『桜切る馬鹿 梅切らぬ馬鹿ってどんな意味? 使い方は?』

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#季節の行事#将来
2023.03.24
2024.04.04

目次

春だねえ。
今回は日本人の好きな桜や、春にちなんだことわざや慣用句のうんちくを紹介するよ。
知っていると「へえ~物知りだね~」なんて友達に感心されちゃうかも。

「桜切る馬鹿 梅切らぬ馬鹿」ってことわざ知っている?

「桜切る馬鹿 梅切らぬ馬鹿」ということわざ、聞いたことある?
「馬鹿」という単語が2回も出てきてインパクトが強いことわざだけど、いったいどんな意味なのかな?

「桜切る馬鹿 梅切らぬ馬鹿」の意味は

このことわざの意味は、「人それぞれの個性に合わせた手のかけ方をすることが大切」というもの。
いったいどんな由来でそういう意味になるのだろう?

「桜切る馬鹿 梅切らぬ馬鹿」の由来は

桜も梅も花の姿は似ているけれど、手入れのしかたには大きな違いがある。
桜の木は、枝を切ると切り口から腐りやすいので、むやみに剪定(せんてい)してはならない。
一方の梅の木はムダな枝を切らないとよい花や実がつかなくなってしまうそうだ。
ちなみに剪定(せんてい)というのは枝を切って整えることをいうよ。
だから桜を切るのは、桜の木の扱いかたを知らない馬鹿で、梅の木を切ってあげないのも梅の木の扱いかたを知らない馬鹿、ということになる。
昔は、このことわざの意味は文字通り、桜を切る人は馬鹿で、梅を切らない人も馬鹿という言葉そのものだったんだけど、それが転じて、人を育てるときに、その人の個性を無視して画一的な育てかたをしてしまわないように、という意味で使われるようになったんだ。

「桜切る馬鹿 梅切らぬ馬鹿」に似た言葉は

さて「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」のことわざには、類義語がいろいろある。
言いまわしがちがうけど、ことわざの意味するところは全部同じだよ。
たぶん伝言ゲームみたいに、いろんな人が使ううちにちょっとずつ言い間違えてバリエーションがふえちゃったのかもね。
さっそくそのバリエーションを6個紹介しよう!

●梅を伐(き)らぬ馬鹿もあり、桜を伐る馬鹿もあり

梅の枝を切らない馬鹿もいれば、桜の枝を切ってしまう馬鹿もいる。
桜より、梅のことを最初に言っているバージョンだね。
「伐る」は「きる」と読んで、「切る」と同じ意味。

●梅は伐(き)れ桜は伐(き)るな

これは命令形になったバージョン。
梅は切ってもよいけど、桜は切っちゃいけないよ。

●桜知らずの桜切り、桃知らずの桃切らず

これは「梅」が「桃」に入れ替わったバージョン。
桃の花といえばひなまつりで飾るあのかわいい花。
桃の木をほうっておくと8メートルぐらいにも成長するので、庭木にするなら剪定が必要。剪定をしないと、十分に花をつけず、おいしい実をつけなくなってしまうんだって。

●桜折る馬鹿、柿折らぬ馬鹿

今度は梅や桃じゃなく柿の木バージョンが登場。
しかも「切る」んじゃなくて「折る」に変化。
柿の木も剪定をしないと、ぐんぐん大きく成長しすぎて実が収穫しづらくなる。
枝を剪定して樹形を整えることが必要だ。

●桃を切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿

今度は、桃を切ってはならず梅は切らないといけないという新しいバージョン。
さっきの「桃知らずの桃切らず」とういうことわざと矛盾してない?
と、指摘したくなる気持ちはよくわかる。
桃の木にはちょうどいい剪定時期があって、それ以外の季節にむやみに切ると花や実をつけなくなるので注意が必要なんだって。
桃の木の剪定にちょうどいい季節は12月~2月の冬の時期。
ただ枝がこんもりと増えすぎてしまったときは夏にムダな枝を切ってもいいそう。
それにしても樹木の剪定方法には、それぞれの樹木の特徴に関する専門知識が必要そうだね。

●木を伐る馬鹿に伐らぬ馬鹿

そしてこれはもうかなり単純化しちゃったバージョン。
これは推測だけど、このことわざを言った人は、桜とか梅とか桃とか柿とか、どれが切っちゃダメでどれが切らなきゃダメなのかを忘れちゃったのかもしれないね。
これだけバリエーションがあれば混乱するのも無理はない。

「桜切る馬鹿 梅切らぬ馬鹿」の反対の言葉は

ところで類義語はこんなに豊富だったのに、逆を張った主張の反対語はとくにない。

sakura_1.jpg

「桜切る馬鹿 梅切らぬ馬鹿」の使い方

それにしても桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」ってどんなシーンで使えばいいの?
そんなキミに、このことわざの使いかたの例文を紹介!

