海上保安官

海上保安官の仕事内容は?

海上保安官になるには?試験や学校はどのようなもの?



海上保安官の仕事内容は?船の仕事だけではない?

・海上保安官は、海や船の安全を守る国家公務員



海は、貨物船や漁船などが行き来する場ですが、マリンレジャーを楽しむいこいの場でもあります。

「海の警察官」として、安全で美しい海を守るのが海上保安官です。海上保安官の仕事は、主に三つに分けられます。

一つめは、海上での犯罪の取りしまりと、海の事故や災害の警備救難業務です。二つめは、海図や水路図誌を刊行する水路業務です。

三つめは、灯台などの建設や整備、メンテナンスなどを行う交通業務です。


・海上保安官は、海・空・陸の業務を行っている



海上保安官は、海上だけでなく航空機や陸上でも活躍(かつやく)しています。

航空機では、パイロットや整備士、通信士の仕事があり、空から海を巡視(じゅんし)したり海難事案や救助活動をしたりします。

陸上での仕事は、海洋情報業務や海上交通業務があり、海の調査、測量、解析(かいせき)や、海上交通ルールの設定や管理などの仕事を行っています。
海上保安官はどんな働き方をするの?

海上保安官の働き方 養成学校に入学と同時に海上保安庁に所属

・海上保安大学校や海上保安学校に入学すると同時に海上保安庁の所属に



海上保安官を育てるための海上保安大学校や海上保安学校に入学すると、その時点で海上保安庁の所属となります。

海上保安大学校を卒業したのちは、いろいろな仕事をしながら経験を積み、海上保安行政を担当します。

海上保安学校を卒業したのちは、現場での仕事などにたずさわります。海上保安官は国家公務員です。勤務は週休2日制が原則ですが、受け持ちによっては、交替(こうたい)で働くため、休日に出勤することもあります。


・ワークライフバランスへの配慮(はいりょ)も



海上保安官の仕事は、昼夜を問わず海難に対応するなど不規則になったり連続勤務になったりすることも避けられませんが、私生活との両立も配慮されてきています。

育児のための特別休暇(か)や時間短縮勤務、テレワークの導入も進めており、女性の職員数が増えてきているほか、女性の幹部登用への道も開かれています。
海上保安官はどんな人に向いているの?

海上保安官には人並み以上の体力と気力がある人に向く そのやりがいは?

海の上という厳しい自然環境の中で仕事をするには、人並み以上の体力と気力が必要になります。

そして、どんなときにも、すばやく正しい判断をする力も求められます。また、海の警察官として、正義感や責任感があることも大切です。

さらにほかの人といっしょに仕事をすることが多いので、規則正しく、協調性がありチームプレーができることも条件となります。

海上保安官の仕事は海の安全を守るという難しい業務で、さまざまな面で高度な専門技術や知見が要求されます。海難現場を発見し、救助活動を行うには大きな危険もともないます。

それでも任務を果たすために日ごろから厳しい訓練、特殊(とくしゅ)な訓練を行いますが、困難な分だけやりがいもあるでしょう。

海上保安官の将来展望は?

海上保安官の将来 海の安全や自然環境(かんきょう)に関心高まる

・国際的な事件や環境保護での活躍が期待されています



日本は国土を海に囲まれており、広い領海をもっています。

また、近年では海洋資源の開発もさかんに行われており、海の安全や自然環境を守ることへの関心は高まっています。

広い範囲(はんい)で組織的に行われている集団密航や密輸入への対策を行うために、国同士の協力も必要となるほか、自然災害などによって被害を受けた国々への支援(しえん)活動、開発の協力など、国際的な協力関係を築いていく必要もあり、国際的な視野をもった人材が求められています。
海上保安官にはこうすればなれる!

海上保安官になるには?学校や試験科目は?

・海上保安大学校か、海上保安学校を卒業する



海上保安官になるには、海上保安大学校か海上保安学校を卒業することが必要です。

海上保安庁の幹部職員を目指すなら、大学校に進む方が有利です。

大学校の教育期間は本科4年、専攻科(せんこうか)6か月の合計4年6か月です。2学年後半から専門分野に分かれ、各専門教育群の知識や技能を学びます。


・海上保安大学校の受験資格や試験内容は?



海上保安大学校を受験するには、高等学校や中等教育学校を卒業見込み、または卒業してから2年以内などの条件があります。

また、採用人数は減りますが、大学を卒業または卒業見込みの30歳未満の人でも受験できる海上保安大学校(初任科)<大卒者対象課程>もあります。

試験科目には基礎(きそ)能力試験、学科試験、作文試験のほか、人物試験、身体検査、身体測定、体力検査などがあります。


・海上保安学校の受験資格や試験内容は?



海上保安学校を受験するには、高等学校や中等教育学校を卒業見込み、または卒業してから12年以内(4月入学の場合)などの条件があります。

受験する課程によっても異なりますが、試験科目には基礎能力試験、学科試験や作文試験、人物試験、身体検査、身体測定、体力検査などがあります。
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