『学校の七不思議 一覧にしたら17不思議になったのだが。』
目次
学校の七不思議は本当にあるの?
4階の音楽室の窓のかぎを確認していると、うしろで「ぱたぱたぱた」と音がする。振り向いてもだれもいない。
「気のせいかな」
急足で階段を降りようとするとまた、
「ぱたぱたぱた」。
ちょうど小さな女の子が廊下を走るような音だった。
次の日、古株の先生にその話をすると、
「ああ、先生も会いましたか。小さな女の子がね、いるんですよ」
「近所の子があんな夜中に?」
すると先生は少し言いにくそうに、
「この学校の七不思議でね・・・」
と続けたのだった。
その先生はそれ以来職員室に最後まで残ることは避けているそうだ。
歴史がある学校には必ずある「七不思議」きみの学校ではどうだろうか?
いろいろな七不思議があるのだけれど、それを全部知ってしまうと不幸が訪れるともウワサされているね。今回集めた七不思議のなかに、きみの学校のものはあるかな?
真夜中に音楽室のピアノが鳴る
これは定番中の定番。だれもいないはずの音楽室でピアノを弾く音がする。
曲は「エリーゼのために」。天井から滴る血が鍵盤を叩いていたというものもあるけど、野良猫が忍び込んで鍵盤の上を歩いたんじゃないか? 疑惑も否定できないな。そもそも目撃者は真夜中の音楽室でなにしていたのかが不明である。
時速100キロで迫り来るテケテケ
上半身しかない幽霊、通称「テケテケ」が夕暮れどきの学校の廊下を猛スピードで走ってくる。この亡霊は両腕を使い移動するときに「テケテケ」という音がするため、この名前がつけられている。そう遇したら「地獄に帰れ!」というのが効果的なのだとか。
トイレの花子さん
バリエーションとしては4番目のトイレから女の子がすすり泣く声というのがある。これ、◯リーポッターにもいたような気がする...。
夜の学校をうろつき回る人体模型
昼間に見たって怖い理科室の「人体模型」が夜の学校でうろつき回っているという話。
うわ、それとんでもなく怖いわ〜。でもだれが見たの?その人なにしていたの? はやっぱり気になるな〜。
ホルマリン漬けの動物がビンから出て動き回るというバリエーションもある。さらにあまり怖くないが美術室のデッサン人形が踊りだす。ペアで踊ることもあるらしいぞ。
プールに引きずり込む子供の霊
プールの授業中に水中に引きずりこまれる話。救出された生徒の足には、つかんだ手のあとがくっきり残っているのだとか。
異世界につながっている夜の学校
3階建ての校舎にあるはずのない4階が現れて、そこに登っていくと二度と帰れない。夜の学校には「そんなこともあるかもしれない」というふんいきがただようよね。
桜の木の下には死体がうまっている
これはもともと大正から昭和にかけて活躍した作家、梶井基次郎の短編小説『櫻の樹の下には』から来ている。
1928年発表されたこの短編小説の書き出しは「桜の樹の下には屍体したいが埋まっている!」とはじまっていて、人々に大きなインパクトを与えたんだ。
そこから七不思議に転用されたようだ。実際には桜の花の色に強く影響するものは、土壌よりも気温なんだけどね。
美術室のモナリザ
モナリザの目玉が動いてこちらを見ている。
もともとルーブル美術館にある「モナリザ」も「どこから見ても見つめられている」錯覚をもよおす絵画として有名。
そこから絵画の中の人物と目が合う現象は「モナリザ効果」と言われているんだよ。だから美術室にあるモナリザと目が合うのも不思議ではないよね。
バリエーションとしては夜中になるとベートーヴェンやバッハ等の肖像画の目が動く、光るなどがある。
描き足される絵
だれも触っていないのに日に日に加筆されていく絵。美術室にいる霊が絵に加筆していると言われている。
踊り場の大鏡