部活の後輩を全員同じように扱ってはダメだよ。「桜切る馬鹿 梅切らぬ馬鹿」っていうでしょ?

このように後輩を育てるときなど、教育の現場などで使われやすい。

「桜切る馬鹿 梅切らぬ馬鹿」って言うように自分の特徴や適性を知って生かすことが大切

このことわざは他人に対してだけでなく、自分自身をどう生かすかについても使えるよね。

sakura_3.jpg

春のことわざ 桜のことわざ

「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」のバリエーションが豊富すぎてびっくりしたよね。
ここでちょっと気分を変えて、ほかの春のことわざや桜にちなんだことわざや言い回しを紹介しよう!

暑さ寒さも彼岸(ひがん)まで

「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉を知っている?
残暑は秋の彼岸(ひがん)までに、寒さは春の彼岸にはやわらいでくるので、それからは過ごしやすくなるという意味。
そこから意味が広がって、「大変なことも時期がくれば乗り越えられる。 だから今はちょっとガマン」という励ましの意味の言葉にも使われるよ。
彼岸には春彼岸と秋彼岸があって、日本にはどちらの時期にもお墓参りに行く風習があるよ。
春分の日、秋分の日を中日(ちゅうにち)として、その前後の3日を合わせた7日間を「彼岸」という。
「暑さ寒さも彼岸まで」といわれる由来は、秋彼岸を過ぎるころには厳しい暑さもやわらいでくるし、春彼岸のころには厳しい寒さもそろそろめどがたつことから。

三寒四温

「三寒四温(さんかんしおん)」は、冬の時期に寒い日が3日くらい続くと、そのあとに比較的暖かい日が4日続くという意味。
だんだん暖かくなって春が近づくことを表すのに用いられることが多い。
「なるほどね~。春ってそうな感じだよね~」
と思いそうだけど、実際の日本の冬の気候は「3日間寒い日が続いた後に4日間暖かい日が続く」ということが現れることはほとんどないんだって。
この言葉はもともと中国の東北部や朝鮮半島北部で使われていた言葉。
冬のシベリア高気圧からくる寒気が7日間ぐらいの周期で、強まったり弱まったりすることに由来するとされているよ。
日本の気候には当てはまらない間違った使いかただとしても、多くの人がふつうに使っていくとそれが正しい言葉として認められることがある。三寒四温はその典型といえるんだって。

花より団子

「花より団子」の意味は、風流なことより実質的な利益や満足感を大事にすることの意味。
もともとの由来は、花見にきて花よりも花見団子に夢中になるようなことをちょっと見下した意味で使われた言葉だった!
でも現在では軽べつのニュアンスはなくなり、「やっぱり花より団子でしょ」「花より団子だよね~」のように、外見とか中身のないことよりも実質的な利益が大事だよね~という団子肯定(こうてい)派の意味で使われているよ。

春に三日の晴れ無し

「春に三日(みっか)の晴れなし」という言い回しは、日本の春は、晴天の日が3日も続くことがなく非常に天気が変わりやすいことを言う慣用句。
日本の春は上空を流れる偏西風が強くて、高気圧や低気圧の移動速度が速い。
それで晴れになったと思ったら急に低気圧におおわれて...といった感じで、晴天がそんなに続かないことがほとんど。
そういう日本の春の変わりやすい気候の特徴をうまく表した言葉だよ。

明日ありと思う心の仇桜(あだざくら)

「あだ桜」というのは、ハラハラとはかなく散りやすい桜の花のこと。
このことわざは平安時代の末期~鎌倉時代に生きた浄土真宗の親鸞聖人(しんらんしょうにん)が9歳のときに読んだ和歌の一部。
フルバージョンは
「明日ありと思う心の仇桜(あだざくら)。夜半(よわ)に嵐の吹かぬものかは」となる。
意味は「今咲いている桜が明日もまた咲いているだろうと安心していても、夜半に嵐がきて花が散ってしまい、明日は見ることができないかもしれない。だから今日を精一杯生きたい」ということ。
9歳のころ親鸞(しんらん)は、天台宗の慈円(じえん)をたずねて仏門に入る儀式を頼んだ。でももう夜中だったため、慈円は「今夜はもう遅いので儀式は明日にしましょう」と言われた。
そのとき親鸞は、自分の命を「あだ桜」にたとえて、明日、自分の命があるかどうかわからない。今日のうちにお願いします、という気持ちをこの和歌で伝えたといわれているよ。
現代でも人生も世の中もいつなんどき何があるかわからない。
「明日ありと思う心の仇桜」ということわざは、そんな世のはかなさを言うときや、「大切なことを明日に延期せず、今日のうちにやろう」と言いたいシーンに使えるよ。

