「今日は大丈夫」
タケシは気合いを入れた。
タケシが持つ世にも不思議な「鳥のふんにかかりやすい体質（？）」を防ごうと、今日は徹底的な準備をしていた。
「お前、どんだけ鳥のふん気にしてんだよ...」
ショウタは呆れ顔だ。
「天気予報で風向きや風力は調べた。今の季節にどんな鳥がいるかもな」
タケシは自信満々だ。
「ふっふっふ。今日の風向きは北西、鳥の動きも午後は少ないはずだ！　俺の計画に隙はない！」
威勢のいい言葉とともに足を踏み出すと、ぐにゃりと嫌な感触が買ったばかりのスニーカーから伝わった。犬の落とし物だった。
「...うそだろ...」
タケシは泣きそうだった。
ペチャ
鳥のふんが立ち止まったタケシの頭に落ちた。
タケシの肩が震えていた。
「まあ、うんがついたってことでさ‥」
ショウタはタケシが本当に可哀想になって言った。