電車運転士

電車運転士の仕事内容は?

電車運転士の資格をとるには?仕事は大変?


電車運転士は乗客や貨物を安全に目的地まで運ぶ仕事

電車運転士は、JRや私鉄、地下鉄などの各鉄道会社に勤め、列車の運行時刻にしたがって安全に、そして正確に人や荷物を運ぶ仕事です。

電車運転士になるためには、国家資格の「動力車操縦者運転免許試験」に合格する必要があります。

試験自体は20歳以上であれば受験できますが、実技試験もあるため実際には鉄道会社に就職し、トレーニングを受ける必要があります。

乗車前にはエンジンやブレーキなどの点検をし、運転中は信号や踏切(ふみきり)、線路の様子、天候などに注意しながら安全第一で運行します。

事故や誤りがないよう、駅名や進行の様子など一つひとつ声に出してしっかりと指さし確認(かくにん)します。

電車運転士になってからも、常に勉強や訓練が必要です。ちがう路線を運転するときや、特急、新幹線などの運転をするときには、キャリアアップとして試験を受けたり、「新幹線電気者運転免許」を取得したりします。また、電車運転士だけでなく駅長や運転区所の所長などを経験していくといったキャリアパス(キャリアアップの道すじ)もあります。

電車運転士はどんな働き方をするの?

電車運転士の仕事のサイクルは?いきなり電車を運転できるの?

鉄道は早朝から深夜まで動いているため、交替(こうたい)で働き、早朝や深夜に勤務したり宿舎にとまったりすることもあります。

安全運転のためには日ごろから体調管理をすることが大切です。また、一般的(いっぱんてき)には、駅員や車掌(しゃしょう)を経験してから電車運転士になります。

電車運転士はどんな人に向いているの?

電車運転士は鉄道好きな人が多い?仕事の適性について

大勢の人を安全に目的地まで運ぶ仕事であるため、何より乗客の安全を守るという責任感が大切です。

常に周囲に注意を払って進路の安全を確認します。時間帯によってはあらかじめ起きやすいトラブルを想定して対策をとるなど、機転をきかせられることも大切です。

問題が起きたときは、車掌や運転を管理する指令と連絡(れんらく)を取り合い、緊急(きんきゅう)時でもあせらず行動しなければなりません。

集中力や判断力、冷静さが必要な仕事です。毎日電車に乗る仕事であるため、乗り物が好きな人が向いています。

電車運転士にはこうすればなれる!

電車運転士をめざせる年齢(ねんれい)は?資格は何歳から受験できる?

鉄道会社に就職して数年たってから電車運転士の資格をとることが多く、20代の電車運転士もたくさんいます。

電車運転士に必要な「動力車操縦者運転免許」は20歳以上で受験が可能です。

電車運転士は人材不足の傾向(けいこう)にあることから、近年は30代になってから電車運転士をめざして入社することも可能となっており、中には年齢(ねんれい)不問で募集(ぼしゅう)している会社もあります。


電車運転士の資格と、鉄道会社への就職について



・鉄道会社での訓練



電車運転士をめざすには、まずJRや私鉄、地下鉄などの各鉄道会社に就職します。

電車運転士になるには国土交通省の国家資格「動力車操縦者運転免許」が必要ですが、駅員や車掌(しゃしょう)などの仕事を経験しながら勉強し、教習所で運転の訓練を受ける必要があります。電車運転士には性別の制限はなく、女性の電車運転士も活躍(かつやく)しています。

*高校は普通(ふつう)科で問題ありませんが、鉄道科のある高校で早くから鉄道の基礎(きそ)を学ぶこともできます。


・国家資格「動力車操縦者運転免許」の取得



電車運転士として必要な資格「動力車操縦者運転免許」で取得できるのは、おもに蒸気機関車、電気車、内燃車(エンジンなど内燃機関を動力として走る車両)、無軌条(むきじょう)電車(トロリーバス)を運転する免許です。その種類は「甲種(こうしゅ)蒸気機関車運転免許」「甲種電気車運転免許」「甲種内燃車運転免許」「新幹線電気車運転免許」「第一種磁気誘導式(ゆうどうしき)電気車運転免許」「第二種磁気誘導式電気車運転免許」「第一種磁気誘導式内燃車運転免許」「第二種磁気誘導式内燃車運転免許」「乙種(おつしゅ)蒸気機関車運転免許」「乙種電気車運転免許」「乙種内燃車運転免許」「無軌条電車運転免許」と、細かく12に分かれています。

試験では、運転免許の種類ごとに身体検査、適性検査、筆記試験、技能試験が行われます。技能試験では速度観測、距離(きょり)目測、制動機の操作、制動機以外の機器の取扱、定時運転、非常の場合の措置について出題され、平時の運転はもちろんのこと、緊急時の対応もできることが求められます。

特急電車や、別の路線の電車などを運転するときには、さらに多くの訓練を積む必要があり、常に研さんが必要な仕事と言えるでしょう。