世の中は三日見ぬ間の桜かな

このことわざは、満開の桜の花も、三日見ないでいるとすっかり散ってしまうように、世の中は変化が速くてうつろいやすいもの、という意味。
大島蓼太(おおしまりょうた)という江戸時代中期の俳人が読んだ句。
親鸞の和歌が由来の「明日ありと思う心のあだ桜」に似た意味をもっているね。
でもこの俳句の本来の意味は、「三日見ないでいたら桜が見事に咲いた」
というものだったそうだ。
もともとの意味のほうは満開の桜をイメージして心が晴れやかになる一方、今使われている意味のほうは、世の無常を感じて情緒的な感じがするよね。
多くの人に使われていくうちに言葉の意味が逆に変化していくのは、言葉が生き物と言われるゆえんだね。

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「桜切る馬鹿 梅切らぬ馬鹿」は適性を見極めること

春や桜にちなんだことわざや言い回し、いろいろみてきたね。
最後のしめは「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」のことわざにもどって実践編!といこう。
このことわざの意味は「人それぞれの個性に合わせた手のかけかたをすることが大切」。
キミはこのことわざを知ってどう生かす?

キミは自分の適性をいかしているかな

「人それぞれの個性に合わせた手のかけかたをすることが大切」
というけど、キミは自分の適性を生かすことを考えたことある? 自分の適性を生かすことを簡単にいうと、自分の長所を生かすということ。
たとえばなにかをするとき、最初からあまり苦労せずにうまくできたり、夢中になれたりすることには適性があるといえるといえるよ。
また性格的に向いていることとかもそう。
そういう適性をみつけたら意識して積極的にやっていこう。
それが自分の適性をいかすということ。
そうすると長所や特技がさらにみがかれ、キミは「水を得た魚」のように活躍できるはず。
適性は特別な能力じゃなくても、「よく気がつく」「正確にできる」「すぐ人となじめる」「数字で考えるのが得意」「おしゃれセンスがある」「イラストがうまい」「わかりやすく話すのが得意」「整理整頓がとくい」「思いやりがある」「正義感が強い」などさりげないことでOK。

欠点の裏返しが長所のことも

自分の長所や特技がみつからない。わからな~い。
というキミは自分にきびしすぎるか謙虚(けんきょ)すぎるのかも。
そんなキミは自分の「欠点」と思っていることをくるっと裏返して長所にしよう。
たとえば、落ち着きがないって言われるなら、好奇心がおうせいで行動力がある。
マイペースと言われるなら、自分軸があってなにごとも落ち着いて取り組める。
まじめすぎておもしろくないと言われるなら、まじめだからこそ信頼されるとかね!
欠点とか弱点って、自分にしかない最大の長所だったりするんだよ。

他人と比べずに、自分の適性を探そう!

ところで自分の適性を探すときは、人と比べるとややこしくなるからやめておこう。
「自分は絵がうまいほうだけど、もっとうまい人いるよな~」
「数学が得意だけど、もっとできる人いるしな~」
そんなふうに人と比較すると、自分なんて...と思いがち。
人と比較して遠慮すると、せっかくのキミの適性を輝かすことができなくなっちゃう。
だから他人との比較はやめよう!
小さなことでもいいから、ちゃんと自分の適性をみつけて、みつけたら大事に伸ばして生かしてあげよう!
自分の適性を無視して生きることは、「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」になること。
桜の枝は切らずに、梅の枝を切って、キミの人生に素敵な花を咲かせよう!
じつは植物を扱う職業は多岐に渡っている。キミのまわりにもお花屋さんがあるよね。フラワーアーティストという職業もある。さっそくみてみよう!
昔から王族のリクエストで珍しい植物を見つけ出すという、小説や漫画のような職業がある。それがプラントハンターだ。具体的にはどんな仕事なのかな?
人間や動物を診察する医者がいるように、植物にも医者がいる。それが「樹木医」という職業だ。いったいどんな職業なんだろうね?

「おしごと事典」を見てみよう!

どんな仕事かな?と思ったら「おしごと事典」を見てみてね!

おしごと事典
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