『仮眠は何分間? 仮眠は15分が一番効果的!』
ああ、眠い。授業中でも家で勉強中でも眠いとなったら眠い。
気がつくと首が前や後に「がくっ」と折れてはっと気づく。でもすぐにまた夢の中だ・・・。
こんな経験、きみにもあるでしょ?
けなげにも眠らないようにがんばっているきみには申し訳ないけれど、実は抵抗せずに寝てしまうことが正解なんだ。それを昼寝、仮眠というよね。
仮眠にどんな効果があるのか調べてみたよ!
目次
仮眠は勉強の効率を上げる!
あまり意識してないと思うけど、寝不足って勉強や色々な作業の効率をとても落とすものだよ。
仮眠のメカニズム、仮眠が寝不足の問題をどう解決するのかを教えよう。
寝不足が効率を下げる
きみがそんな状態になっているのは「睡眠負債」があるからだ。
前の日によく寝てなかったくらいならカバーできるんだけど、毎晩ベッドのなかでユーチューブを見ていて慢性的に寝不足・・なんて状況では睡眠時間が圧倒的に足りなくなってしまう。これが「睡眠負債」。
睡眠負債の状態になると、日中の勉強や部活で疲れた脳の疲労が回復できず、「休ませてくれー!」と悲鳴を上げる状態に。その結果、体は脳を回復させようと眠気が生じるわけだね。
そして眠気はお昼を食べたあとにやってくる。午前中は気を張って授業を受けられたけど、給食を食べたらもうあかーん。満腹感が満足感につながり勉強の意欲の低下につながってしまうんだ。
午後に眠気と闘う不毛な時間を過ごすくらいならいっそ寝てしまおう。
適切に仮眠を取ることで、あら不思議! 意欲は回復し、ビンビンに集中できるようになるんだなあ。
仮眠で脳が整理される
さまざまな研究で、睡眠によって脳内で記憶を整理して保持する作業が進むことがわかってきているんだ。 それはどんなメカニズムなのかというと
1 学習した内容は、脳の中央部にある海馬という場所に一時的に保管
2 睡眠中にその情報は整理されて海馬から大脳のあちこちに移る
3 その結果なかなか消えない長期記憶として保たれるようになる
というプロセスを経て脳のなかの情報が整理され、記憶が定着するそうだ。
普通の睡眠でもこのプロセスが脳内で実行されているわけだけど、昼間に意識的に仮眠を取ることでこの記憶の整理、定着をうまく利用することもできるよね。
また、この脳の働きは記憶する領域を空けて新しい情報を取り込めるようにする効果もあるそうで、仮眠を賢くとる方法で、学習の効果を上げることができるんだ。
眠気と闘う午後を避けて、思い切って15分仮眠を取れば、ストレスが解消、体力も戻り集中力が復活するよ!
仮眠の取りかた
ここ一番で勉強しなければならないときは仮眠を取ろう。
「勉強しなくちゃいけないのに寝ちゃうなんて」って思うよねー。でも仮眠を取ることでリフレッシュして作業に取りかかれるからだいじょうぶ。
また、昨日寝不足が原因で生あくびばかりしちゃう、なんてときにも仮眠がおすすめだよ。
では、どんなふうに仮眠を取れば良いのだろう?
仮眠の効果が高まる時間帯
人間の脳には、朝起きて8時間稼働すると休もうとするシステムがある。
だから朝6時に起きた人は、その8時間後の午後2時(14時)に仮眠を取るといい。
10−15分の短時間にとどめる
仮眠の時間は10−15分で十分、長くても20分-30分以内にしておこう。
睡眠が始まるとまずノンレム睡眠という1−4段階の深さの眠りに落ちていく。
眠り始めから30分経つと、レベル3、4のかなり深い眠りになってしまう可能性があるので、そこから目覚めることが大変だし、逆に疲労してしまうこともある。
そこで10−15分、長くても30分以内の浅い眠りで仮眠を終えることが大切なんだ。
それに、午後に2時間など長い仮眠を取ると、夜間の睡眠で深い睡眠量が減少し、かえって睡眠不足に悩まされることになってしまうからね。
15分でOKなら昼休みを使って仮眠なんてワザも使えちゃうよねー。
短時間で仮眠をとるには
「眠りなよ、でも深く寝てはダメ!」ってなんだよ。難しいよ。「赤上げないで白下げない」みたいだよ!
なんて質問(心の叫び?)が来そうだ。そこでうまく仮眠を取るコツを教えよう!
・布団には入らない
授業中じゃないよ? もちろん授業中には布団はないからね。
家で勉強するときのはなし。
勉強部屋にはベッドもあると思うけど、そこに横になって布団に入ったら、そりゃ熟睡しちゃうよ。15分で起きられない、ってか起きるつもりないでしょ?
