『ウレシ ハズカシ はじめてデート』

カテゴリー : 
お悩み解決
2024.09.25


「あー、ヤバ。なんか緊張してきた」
チサトは机の下で両手をギュッと握りしめた。
「いよいよあした、タケハルとデートか!」
親友のハルコが声をかける。
「まったく、私の知らないうちにふたりで付き合い始めるなんて」
「えへへ、ごめんね」
「で、デートはどこへ行くのよ?」
ハルコはチサトをこづいて聞いた。
「ど、動物園かなー、遊園地かなー?」
「え? 決めてないの?」
「そもそも、デートってなにするのかわからないからさ、おたがい決めきれなくてさ・・・」
「いいんじゃないの? 動物園で」
「で、でもさ、二人でゾウとかみて、どうするの?」
「鼻が長いねーとかいうのよ」
「全体にでっかいねーとか、すんげえ草食べるねーとか?」
「そう」
「...ヤバイ」
「なによう? つまんなそうっての?」
「すっごい楽しそう!」
チャイムが鳴った。
チサトは顔を赤くして席に戻って行った。
それを目で追ったハルコは、
「わたしもタケハルのこと好きだったのになー」とつぶやいて、
「あした、わたし、何しようかな...」
と言った。









カテゴリー : 
お悩み解決
2024.09.25