パタンナーの仕事内容は?
パタンナーになるには? パタンナーに資格は必要?
パタンナーとはデザイン画から型紙をつくる仕事
・パタンナーって何?
パタンナーは、ファッションを楽しむだけではなく、自分で洋服をつくるのが好きな人にとても人気のある職業です。
パタンナーという言葉は、実は和製英語で、アメリカやイギリスなどでは、「パターンメーカー(pattern maker)」と呼ばれています。
・パタンナーの仕事
パタンナーの仕事は、デザイナーが描いたデザイン画を見て、「パターン」と呼ばれる型紙をつくることです。
洋服は一枚の平面の布からできています。その布をデザイナーがイメージしたどおりの洋服の形、ラインに仕上げるために、型紙を起こすのがパタンナーの仕事です。
パタンナーはまずデザイン画を見て、具体的に洋服の形やサイズ感、素材感などを想像します。
そのイメージを忠実に再現するように正確に型紙をつくっていきます。
洋服の製品としてのクオリティーはパタンナーの腕で決まるといわれるほど、パタンナーは洋服づくりのプロセスで重要な役割を果たしています。
型紙ができあがったら、工場に縫(ぬ)い方を指示する「縫製仕様書」をつくります。そして型紙と縫製仕様書、生地や付属を工場に送ってサンプルをつくってもらいます。
・モデリストとの違いは?
パタンナーと同じような意味で使われる「モデリスト」という職種もあります。日本ではパタンナーとモデリストの仕事に大きな違いはありません。
でも海外のファッションシーンなどでは、モデリストはデザイナーと対等な立場で、パターン作成だけでなく、生産工場への指示や説明を行ったり、生産した製品の品質への責任を負ったりする立場になります。
そのため海外ではモデリストの方がより業務の範囲が広く、求められる責任、知識、スキルも高いのです。
パタンナーはどんな働き方をするの?
パタンナーの勤務時間はアパレル業界の中でも比較的規則正しい
・パタンナーの勤務時間
パタンナーの勤務時間は、アパレル業界の中でも比較的規則正しくなっており、一般的な会社員と同じように「9時出勤、17時退勤」のようなところも多く、お昼の時間帯に休憩勤務状況になっています。
しかし納期が迫って忙しくなる時期もあり、そういう時期は残業が増えたり、休日出勤が必要になったりすることもありがちです。
・パタンナーの活躍の場所
パタンナーの就職先はさまざまです。代表的なものを紹介します。
アパレルメーカー
アパレルメーカーは、パタンナーの一般的な就職先といえます。
アパレルメーカーは、企画、デザイン、製作までをすべて社内で行う会社もあれば、デザインを外注している会社もあります。
しかしパターンの仕事は外注せず、社内のパタンナーが行う会社がほとんどです。デザインを外注しているメーカーでは、社外から上がってきたデザイン画をもとに社内でパタンナーが型紙を製作していきます。
縫製工場やファッション関連のデザイン会社
アパレルメーカー以外にもパターン製作を行う会社はあります。
例えば縫製工場や、ファッション関連のデザイン会社です。そのような会社もパタンナーの就職先になっています。
フリーランス
会社に属さずに、フリーランスで仕事を請け負っている人もいます。
業務委託の形で一社に専属して仕事を受注しているパタンナーもいれば、何社もの仕事を請け負っているパタンナーもいます。
パタンナーはどんな人に向いているの?
パタンナーは正確な作業ができる几帳面な人に向く
洋服の型紙は数ミリの差でも服の形やラインが変わり品質が落ちてしまいます。
誤差は許されません。パタンナーは常に正確な作業ができる几帳面な人に向いています。
またパターン製作は平面のデザイン画から、デザイナーが頭の中に描いたイメージを注意深く読みとり、より忠実に立体に再現する力が求められます。
誤差は許されません。パタンナーは常に正確な作業ができる几帳面な人に向いています。
またパターン製作は平面のデザイン画から、デザイナーが頭の中に描いたイメージを注意深く読みとり、より忠実に立体に再現する力が求められます。
パタンナーの将来展望は?
