日本の伝統的な木造建築を支え、計画から工事の監督まで行います。
近年は鉄骨や鉄筋づくりの住宅が増えていますが、木のもつ感触ややわらかい雰囲気も見直されつつあります。
また、木造建築は日本の気候風土に最も適した建築方法とされています。
この木造建築の担い手が、建築大工です。
建築大工は、自分で工務店を経営していることも多く、設計から施工まで、全体をうけ負うことも少なくありません。
この場合、建築計画を立て、依頼主と相談しながら費用を見積もり、工事の期間を設定し、必要な資材や技能をもつ人を手配します。
また、建築現場では計画通り工事が進行するよう監督する工事監理なども行うので、仕事内容は広い範囲にわたります。
親方について修行を積むか、工務店などに勤める人が多いです。
建築大工としての働き方は、親方のもとで修行を積む場合と、工務店や建設会社などに勤める場合が多いようです。職人的な仕事をする建築大工の数も少なくなり、高年齢化が進んでいるので、若者が歓迎されると言えるでしょう。作業場所は、工事により変わるため、遠方へ長時間移動する場合もあります。
また、屋外での作業が多いため、雨や雪の影響で休みになるなど、天候により働く日が不規則になりやすい面があります。
材木などの資材を運んだり、高いところへ上がったり、木材を美しく仕上げたりする仕事なので、体力があり、てきぱきと行動でき、手先が器用なことが基本です。
また、新しい接着剤や接合金物類などが使用されることも多く、いろいろな知識が要求されるため、研究熱心であることも必要です。
住宅の多様化や工具のハイテク化など、変化に対応できる人材が求められます。
現代では、人々の住宅に対する好みがさまざまに広がり、デザインや色だけでなく、断熱や防音など機能性を求めるなど、新しい要望がどんどん出てきています。
こうした要求にこたえるとともに、自ら客によりよい住宅づくりを提案でき、ハイテク化する工具も使いこなせる総合的な能力が求められるでしょう。
大型木造住宅の建築には、建築士の資格が必要とされます。
技術や経験が必要な職業だけに、まずは職業能力開発施設や専門学校で訓練を受けてから、住宅メーカーなどに勤めるのが一般的です。
一定規模以上の大きな木造住宅の設計や施工監理をするためには、二級建築士や木造建築士の資格が必要なので、資格をもっている建築大工もふえてきています。