・そもそもハウスメーカーとは？　工務店とはどう違う？

ハウスメーカーの仕事は、自社ブランドの住宅の販売を行うのが主な仕事です。
ハウスメーカーでは、住宅づくりを工業化して大量生産しています。
そのため各ハウスメーカーの販売する住宅は、床材や壁材など部材のほとんどが規格（きかく）化され工場生産されています。またメーカーごとに、木造、鉄骨造、鉄筋（てっきん）コンクリート造など、独自の構造・工法が取り入れられており、デザインにも特徴があります。 ハウスメーカーと工務店では、家を作ることは一緒ですが違いがあります。
ハウスメーカーは全国展開していますが、工務店は地域密着型です。 またハウスメーカーは独自ブランドをもち、規格化された家を作っていますが、工務店は規格化されていないのでプランの自由度が高いのが特徴です。

・ハウスメーカーの社員の仕事内容は？

ハウスメーカーでは基本的に１軒の住宅が完成されるまで、企画、設計、施工（せこう）、アフターフォローのすべての工程を社内で行います。そのためハウスメーカーの社員の仕事は幅広く、それぞれ専門の職種に分かれて行われます。 ハウスメーカーの社員の仕事をそれぞれ分けて紹介します。

（h４）営業担当
まず営業担当者は、住宅展示場などで接客をして、見学に来たお客さまに対して自社ブランドの住宅を紹介して、住宅に関する要望や相談に応じています。そして自社の住宅を気に入ってもらえるように、お客様の要望（ようぼう）や相談内容に寄り添ったプランを提案していきます。住宅は高額の買い物なので、お客さまもすぐには決断しないことがほとんどです。いろいろな住宅メーカーの家を見て十分に検討してから、気に入った住宅メーカーの家を買うのが普通です。そうして営業担当者が無事にお客さまと購入の契約を結ぶことができた時には、設計担当にバトンタッチします。

設計担当

設計担当者は、営業担当から聞いたお客様の要望を生かして、住宅の設計をして図面を作成します。ハウスメーカーでは建物の構造がほぼ決まっているため、配置や間取りの計画が主になります。

施工担当

設計担当者が図面を完成したら、それをもとに施工担当者が現場で建設会社や大工さんなどとの作業の段取りや指示を行い、施工の管理をします。

その間、営業担当はお客さまに工事の進み具合の連絡をして、家が完成すると引渡しとアフターケアも行います。

積算担当

積算担当者は、主に家作りにかかるお金の見積書の作成や、家を作るための部材の発注を行います。

C A Dオペレーター

CADで図面作成・修正を行い、設計担当をサポートします。

インテリアコーディネーター

設計担当者と協力し、お客さまの希望に合わせて、床材、壁材、家具、照明など、家の内装全般をコーディネートします。

事務

事務の仕事は、営業事務、技術事務、総務事務などに分かれます。 営業事務は、営業担当の仕事をサポートします。宅展示場での接客やプレゼン資料づくりなどを主に行います。 技術事務は、設計や施工担当をサポートします。設計や施工に必要な書類の作成や管理などを行なっています。 総務事務は、代表電話やホームページからの問い合わせといったメール対応、社内文書の作成、来客対応など、企業全体の業務に関わる事務を担当しています。

その他の職種

ほかにもハウスメーカーには、家作りの新しい技術や素材を研究する研究開発者や、市場調査をして新商品を開発する仕事を担当している人もいます。

・ハウスメーカーの仕事のやりがいは？

住宅の購入は、お客さまにとって非常に高額な買い物で、人生の中でもとても大きな夢のあるイベントです。そのため先述のようにほとんどの顧客は、複数のハウスメーカーの住宅を熱心に見学して、慎重に比較検討します。その結果、自社ブラントの家を最終的に選んでもらえたとき、営業担当だけでなく、すべての担当者が自分たちの仕事にやりがいと誇りを感じることができるようです。

住宅展示場などに来客が多いのは土日祝日など休日です。そのため営業担当者が忙しいのは土日祝日となります。
また施工の管理担当者は、天候が工事の進み具合に影響するため、休みの予定が立てづらいことも多々あるようです。 ハウスメーカーの社員は勤続年数によって給与が上がっていき、資格手当てなどもつくことが多いようです。
また営業担当の場合、基本給に加えて成果報酬（ほうしゅう）が支払われるケースが一般的でその報酬額は高額なことで知られています。

ハウスメーカーの仕事は、職種によって求められる知識や適性が違います。しかしハウスメーカー社員ならではの、共通して求められる適性というものがあります。それは信頼される人柄とマナー、コミュニケーション力と教養です。
ほとんどの人にとって、住宅は一生に一度の大切な買い物であり、お客さまはそのメーカーの社員の人柄を信頼して大きな決断をします。
そのためハウスメーカーの社員には、営業担当に限らず、顧客から深く信頼される礼儀正しさやマナー、教養を求められます。

日本は少子高齢化による人口の減少で、空き家の増加や、新築住宅のニーズの減少はこの先、止められないと予想されています。
そのため、大手から中小まで各ハウスメーカーでは、従来の新築住宅の販売に頼ったビジネスモデルから、リフォームやリノベーション住宅の販売に重点をおいた、新しいビジネスモデルに転換しています。またすでに海外に市場を求めてビジネス展開を拡大しているメーカーや、増加する単身者世帯、高齢（こうれい）者世帯にターゲットをしぼった商品企画を進めているメーカーもあります。
このようにハウスメーカーでは各社生き残りをかけて新しいビジネスを展開しているところです。