『勉強の分からないところ、何が分からないか分からない！』

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: 2022.09.01

勉強をしていると、先生の話や教科書の説明がさっぱり理解できないことがある。誰かに聞きたいけれど、どう質問したらいいか分からない。
そんな経験をしたことがある人もいるんじゃないかな。これは、自分が分かっていないことが何なのかが分からないという状態なんだ。
そんなとき、そのまま放置したり分からないことから目を背けたりすると、ますます分からなくなるという悪循環に陥る。
そうならないために、「何が分からないのか分からない」という状態を抜け出す方法や効果的な勉強の仕方を見ていこう。

勉強で、「分からないことが何か分からない」ときにすべきこと

勉強で疑問が生じたとき、自分の分からないポイントが特定できればそこを見直せばよい。
でも、自分が分からないことそのものが分からないときはどうしたらいいんだろう？　その対処法を説明する前に、「自分の分からないことが何か分からない」とはどういう状態かを確認しよう。

「自分の分からないことが何か分からない」ってどういうこと⁉

「自分の分からないことが何か分からない」状態とは、たとえば、次のような場合だ。

・問題を解こうとしたが、何を問われているのか、まず何をすればよいか分からない。
・教科書や参考書を読んでも、言葉の意味や言っていることがさっぱり分からない。

こんな状態に陥ると、誰かに聞こうにもどう質問したらよいか分からないから、勉強がストップしてしまう。
これは、土台となる基礎が不十分だから起こることなんだ。基礎知識や考え方は、一つひとつ下から順番に積み上げていかなければならない。イメージにするとこんな感じ。

そんなことは当然知ってるって思うよね。
だけど、「自分の分からないことが何か分からない」ときは、たいてい積み上げておくべき土台（基礎）をすっ飛ばして、さらに難しいことをしようとしたり、知識に抜けや漏れがあって土台が固まっていないのに、その上に積み上げようとしたりしている状態なんだ。
下の図ようなイメージだ。

「自分の分からないことが何か分からない」ときにすべきこと

上の図で見たように、「自分の分からないことが何か分からない」とき、その原因は大きく分けて２つ考えられる。

【A】前提知識が不足しているか、既に学習した単元の内容が理解できていないから、「分からない」。
【B】解き方や考え方は知っているが、それをどう使えばよいのか知らないから、「分からない」。

覚えるべきことや身に付けるべき考え方・解き方が十分でなければ、説明を読んでも分からないし問題も解けない。
当然のことだよね。ただ覚えたり身に付けたりしていればいいというわけでもなく、覚えた知識や解き方の一つひとつがつながって使いこなせるようになっていなければ、「分かる」ようにはならないんだ。
そのためには、「自分がどの段階でつまずいているのか」を見つけ出す必要がある。

次の英語の問題を見てみよう。
問　次の文を否定文に直しなさい。
ア． I am a high school student.　（→　I am not a high school student.）
イ． He likes English.　　　　　　（→ He doesn't like English.）
ウ．You lived in Nagoya.　　　　　（→You did not live in Nagoya.）
上の問題が分からないとき、つまずいているポイントは次のようにいろいろある。

①英単語の意味が分からない。「否定文」って何？
②「否定文に直す」、つまり、「～である。」という文を「～ではない。」という文に書き換えるということはわかる。でも、英語の場合にどうやるのか分からない。
③アはわかる。でも、どうしてイやウは「He likes not English.」「You lived not in Nagoya.」ではいけないの？
④アとイはわかるが、ウの「lived」が何だか分からない。
⑤イやウで、「not」の位置が違い、動詞「like」や「live」をそのままの形で書いて間違えた。

「自分の分からないことが何か分からない」とき、「分からない」ことから目をそらしてしまいがちだけど、分からない原因やどこでつまずいているかを自力で見つけ出さない限り、「分からない」から抜け出すことはできないんだ。分からないことを特定するのは簡単ではないけれど、「これなら分かる」と、分かることを一つひとつ確認していき、分からない部分がどのあたりかを絞り込んでいこう。

勉強で分からないところを解決できる方法

さっきも書いたように、「勉強が分からない」原因は主に次の２つだ。

【A】前提知識が不足しているか、既に学習した単元の内容が理解できていないから、「分からない」。
【B】解き方や考え方は知っているが、それをどう使えばよいのか知らないから、「分からない」。

