運用管制官

運用管制官の仕事内容は?

運用管制官とは?運用管制官になるには? 


運用管制官とは宇宙飛行士・国際宇宙ステーションを地上から支える仕事

・宇宙飛行士を地上から指示・サポートする


運用管制官の主な仕事は、国際宇宙ステーションや宇宙飛行士を、運用管制室から24時間365日交代で見守り、地上から必要な指示を送って支えることです。
宇宙飛行士は、宇宙船の操縦だけでなく、宇宙ステーションの操作や修理、無重力空間での宇宙実験、天体の観測などを行っています。運用管制官は、そのような宇宙飛行士の業務への指示やサポートを地上からチームで行っています。また宇宙船や宇宙ステーション内の精密機械やシステム環境のすべてを監視し、不具合や緊急事態に対処して、宇宙飛行士の命も守っています。

・運用管制官は専門別にチームで仕事する


運用管制官の仕事は、電力通信担当、環境熱制御担当、船内活動支援担当、ロボットアーム担当、実験運用担当、宇宙飛行士との交信担当などのチームで行われています。
各チームの総指揮を行う人をフライトディレクターといいます。

・国際宇宙ステーション(ISS)とは?


【用語解説】現在15か国が参加している国際宇宙ステーション(ISS)プロジェクトは、NASAとロシアの2国に加えてESA(欧州宇宙機関)、カナダ、そして日本という編成です。国際宇宙ステーション(ISS)は、地上400キロメートル(東京―大阪間と同じぐらい)の上空を周回しているステーション。サッカーのグラウンド1面分ほどの大きさですが、その一部日本実験棟(じっけんとう)は「きぼう」という名前で、宇宙実験棟の中でも最大です。

運用管制官はどんな働き方をするの?

運用管制官は8時間交代のシフト制で働く

日本の運用管制官チームは8時間交代のシフト制で、3交代24時間体制でJAXAの筑波宇宙センターで働いています。365日、宇宙飛行士と宇宙ステーションを見守るのが仕事なので年末年始も関係なくシフトに入ります。

運用管制官はどんな人に向いているの?

運用管制官には宇宙開発に情熱を持ち、状況を瞬時に把握する能力が高い人に向く

運用管制官は、宇宙開発を進めていく情熱が不可欠です。

宇宙活動に関する深い知識があることはもちろん、突然起きる不具合や緊急事態に対応するための「状況を瞬時に把握する能力」も必要です。

そしてチームで仕事をするので、コミュニケーション力(英語力も含めて)、強い責任感、相手の立場を考える思いやりのある人が向いています。

また宇宙飛行士と同様の厳しい試験や訓練を乗り越えられる、強い意志と忍耐力、体力が必要です。

運用管制官の将来展望は?

運用管制官の将来展望 民間企業による宇宙開発ビジネスの発展にかかる

宇宙開発の仕事は、国主導ではなく、民間主導のプロジェクトになっていく可能性が高まっています。
将来民間企業による月や火星への旅や移住など宇宙開発ビジネスが世界的に進んでいけば、運用管制官の活躍のフィールドも広がっていくかもしれません。

運用管制官にはこうすればなれる!

運用管制官になるにはJAXAなどに技術職で就職する

・JAXAや宇宙関連の会社に技術職で就職する


現在、日本で運用管制官になるためには宇宙航空研究開発機構(JAXA)の有人宇宙開発にかかわる部門に配属されるか、宇宙事業に技術を提供する企業に就職し、技術者として運用管制の仕事につく必要があります。

まず技術者として採用されるには、宇宙工学などの宇宙や工学系の専門知識が役立ちます。高校を卒業したら、専門学校、短大、大学、大学院では理工系の学問を学んでおくとよいでしょう。

またJAXAの運用管制官になるなら、技術者として採用されるだけでなく、機構内での推薦を受けることが必須です。そして専門知識の習得と英語の試験に合格した後、さらに厳しい訓練と講義が続きます。
例えば運用管制室と同じ環境のもとで、不具合や緊急事態が次々と起きた時の対処の仕方など、非常事態をシミュレーションしながら鍛錬を積みます。その後、筆記試験や実技試験、口頭試問や面接などを経てようやく運用管制官に任命されます。