ライフセーバー

ライフセーバーの仕事内容は?

ライフセーバーとは?ライフセーバーになるには?


ライフセーバーとは水辺の事故防止、人命救助に努めている仕事

・ライフセーバーの役割と仕事


日本では、海、湖、プールなどの水辺の事故防止、人命救助に努めている人たちをライフセーバー、あるいは水上安全法救助員といいます。
ライフセーバーの仕事は、おぼれた人の救助だけでなく、水辺で遊ぶ人の安全を守ることも含まれており、水難事故を未然に防ぐために、監視や指導、危険な状況の早期発見に努めています。

万一、事故のときにはおぼれた人をいち早く救助し、必要に応じて心臓マッサージや人工呼吸などの心肺そ生をおこないます。
これを「一次救命処置」といいます。一次救命措置は、救急車が駆けつけて消防隊員や医師に引き継ぐまで続けられます。

夏場の海水浴場のライフセーバーは、迷子の対応や水辺の清掃活動もしています。
また水辺の安全に関する教育活動を行ったり、ライフセーバーの技術向上のために競技会に参加したりする人もいます。

ライフセーバーの競技内容はボードをこぐ速さや、泳ぎや走る速さなどを競うもので、競技に向けて基礎体力をつけ、トレーニングをすることによって、救助の技術が向上します。日本のライフセーバーの競技選手の中には、海外の大会などで賞金を得るプロのライフセーバーもいます。

・「潜水士」との違いは?


多くの人にとって身近な存在となるのが「ライフセーバー」で、海水浴場やプールで人命救助や事故防止活動に携わり「一次救命措置」を行います。
一方、海上保安庁などで海難救助に携わるのが「潜水士」です。潜水士は、実務で特別かつ過酷な訓練を重ねながら、潜水士の国家資格を取得しなくてはなれない職業です。
ライフセーバーはどんな働き方をするの?

ライフセーバーのほとんどはボランティアやアルバイト

ライフセーバーの働く場所は、海・湖・スポーツジムや公共のプール・競技会・ライフセービングの講習会場・スポーツ施設などです。

日本では、まだライフセーバーの仕事だけで生計を立てるのは難しく、ほとんどのライフセーバーがほかに仕事を持ちながらボランティアやアルバイトでライフセーバーとして活動しています。

一方、ライフセービングのプロ(競技選手)として活動している人もいます。
ライフセービング競技の大会で結果を出せると、引退後に全国の講習会で教えることができ、海上保安庁などで指導教官として活躍している人もいます。

サーフ・ライフセービング発祥の地でもあるオーストラリアでは、競技としてのライフセービングが国技にもなっており、ライフガード(ライフセーバー)が公務員として認められています。
ライフセーバーはどんな人に向いているの?

ライフセーバーには正義感が強く行動力がある人に向く

十分な体力と水泳能力はもちろん、水難事故についての知識、応急手当てや救命活動のノウハウも必要です。
海、プール、湖など場所によっても対応が異なるため、それぞれに応じた知識と技術も求められます。
そして救助活動は勇気のいる活動なので、正義感が強く行動力がある人、相手を思いやり献身的につくす人が向いています。

ほかにも水辺の事故を未然に防ぐための広報活動や、水辺の人に注意を呼びかけたりするので、コミュニケーションが得意な人、社交的な人の方が向いています。
ライフセーバーの将来展望は?

ライフセーバーの将来展望 認知度が上がるかどうかが鍵

日本のライフセーバーは、前述のように別の本職を持ちながら社会的な意義を感じてボランティアやアルバイトでレスキュー活動を行う人がほとんどです。

しかし日本ではとくに夏場の海辺の事故は多く、水辺の人命救助のプロに対するニーズは高まっています。
ライフセーバーを養成する講習会や資格認定を行う日本ライフセービング協会では、ライフセービング活動をまず多くの人に知ってもらおうと、競技会などスポーツ分野でライフセービングをアピールして普及を図っています。

将来、日本でこの資格や職業の認知度がもっと上がり、ライフセーバーたちの人命救助の実績が行政などから広く認められれば、ライフセービング技術を教えるインストラクターや職業としてのライフセーバーの活動の場が広がる可能性もあります。
ライフセーバーにはこうすればなれる!

ライフセーバーになるには?現在は公的資格はなし

現在日本にはライフセーバーの国家資格など公的資格はありません。
しかし、実際に人命救助や事故防止のための活動を行うには一定以上の距離を泳げることはもちろん、専門知識とトレーニングが必要になります。
「海浜状況」など環境要因の知識、人工呼吸や心肺そ生法、A E Dなど人命救助の方法、パトロールの手順などを知っておくことが必須です。
そのため実際にはライフセービングに関する民間の認定資格を取って活躍している人がほとんどです。
水辺の事故を防ぐライフセーバーになるために役立つ資格を紹介します。

・日本ライフセービング協会のライフセーバーの認定資格


日本ライフセービング協会(JLA)では、ライフセーバーのための認定資格制度を実施しています。
認定資格には、初心者からインストラクターまでのレベルがあり、ジャンルも海辺のライフセービング、プールのライフセービングの資格など、多様な資格があります。

海辺のライフセーバーのプロとして活動するには、「サーフライフセービングコース」のベーシック資格や、その上の「サーフライフセービングコース」アドバンス資格取得が必要といわれています。

またプールのライフセーバー資格には、「プールライフガード」資格、「アドバンス・プールライフセーバー」資格があります。どの資格も知識と実地の講習を受けたのちに試験を受けて合格すると取得できます。

・日本赤十字の「赤十字水上安全法救助員」資格


日本赤十字でも「赤十字水上安全法救助員Ⅰ・Ⅱ」の民間認定資格の養成講座を開催しており、検定に合格すると「水上安全法救助員Ⅰ・Ⅱ」の資格を取ることができます。