・椅子で眠る
そこで仮眠の場合は椅子で眠るのがいい。ベッドほどリラックスできないので15分で起きるのも辛くないだろう。
その条件で「よく眠る」にはポイントがある。それは「頭と首を固定」「息が苦しくない」、「手足をリラックス」の3つ。
椅子を壁につけて座り、頭を壁につけ、ネックピローなどで首を固定。膝に横長のクッションを置いて両腕を乗せる姿勢が最適だよ。
15時以降は仮眠を取らない
15時以降に仮眠を取ると、夜の眠りに影響が出てしまう。寝付きが悪くなってしまい、ベッドのなかでまんじりともしないで御前様なんて悪循環に陥っては元も子もないよね。
仮眠をとって 起きれないとき
アラームをセット
仮眠をとるときに、アラームをセットしよう。 長時間眠り込むのを防げるよ。 アラームが鳴ったら、仮眠を終了し、起きる準備をしよう。
仮眠の長さを調整
長すぎる仮眠は、寝過ごす原因になる。 15分程度の浅い眠りなら、目覚めやすくなるよ。
明るい環境を選ぶ
仮眠をとる場所を明るく保つと、目が覚めやすくなる。 明るい光が体内時計に影響を与えるからだよ。
活動を行う
仮眠後に軽い身体活動を行うことで、目覚めをサポート。軽いストレッチ、シャワーを浴びる、水を飲むなどが効果的だよ。
仮眠の環境を整える
うまく仮眠ができるように環境を事前に整えておこう。
ポイントは「スムースに眠りに入り」「スムースに目覚める」ことなんだ。
仮眠前のカフェインで15分で起きられる
仮眠の前にコーヒーを摂取すると15分で目が覚める。
コーヒーに含まれるカフェインの覚醒効果が現れるのは、飲んでから約15~30分後だから。
一杯のコーヒーを飲んでから15分程度の仮眠をとると、起きるころにカフェインが効果を現し始め、すっきり目覚められるよ。
音の環境を作る
さっと眠りにつければ仮眠もスムース。そのためには音楽の助けを借りるのもいい。
・歌詞が入っていない音楽
歌詞があると、意味のある言語として捉えて考えはじめ、脳が覚醒してしまうんだ。睡眠のためには歌詞が入っていないインストルメンタルがおすすめだ。
・高周波音を含む音楽
ゆったりしたメロディも脳をリラックスさせる。とくに4000ヘルツ以上の高周波音を含む音楽が効果的。たとえばモーツァルトの音楽には3,500~4,500ヘルツの高周波音が多く、仮眠の導入にぴったりだよ。
・自然音
川のせせらぎや波の音など、自然の音には人をリラックスさせる「1/fゆらぎ」のリズムがあるよ。脳波がα波の状態になり、気分も体もリラックスした状態にさせてくれるんだ。
睡眠不足を防止! 中学生に必要な睡眠時間
仮眠を積極的にとることで、脳をすっきりはっきりさせることができるけど、基本は普段しっかり寝ていることが大切だよね。きみはしっかり寝ているかな? 夜型で、夜ふかしばかりのきみには耳の痛い話かな?
就寝時間と起床時刻
ちょっと古い情報なんだけど、平成25年に内閣府が発表した「こども・若者白書」では、平均就寝時刻は中学生では22時55分、高校生では23時42分だった。 一方、平均起床時刻は、中学生では6時41分、高校生では6時36分。
ここから計算すると、平均的な睡眠時間は中学生では7時間46分、高校生では6時間54分となっているんだ。
どうだろう? きみが寝ている時間はこの平均睡眠時間と比べて多いかな? 少ないかな?
「なんだ、おれ、しっかり寝てたよ。ちょうど平均だよ」というきみ。
甘い。
それでも翌日の授業中に眠くなっているんじゃない?
実はアメリカの「国立睡眠財団」からの報告では14歳から17歳のティーンに必要な睡眠時間は8―10時間を推奨しているんだ。
絶賛成長中のきみたちの健康のためには睡眠は8―10時間なんだって。幅があるのは、個人の状況に差があるからだよ。
就寝と起床のスケジュールを決める
「なんとなく眠くなったら寝る」なんてことだと睡眠時間は一定しないし、不足しがちになってしまう。
8時になったらお風呂、10時半には寝る! とイベントの時間を決めてしまおう。
10時からのテレビ番組は録画する、スマホはベッドに持ち込まないなどマイルールを決めるとスケジュールを守りやすい。
入浴は毎日湯船に
眠気は体温が下がるときに訪れる。
だからお風呂は毎日湯船につかるのがいいみたい。
シャワーだと体の芯まであたたまらないので、湯船で一度体温を上げておくんだ。
だいたい寝る前の1、2時間前に、熱すぎない湯船につかっておこう。
快適な睡眠の環境を作る
たとえば室温。快適に眠れるのは16−26度とされているよ。
湿度は50%前後がベスト。
エアコンや加湿器などをうまく使って室温が調整できるといいね。
・パジャマ
ひょっとしたらきみは、スウェットや部屋着のまま寝てない?
快適に眠るならパジャマを使おう。パジャマは快適に眠るために体を締め付けないように作られているから寝返りもうちやすく、リラックスして眠ることができるからね。
・音楽をつけっぱなしにしない
なんにも音がないとさびしいから、スマホから音楽を流して寝ているきみ。
寝る前に音楽を流してリラックスするのはいいけど、スリープ機能などで寝ているあいだは無音の状態にしておこう。
40dB以上の音は睡眠に影響すると言われている。これはテレビの音やドアの開閉音でもすぐに超えてしまう音量なんだ。
経験があるかもしれないけど、深夜2時とかにつけっぱなしの音楽で目が覚めるなんてこと、あるよね。それでは、効果的な深い眠りを妨げてしまうよ。
寝る前に音楽はオフだ。
・枕やマットレスは体に合ったものを
マットレスや枕は体に合ったものを選び、掛布団は肌触りが良く、寝汗対策に吸湿性・放湿性に優れたものを選ぼうね。
※くわしくは「授業中に寝ない方法はこれ! 授業中の「眠い」に勝てる!」
眠りをみかたにつけよう!
どうだったかな? 成長期のきみにとって睡眠は大切なもの。さらに仮眠を積極的に使って勉強のパフォーマンスをうまくあげていこうよ!
たとえば旅行などでホテルに泊まるとき、慣れない場所で眠れないことがよくあるよね。
ホテルマン・ホテルウーマンはそんなときに相談にのってくれるんだ。眠りに興味を持ったら、この職業もおもしろいかも。