『人権作文 書き出しはどうすればいい?』
目次
人権作文とは? なにを書けばいい?
税の作文に並んで中学生に出されるテーマが「人権」だ。
その目的は「人権についてしっかりと考え、人権を大切にするおとなになる」ということだ。
・・・うーん、そもそも「人権」ってなに? たしかにふだんあまり考えない事柄かもしれないね。
よし! そこから話していこう。
人権とはなにか
「人権」は人が生まれながらに持っている権利でかけがえのない個人として尊重され、平等にあつかわれ、自由に生きる権利のことだ。
社会で習ったかもしれないけど、18世紀後半のアメリカの独立宣言やフランスの人権宣言などに盛り込まれた考えかただよ。
その後、第二次世界大戦が終わり、1948年に国際連合で採択された世界人権宣言は、「すべての人民とすべての国とが達成すべき共通の基準としての人権」を示したんだ。
人権の種類
じつは人権にはたくさんの種類がある。中学生の作文を書くのに日本国憲法で保障されている次の5つの基本的人権をしっかり理解しておこう。
●平等権
人種、信条や性別によって差別を受けることのない権利
●自由権
自由に物事を考え、行動できる権利。
具体的には
理由なく捕らわれたり、罰せられたりしない権利
理由なく財産を奪われない権利
自由に考えたり、表現したりする権利 などがある。
●社会権
社会を生きていくうえで人間が人間らしく生きるために、国が積極的にかかわる必要がある、という考えからうまれた権利。 日本では生存権、教育を受ける権利、勤労の権利、労働基本権といった権利を社会権と呼ぶよ。
●参政権
国民が政治に参加する権利の総称で、具体的には
選挙に立候補する権利、選挙で投票する権利などがあるよ。
●請求権
人権が侵害されてしまったときに、救済される権利。
具体的には、
裁判を受ける権利
国に賠償を求める権利 などがあるよ。
人権はどのように守られているか
人権は人間が生まれながらに持っている権利。
日本では日本国憲法の第3章の第10条から第40条に人権に関する規定があるんだ。
憲法が保障する人権が守られなかった場合には裁判で争ったり、国会で人権を守る法律を定めることができる。
今までキミが身近に見聞きしたなかにも、人権を守ろうとした働きかけや活動があったと思うよ。よく思い出してみよう。
書き出しは「体験」→「考えたこと 疑問点」
税の作文と同じく、「体験」→「考えたこと 疑問点」を書き出しにするといい。
人権の作文は400字×5枚だから、税の作文より少し多めに書くように調整していこう。
人権作文の書き方
書き出し・具体的なエピソード
税の作文と同じく、書き出しはすでに書いたとおり、身のまわりのできごとやニュースで聞いたことや体験したことを入り口にしよう。400字くらいで、キミの体験を表現しよう。
・生成AIと人権侵害の問題
・SNSでの誹謗中傷やいじめの問題
・世界的に見ても日本は国会議員や会社の役員にしめる女性の割合がとても低いこと
・制服や公共のトイレのジェンダーレス化
などがあったね。
キミが考えたことや調べたこと
書き出しで書いた体験で感じたこと、気になって調べたことや意見を書こう。
考え方が変わった瞬間(あるいは疑問点)
考えたことや調べたことの結果、それまでのキミの考えが変わった点を書こう。または、新たな疑問点を書いてみよう。「具体的なエピソード」と合わせて800字くらいでまとめよう。
まとめ
全体を通じてのまとめを書こう。文字数の目安は600文字程度。
キミが書いた、エピソードや考えたことについて、これからキミはどうしたいか? 自分で取り組まなければいけないことを書いていこう。
じょうずな作文の書きかた
「人権というテーマの前に作文がニガテ・・」そんな人もいるかもしれない。
作文を書くにはルールとコツがある。それを知っておこう。
1 まず全体の構成を考える
作文を書く際には、まず全体の構成を考えることが重要だよ。構成というのはだいたいどんなことを書くのかを整理しておくことだね。
文章の流れや主題を明確にするために、まずは書きたい内容を整理してみる。
たとえば、序論、本論、結論の3つのパートに分けて考えてみるといい。
それぞれのパートで伝えたいポイントを明確にし、全体の論理的なつながりを意識して構成していこう。
2 原稿用紙のルール
作文を書く際には、原稿用紙のルールに従って正しく使うことも大切です。
・1マスに1文字
・「っ」や「ゃ、ゅ、ょ」などの小さな文字も、1マスに1文字
・句読点や鉤括弧もすべて1マス1文字
・本文の書き始めは必ず1マス空ける
・段落が変わるときにも、段落の書き始めは1マス空ける
・余韻を残したい場合などには、「3点リーダ(...)」という記号を使う。3点リーダは2マス続けて書く。
・「ダッシュ(―)」も2マス続けて書く
・数字を書く場合、原稿用紙が縦書きのときは漢数字、横書きの原稿用紙の場合は算用数字。
・表現や用語は全体を通して統一する。また、使用する漢字も統一して読みやすくする
・「です調」「である調」など語尾を統一
正しく原稿用紙を使うことで、読み手にとっての読みやすさも向上していくよ。
3 作文の書き方のルールを守る
作文を書く際には、作文の書き方のルールを守ること。
たとえば、使った接続詞とその後の文章がそぐわないなど、文法の誤りや表現の乱れがあると、読み手に伝わりにくくなるよね。
文末には適切な句点を付ける、主語と述語がきちんと対応しているか確認するなど、基本的なルールを意識して文章を書いていこう。
4 必ず見直しをする
作文を書いた後は、必ず見直しを行うことが大切だよ。
一度時間を置いてから冷静に見直すのがいい。
文意が伝わりやすいか、誤字や脱字がないか、不必要な繰り返しがないかなどを確認しよう。また、文章の流れや論理的なつながりが適切かどうかも見直すポイント。
見直しを行うことで、より良い文章に仕上げることができるんだ。
5 書き出しを工夫する
作文の書き出しは、読み手の興味を引くポイント。
魅力的な書き出しを考えることで、読者の注意を引きつけることができる。
たとえば、興味深い事実や引用、問いかけなどを使って書き出しを工夫してみよう。
また、直接的な説明よりも、具体的なイメージやエピソードを使うことで、読者の関心をひきやすくなるよ。書き出しの工夫によって、読者をひきつける文章を作り上げていこう。
6 表現の仕方を工夫する
文章をより鮮やかにするためには、表現のしかたを工夫することが大切だよ。
具体的な描写や比喩、感覚的な表現を使うことで、読者のイメージをかきたてることができる。
インパクトがあり、かつ読者にわかりやすく、シンプルかつ効果的な表現を心がけよう。
7 結論は簡潔に
作文の結論は、主張やまとめのポイントを簡潔にまとめる必要がある。
けれども、長々と続く結論は読み手の集中力を削ぎ、伝えたいメッセージが薄れてしまうんだ。
結論部分は明確に意見や結論を述べることで、読者に強く印象づけるようにしよう。
一貫した論理や主張を持ちながらも、簡潔かつ力強い言葉を選ぶことで、読者に深い印象を与えることができるよ。
さらに調べてよりよいものにしていこう
今回話したのは人権の作文の書き方の入り口だよ。
キミの文章として磨きをかけるためには、「まなびライブラリー」(会員専用サービス)にある関連図書を読んだり、ネットを使ってさらに深く調べたりすることが必要だね。
まとめ
夏休みの時間を使ってふだんは考えない人権について考えることは、とても有意義な体験になると思うよ。がんばって!
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