裁判所事務官

裁判所事務官の仕事内容は?

裁判所事務官になるには法律の理解と注意深く迅速な事務能力が必要


裁判所事務官は裁判所の運営に必要な事務を担当

・裁判所には主に3種類の職種の人が活躍


裁判所では主に「裁判官」・「裁判所書記官」・「裁判所事務官」の3つの職種の人たちが働いています。
その中で「裁判所事務官」は、裁判所の運営に必要な事務を担当し、裁判をスムーズに進める準備や、裁判所に勤める人たちをサポートする役割を果たしています。

・裁判所事務官の仕事は2つの部門に分かれている


裁判所事務官は「裁判部門」もしくは「司法行政部門」のどちらかに属しており、部門ごとに仕事内容が異なります。
「裁判部門」では、裁判にかかわる事務職を担当。裁判所書記官のもと、「呼出状」や「訴状」などの各種書類作成や送付、開廷の準備、弁護士との打ち合わせなどを行うほか、「裁判員制度」関連の手続きを担当しています。

「司法行政部門」では、総務や人事、会計など、一般企業の事務職のような役割を担います。

そのほかにも、警備手配やマスコミ対応などの仕事は、「裁判部門」と「司法行政部門」の裁判所事務官が連携してサポートしています。
裁判所事務官はどんな働き方をするの?

裁判所事務官の働き方 ほぼ3年おきに転勤になる

裁判所事務官の勤務先は、全国各地にある裁判所

裁判所事務官には「総合職」と「一般職」の区分があり、どちらもほぼ3年おきに転勤となるケースが多いです。
「総合職」で採用された裁判所事務官は、全国を転勤することになりますが、「一般職」の事務官は、基本的に受験した地区の高等裁判所の管轄内で転勤します。
裁判所事務官は、「国家公務員特別職」として法律で定められた給与が支給されます。基本的には勤続年数に応じて昇給していきますが、給与体系は最終学歴や、総合職・一般職で差があります。
裁判所事務官は、ほかの国家公務員と同様の勤務時間体系で働いており、土日が休みです。
育児休業や看護休暇などの制度が整っているほか、通勤手当、住居手当、扶養手当など各種手当も充実しています。
裁判所事務官はどんな人に向いているの?

裁判所事務官にはどんなスキルが必要?向いているのは?

裁判所事務官の仕事は、仕事柄、法律についての幅広い知識の勉強が欠かせません。
法律の知識を身につけ、実務に生かすための読解力や思考力のある人が向いています。
また裁判にかかわる事務はミスや失敗の許されない緊張度の高い仕事なので、注意深く責任感があり、事務手続きをひとつずつ確実に処理できる能力が求められます。

さらに裁判官や裁判所書記官を事務面でサポートする立場になるため、だれかのサポート役として働くポジションにやりがいを感じられることも大切な適性です。
裁判所事務官の将来展望は?

裁判所事務官の将来性 裁判をスムーズに進めるため今後も重要

裁判員制度の導入や司法試験の改正など、近年裁判にまつわる環境は変化しています。その影響で裁判所事務官の仕事の量は増加傾向です。
裁判の内容も年々複雑化しており、裁判をスムーズに行うために活躍する裁判所事務官の役割は、今後もますます重要になっていくことが予想されます。
また裁判所事務官は、国家公務員の「安定」イメージや、「裁判所書記官」や「司法書士」へのキャリアアップが可能なことから、学生からの人気の高い職種です。今後も採用試験は高い競争率が続きそうです。
裁判所事務官にはこうすればなれる!

裁判所事務官になるには? 学歴はどこまで必要?

・裁判所事務官に必須の試験と学歴


裁判所事務官になるためには、裁判所が独自に実施する「裁判所職員採用試験(裁判所事務官)」に合格しなければなりません。

試験には総合職と一般職の二種類があります。
「総合職試験(裁判所事務官)」は、政策の企画立案にかかわる高い能力を重視する採用試験で、「一般職試験(裁判所事務官)」は的確な事務処理能力を重視して行う採用試験です。

また総合職試験は、「総合職(院卒者区分)」「総合職(大卒程度区分)」 一般職試験は 「一般職(大卒程度区分)」「一般職(高卒者区分)」とそれぞれ2つの区分に分かれます。

「総合職(院卒者区分)」には大学院卒の学歴が必要ですが、「総合職(大卒程度区分)試験」では、大卒レベルの知識力を問うというだけで、必ずしも大学を卒業する必要はありません。
ただし、試験内容は一般教養に加えて、おもに憲法と民法の知識が問われるため、大学の法学部で体系的に法律の知識を学んでおいた方が有利です。

また法学部出身者は、採用試験合格後に実施される2年間の研修期間が半分の1年に短縮されます。

・裁判所事務官から「裁判所書記官」へ


裁判所事務官として一定期間勤務すると、専門の研修を受けて「裁判所書記官」に昇進する道も開かれています。
「裁判所書記官」は、「裁判所事務官」の上司に当たるポジションで、裁判官の右腕として特別な権限を持ちつつ、事務手続き面で裁判を支えています。