家庭裁判所調査官になるには事件を解決する深い知識と経験、人間力が必要
家庭裁判所調査官になるには専門知識を使う仕事内容を知ろう!
家庭裁判所調査官は、心理学、社会学、社会福祉学、教育学といった専門的な知識やメソッドを使いながら、家庭裁判所などに相談を持ち込まれた家庭内の紛争解決や非行少年の立ち直りに向けた調査活動などを行います。
「家庭内の紛争」というのは、例えば離婚や子どもの親権争い、養子縁組の許可などの家庭内のトラブルのことです。
家庭裁判所調査官は、今起きている問題だけでなく、これまでの背景、今後の家族のあり方を考えながら、家族の問題を解決し、当事者たちが新たな一歩を前向きに踏み出せるように調査や調整を行なっています。
また、非行少年の問題については、少年に自分の過ちを自覚させ、更生させることを目的として、少年や保護者について詳しく調査しす。
そして少年や保護者一人ひとりと向き合ってどうして非行を起こしてしまったのかを心理学的な手法を使いながら分析し、どうしたら立ち直れるのかを検討するための調査や観察を繰り返し、最良の解決方法を導きだします。
家庭裁判所調査官の働き方は?転勤を3年の周期で繰り返す
家庭裁判所調査官は国家公務員で、全国への異動や転勤を3年ほどの周期で繰り返す仕事です。8時30分から17時までの定時勤務が基本です。
裁判官や裁判所書記官などとチームを組んでいますが、担当する事件について個人で調査を進めることが多く、自分で時間をコントロールしやすい仕事でもあります。
仕事の多くの時間は関係者との面接や調査になり、出張もあります。
家庭裁判所調査官にはどんな人が向いている?視野の広さや人生経験が大切
家庭裁判所調査官の仕事には、法律や社会学、心理学といった専門知識だけでなくさまざまな人の立場で考えられる視野の広さや人生経験、人間的な温かみが必要です。
また家庭裁判所調査官の調査が当事者の判決に大きな影響を与えるので、責任感が強いことも大切です。
そのような高い人間力と責任感を要求される高度な仕事に、使命感を持ってチャレンジできる人に向いていると言えます。
家庭裁判所調査官の仕事は将来的にも重要度を増していく
近年は社会の構造の大きな変化を受けて、家庭内のトラブルや子どもの非行問題の内容がひと昔前より複雑化してきています。
そのようななか、専門的な知識を持って家庭問題を解決に導く家庭裁判所調査官の仕事の重要性は、一層増していくでしょう。
児童虐待や少年犯罪の解決に関心を寄せる学生はとても多く、家庭裁判所調査官を志望する学生が多くなっています。
早い段階から高い学力を身につけ高い志を持ち続けていくことが必要です。
家庭裁判所調査官になるにはどんな試験に合格すればいい?
家庭裁判所調査官になるには、国家公務員試験の中でも非常に難関とされる裁判所職員採用試験の総合職試験(家庭裁判所調査官補、院卒者区分・大卒程度区分)に合格することが必要です。
この試験には2つの区分があり、院卒区分の受験には大学院卒の学歴が必要ですが、大卒程度区分は、試験の難易度を表しており、基本的に学歴は関係なく受験できます。
しかし試験内容は法律や心理学や社会学、社会福祉学、教育学など専門的な知識が問われるため、これらを学べる学部に進学すると有利です。超難関大学出身者も多数受験するため、試験合格には相当の受験準備が必要です。また筆記試験の後に行われる人物試験も重視されます。
面接では志望動機や家庭裁判所調査官としてふさわしい人格かどうかをチェックされます。
その試験を突破すると、試験の成績順に家庭裁判所調査官補として採用され、約2年間の研修を受けて正式な家庭裁判所調査官になれます。