それぞれのパターンについて、その解決方法を紹介しよう。

【A】前提知識が不足しているか、既に学習した単元の内容が理解できていないから、「分からない」。

問題文や解説中に出てくる言葉が分からないとき、見たことはあっても意味や使い方があやふやなときは、辞書で調べるか、教科書に戻ってこれまでに学習した単元を復習しよう。
それらが暗記すべき重要事項なら、確実に覚えることがポイント。内容が理解できたら、簡単な問題に取り組んで正解できるか、解説を読んでわからないところがないかをチェックし、身についているかどうかを確認しよう。

【B】解き方や考え方は知っているが、それをどう使えばよいのか知らないから、「分からない」。

覚えたことをどう使えばよいのかわからないつまずきは、問題を解くことで掘り起こすことができる。
正解と自分の答とを見比べて自分ができていないところ、解説を読んで疑問に感じたところは、教科書や参考書に戻って、正しい知識や解き方をもう一度インプットし直そう。
そのうえで、同じ問題を解き直したり、同じようなレベルの類題に数多く取り組んだりして、インプットしたことが自動的に使いこなせるようになるまでトレーニングすることが大切だ。
いきなり応用問題に取り組むのではなく、最初のうちはなるべく基礎レベルの問題から取り組むのがよい。
解いたらそれで終わりにするのではなく、解説まできちんと読んで、必要な知識どうしを関連付けて問題を解けていたのかをチェックするようにしよう。

自分の分からないことやつまずきが何か、考えてみたがどうしても分からないときは、思いきって学校の先生に聞いてみよう。
このとき、すぐに答えや解き方を教えてもらうのではなく、「分からないことが何か」を一緒に見つけてもらうようにすることが大切だ。
「分かっている人」は、「分かっている立場」で答えを導き出す。
でも、「分かっている人」のやり方で教えてもらうことは、必ずしもキミがつまずいているところを理解して解決してくれることにはならない場合もある。
だから、自分が分かることは何か、どこまで考えて手が止まってしまったのかをできる範囲で説明して、話しながら自分が分からないポイントを掘り起こしていくようにしよう。
先生に聞くのはハードルが高いなら、家族や友達に相談してみるのもありだよ。

分からないところをそのままにしない！　おすすめの勉強法

繰り返しになるけれど、勉強が分かるようになるためには、次の２つがとても重要だ。
・必要な知識や解き方をしっかり覚えて定着させること
・覚えた知識や解き方をそれぞれ関連付けて使いこなせるようになること
これらができれば、授業中の先生の話も分かるようになるし、解説を読んでいても理解できるようになる。
だから、勉強で分からないことにぶち当たったとき、分からないところをそのままにしないために、次の３つの勉強法を実践してほしい。

その１　　「分からないこと」は、とにかく調べる習慣をつける。

分からない言葉が出てきたら、辞書や教科書を使ってその場ですぐに調べる。これを徹底的に行おう。
勉強が中断されるのが嫌だ、いちいち調べるのは面倒だ、という気持ちも分かるけれど、基礎をしっかり覚えて一つひとつ積み上げていかない限り、決して分かるようにはならないよ。
教科書にはたいていのことが書いてあるから、索引などもうまく利用すればぐんと調べやすくなるし、電子辞書を使いこなせるようになれば、調べるスピードも上がるよ。

その２　問題を解いて間違えたら、解説を読んで必要な知識を正しく覚え直す。

問題で間違えたのなら、解くのに必要な知識が不足しているか、知識は身に付いているけれど適切に使いこなせていないかのどちらかであることが多い。
解説を隅々まで丁寧に読むと、この数学の公式が分からない、どうしてこの文法が出てくるのか分からない、この説明のつながりが分からないなど、分からないことが具体的になる。
忘れていた知識はインプットし直し、理解できなかったところは教科書や参考書で補うようにして、覚えたことを問題で正しく使いこなせるようになろう。

その３　必要な知識を覚えたら、その知識を使いこなせるようになるまで、問題演習を繰り返す。

問題に数多く取り組むことで、インプットした知識と既に自分の中にある知識とが結びついて、問題を解く際に正しく使えるようになる。
インプットした知識や解き方・考え方は、問題演習で定期的にアウトプットすることが重要なんだ。
問題に取り組んでみて、分からないことが増えたり難しさややりづらさを感じたりしたら、レベルを落とし、易しい問題に変えても大丈夫。
また、苦手な人向けの解説が丁寧な問題集もあるから、そうしたものに切り替えるのも効果的だよ。基本的なことを一つひとつ確実に理解することが、「分からない」をなくす最善の策なんだ。

