部活で2時間ごとに1回ぬり直せる人は、SPF50を使うより、SPF35くらいのものをこまめに使ったほうが肌への負担を軽くできることを覚えておこう。
日焼け止め以外の紫外線対策
おとなは日焼け止めクリームやコスメだけでなく、サングラスや日がさ、アームカバー、顔の半分を覆(おお)うUVマスクなどでフル装備したり、日焼け予防のサプリを飲んだりと、万全の対策をしている人がけっこう多い。
中学生にはどんな日焼け対策が合ってるかな?
ここからは、屋外での部活以外にも使える紫外線対策だからインドア系の部活のキミも参考にしてね。
帽子をかぶる
学校の制服には無理でも、ふだんの外出時にはつばの広めの帽子をかぶるとより紫外線をカットできる。
帽子のほかにもUVカットアイテムやグッズの活用もおすすめ。
UVカット機能つきインナーやカーディガン、ラッシュガード、アームカバーやマスク、軽量折りたたみ日傘(ひがさ)など、さまざまなグッズがある。
おしゃれを楽しみながらも、そもそも肌に紫外線を浴びさせない工夫ができるよ。
ちなみにUVカット衣類にはUPF50+やUPF30などの表示がされている。
「UPF」は衣類の紫外線保護係数で、紫外線や日焼けからどのくらい肌を守ってくれるかを示しているよ。
UPFの最高値は50+で、数字が大きいほど効果が高い。
衣服の場合は肌を傷めないのでつねにUFPが最高値のものを着ていてもだいじょうぶ。
UVカットメガネ
中学生のキミにおすすめなのは「UVカットメガネ」
UVカットメガネは透明なレンズのためサングラスのように目立たないのが魅力。
透明だけどレンズの表面に紫外線を吸収したり反射したりする加工がされて、目を紫外線から守ってくれる。
サングラスと違って制服にも合わせやすし、部活にも使えるよ。
濃い色のサングラスのほうがUVカットに効きそうな印象だけど色の濃さとUV遮断(しゃだん)効果には関係がないよ。
毎晩のスキンケア
夜眠っているときに分泌(ぶんぴつ)される成長ホルモンが肌の修復をうながすので、紫外線の強い季節は意識して早めに寝る習慣をつけよう。
睡眠こそが最高のスキンケアになる。
日焼けしたあとの肌がほてっている場合は冷やして熱をとり、日焼け止めを落としたあとは、たっぷり保湿しておくことも習慣にしてね。
日焼け対策の食材は?
肌の紫外線対策にとても効果があるのは、ビタミン。
ビタミンには肌の生まれ変わりをうながしたり、肌の細胞を守ってくれたりする栄養素が含まれている。
ビタミンAは皮ふの粘膜をじょうぶにする効果と細胞の成長を助ける働きがある。
レバーや卵などの動物性食品や、にんじん、ほうれんそうなど緑黄色野菜に多く含まれるよ。
ビタミンB2は「発育のビタミン」ともいわれ、発育促進(そくしん)に重要な役割を果たすほか、皮ふ、髪、爪などの細胞の再生にも効果がある。
ビタミンB2を含む食べ物はたくさんある。たとえば納豆にはビタミンB2が豊富なので、日焼けした肌の修復ケアに役立つよ。
ビタミンCはシミやソバカスの原因になるメラニン色素の生成をおさえる働きがある。
レモンや、キウイフルーツ、いちごなど果物に多く含まれる。
ビタミンCは一度にまとめてとっても余った分は体の外に流れていってしまうので、こまめに補給することが大切。
ビタミンEは肌の老化の原因である酸化を食い止める働きがある。
アーモンド、オリーブ、うなぎ、大豆、カボチャなどに多く含まれるよ。
またトマトに多く含まれるリコピンも、紫外線対策に強い効果がある。
日ごろからトマトジュースやトマトを食べているとリコピンが蓄積されて日焼けしにくくなっていくよ。