パタンナーの将来性 業界全体は苦戦だが技術力があれば将来性はある
海外や国内のファストファッションの流行や新型コロナウィルスの影響で、アパレル業界全体が苦戦しています。
しかしこのような状況だからこそ、実力のあるパタンナーをどの会社も求めています。
しっかりとした技術力を身につけている限り、パタンナーは将来性のある仕事だといえます。
しかし国内の市場は人口減で縮小していくのは避けられないので、海外展開を拡大するメーカーは今後さらに増えていくでしょう。
アジアを中心に海外で働ける語学力(英語や中国語など)を身につけたり、パターンメーキングのデジタル化といった新しい動きに対応していったりすることは、これからのパタンナーに必要といえます。
しかしこのような状況だからこそ、実力のあるパタンナーをどの会社も求めています。
しっかりとした技術力を身につけている限り、パタンナーは将来性のある仕事だといえます。
しかし国内の市場は人口減で縮小していくのは避けられないので、海外展開を拡大するメーカーは今後さらに増えていくでしょう。
アジアを中心に海外で働ける語学力(英語や中国語など)を身につけたり、パターンメーキングのデジタル化といった新しい動きに対応していったりすることは、これからのパタンナーに必要といえます。
パタンナーにはこうすればなれる!
パタンナーになるための学校・勉強・資格
・パタンナーになるための学校は?
パタンナーになるには、ファッション系の専門学校や大学・短大などに通ってパターンについての基礎技術を学んだ後、業界に入るのが一般的なルートです。
パタンナーは技術力が勝負で、「大学卒」「専門学校卒」といった肩書きとしての学歴が問われることはほとんどない職種です。アパレルメーカーなどのパタンナーの求人は、ファッション関連の学校で基本的な技術を修得した人を対象とすることが多いです。
将来パタンナーをめざすなら、大学・短大・専門学校の被服・服飾系の専門コースでパターンメーキングについてしっかり学び、基礎技術力をつけておくことが大切です。
また在学中に「パターンメーキング技術検定」などの資格を取得しておくと実力の証明になり、就職時にアピールできるでしょう。
・パタンナーになるための勉強
パタンナーの学ぶべき知識と技術は以下の3点が挙げられます。
1 パターンメーキング
デザイン画からデザイナーの意図、イメージを読みとり、型紙に起こす作業をパターンメーキングといいます。パターンメイキングには「平面裁断」「立体裁断」の2種類があります。
平面裁断
平面裁断とは厚手の方眼紙などを使い、平面で型紙をつくる方法です。
紙の方眼紙を使うのでサイズ展開などの変更作業がしやすく、再現性もあるので、たくさん同じものをつくる、既製品に適した方法と言えます。
立体裁断
立体裁断は、人体や人台に直接布地を当てて形を決めて裁断する方法を言います。平面では表現しづらい、デザイン性の高い服づくりができるようになります。
2 グレーディング
グレーディングとは、平面裁断や立体裁断でつくられた標準寸法の型紙を、拡大したり縮小したり、サイズ変更する作業のことです。
例えばMサイズの型紙から、SサイズやLサイズをつくることです。しかしMサイズをSサイズにする時に、単にサイズを小さくすればよいわけではなく、デザインのバランスが崩れないよう調整しながら変更しなくてはなりません。
そのため、グレーディングには、人の体形に関する基礎知識や、体形に関する統計データを知っておく必要があります。
3 CAD
CADとはパソコン上で設計を行うためのソフトのことです。
近年はアパレル業界もIT化が進んでおり、正確性や修正が簡単なことから、パターンづくりにCADを用いる機会が増えてきています。
・パタンナーに役立つ資格
パタンナーになるために必ず必要な資格というのは存在しません。
しかし先にも紹介しましたが、パタンナーの就職や仕事に役立つ資格があるので、2つ紹介します。
パターンメーキング技術検定
「一般財団法人日本ファッション教育振興協会」が認定する資格です。
1~3級まであります。3級の試験はファッション業界で働くうえで必ず必要な基礎知識が問われるものになっています。筆記試験と実技試験があります。
CAD利用技術者試験
「一般社団法人コンピュータ教育振興協会」が認定する資格です。
「CAD」とはコンピューターでの設計作業を助けるツールであり、パターン製作でも一般的なものになっています。
試験は8種類あります。