勉強に集中する方法

ここまで読んで、「分からないことが何か分からない」を解決する糸口が少しずつ見えてきたんじゃないかな。
分からないことをそのままにしない勉強方法に続いて、最後は勉強に集中する方法を紹介していくよ。
「勉強に集中できない」というのも中学生に多い悩みだけれど、誰だって好きなことや面白いことに取り組んでいるとき、本番など大事な場面では自然と集中できるものなんだ。
勉強でも、集中力が自然と高まるような環境を作ってあげればいい。

勉強を始める前におすすめの集中力をアップさせるコツ

勉強を面白いと感じられるようになるのは難しいけれど、大事な試合当日や試験本番と同じような環境は作れそうだよね。
キミにも思い当たることがあると思うけれど、試合や定期テストなどの「大事な場面」では、ちょうどよい緊張感をもちながらもリラックスしていることが重要なんだ。

まずやってほしいのは呼吸を整えること。緊張しすぎていたり強いプレッシャーを感じていたりすると、呼吸が浅くなって脳に十分な酸素が送られなくなってしまう。
深呼吸をすることで、脳に酸素が行き届き、頭がきちんと働くようになるんだ。勉強をする前に少し時間があるなら、体を動かすこともオススメだよ。
軽い運動やストレッチをすれば、呼吸も整えられるしリラックスもできる。息が上がるほどの運動は避けた方がよいけれど、体を動かした方が余計な力が抜けるという人は、ぜひ試してみて。
体を動かすことがニガテな人は、音楽を聴いてテンションを高めてやる気を出したり、気持ちを落ち着かせたりすることで、勉強モードに切り替える方法もあるよ。
また、頭をきちんと働かせるためには糖分が必要だから、勉強の前に甘いものを食べたり、コーヒーなどでカフェインを摂取したりしてリフレッシュするのもオススメ。
ただし、甘いものやカフェインはとりすぎると体に害になるから気をつけよう。

勉強中におすすめの集中力を持続させるコツ

勉強の最中に集中力が途切れないように工夫することも大切だよ。
まず、勉強中に気が散らないように、勉強に必要なもの以外は机から遠ざけることが鉄則。スマホやマンガ、ゲーム、お菓子などの誘惑になりそうなものは手の届く位置に置かないようにしよう。
また、テレビが見える場所では勉強しないようにすることも大事だよ。
続いて、勉強時間を決めて取り組むのも効果的だ。テストは時間が限られているから集中するしかない。
それと同じように、「30分で問題集３ページ分を進める」、「この問題は５分を目標に解き切る」など、時間を決めて取り組むことで適度なプレッシャーがかかって集中できるよ。
他にも、授業と同じように「１時間近く勉強したら、10分休憩する」というのを繰り返すのも効果的だ。
集中力が続かない人やニガテなことに取り組む場合には、「25分続けたら５分休憩する」など、時間を短く設定して取り組むのがコツ。
休憩中は机から離れて深呼吸やストレッチをすると、リフレッシュできてそのあとの勉強に集中できるよ。ただし、休憩は決めた時間を必ず守るようにしよう。

集中するには場所を選ぶことも大切

もし、勉強する場所がいくつか選べるなら、集中しやすい場所を確保して勉強するのも一つの手。自分に合った場所を見つけてみよう。
誰もいない静かな場所の方が集中できるタイプなら、自分の家で落ち着いて勉強するのがいい。少しくらい雑音がある方が集中できるなら、勉強の邪魔にならない程度の音量で音楽を流しながら勉強してみよう。
１人で勉強しているとつい怠けてしまう...という人は、人の目がある図書館や自習室などを活用するのがおすすめ。
誰かに見られているかもしれないと思うと、怠けるわけにもいかず、知らず知らずのうちに集中できることもある。
同じ空間で本を読んだり勉強したりしている人がいれば、その人の存在が刺激となって勉強を頑張れるというメリットもあるよ。
また、図書館や自習室なら自分の家に比べて誘惑が少ないから集中しやすいよね。

まとめ

どうだったかな？
勉強で「自分の分からないことが何か分からない」ときどうするか、少しヒントを得られたかな。
クラスで成績TOPの生徒だって、分からないことは一つひとつ解決して積み上げていっている。
「自分の分からないことが何か」を見つけるのは簡単ではないけれど、「分からない」を解消した経験をすればするほど、自信がついて勉強が楽しくなるよ。
そして、「分からないこと」を解決する力は、受験勉強でも将来大人になってからも、キミを助けてくれる非常に大事な力なんだ。
勉強に集中できる方法もうまく活用して、効率良く勉強を進めていこう。