七不思議では鏡も重要なアイテムだ。
夜中に鏡をのぞきこむと、見知らぬ人がのぞき返してきたとか、階段の踊り場の大鏡が異世界に通じているなんて話もあって、4時44分に大鏡の前に立つと鏡の中に引き込まれるらしい。
家庭科室の包丁
放課後に無人の家庭科室で包丁が飛び回る。それはヤバい。けがしそうだ。かなり危ない状況だな。
トイレから青い手が出てきてお尻をなでる
昔はくみとり式のトイレだったからね。
トイレから手が出ると言われるとなんとなく「あり得るかも」と思える素地はあったんだよ。
そんな時代から言い伝えられているのだと想像できる。今どきの水洗トイレの場合、手を出すにも「どっから?」って疑問が先だっちゃうもんなあ。お尻をなでるなんてところは、新型のお尻洗浄機なのかもしれないな。
階段が増減する(13階段)
12段の階段が夜中になると13段になる。13段目を踏むと異界へ連れ去られるというパターンもある。ふだんから階段の数は数えておこう。もしかして13になっていたら別の階段へ。
二宮金次郎像が深夜の校庭を走っている
最近はあまり見かけなくなった二宮金次郎像。きみの小学校にあったかもしれないね。
二宮金次郎は江戸後期の思想家。苦労しながら没落した家を再興し、その手腕を買われて諸藩ならびにおよそ600もの村を復興したといわれている。
二宮金次郎像の背負っている薪の数が減る、持っている本のページがめくれる、図書室に行く、校庭を走り回っているなどいろいろやっているらしい金次郎さん。
トイレに行くが背負っている薪で個室のドアが閉まらないなど、それはネタだろってのもある。
だれもいない体育館でボールがはねる音がする
だれもいないはずの体育館でボールがはねる音がする。
いやーん、こわい。でもこれ、簡単に説明がつくかも。
きみは体育館でボールを使っていて、2階にボールがあがっちゃってそのままにしちゃったことない? それが落ちてきてこれが床ではねたんじゃないかな。
落武者の亡霊
校庭に戦国時代の落武者の亡霊が現れる。歴史が古い学校や、史跡などが近くにあると真実味があるね。
無人の放送室
放送室が無人にもかかわらず、突然、校内放送がはじまる。これ、昼間でもありそうだよね。
日本の七不思議と世界の七不思議
日本では説明のつかない現象や奇異な伝承を7つをひとまとめにして七不思議といっていたんだ。
本来幽霊や妖怪の話ではなく、あくまで不思議な現象や言い伝えをさしていたんだよ。それが江戸時代になって怪談の1形式となり、現代の形になったとされているんだ。
一方、「世界の七不思議」と呼ばれるものもある。
こちらはもともと「Seven Wonders of the World」を意訳したもの。日本のように怪談ではなくて「景観」とか「驚くべきもの」という意味になっている。
具体的には7つの建造物のことを指しているんだ。それは
ギザの大ピラミッド
バビロンの空中庭園
エフェソスのアルテミス神殿
オリンピアのゼウス像
ハリカルナッソスのマウソロス霊廟(れいびょう)
ロドス島の巨像
アレクサンドリアの大灯台
の7つとされているよ。日本の七不思議とずいぶん違うよね。気になったら調べてみよう!
また、「新世界七不思議」が選ばれてもいる。2007年1月、スイスの民間財団「新世界七不思議財団」が「新世界七不思議」の世界規模での投票を組織、1億人近くがインターネットや電話で投票に参加して「新」世界の七不思議が選ばれたんだ。
その「新世界七不思議」とは、
マチュ・ピチュ
コロッセウム
タージ・マハル
ペトラ遺跡
コルコバードのキリスト像
チチェン・イッツァ
万里の長城
の7つ。きっときみも一度は写真などで見たことがあるはずだ。
学校の七不思議、どうだったかな? きみの学校の七不思議はこのなかにあったかな?