アパレル店員とは? 必要な資格は? 服装はどう用意するの?
ファッションとアパレルはどう違(ちが)うの アパレルメーカー社員との違いは?
百貨店や専門店などでお客様に衣類などを売る仕事です。
アパレルとは英語の古語に由来した衣類を表す言葉で、布で作られた「既製服(きせいふく)」を意味することが多く、主にお店に並んで売られている衣料品のことを指します。おなじような言葉で「ファッション」というほうがなじみがあると思います。「ファッション」という言葉には服装、髪型(かみがた)、メイク、アクセサリーなどにとどまらず、芸術的な意味も含(ふく)めた総合的なライフスタイルのことを意味します。
アパレル店員はくわしい商品知識があり、客が買いたいと思うような説明や受け答えをして商品を売る仕事です。サイズや色、着こなしのアドバイスなど、たくみな接客術を身につけています。
売り上げ目標を立てて達成することも大切で、そのためには売れるための企画を考えたり、人気商品を分せきして店内の配置や見せ方を工夫したりするなど、接客以外の技術も必要です。
アパレル店員は働き方は服を売るだけではない
・アパレル店員の働き方
土日祝日に勤務することが多いです。
就職先はおもに百貨店や専門店などです。客を相手にするため土日祝日は出勤し、平日に休むことが多くなります。勤務時間は店の営業時間に左右されます。販売員(はんばいいん)の経験を積むと店長を任されたり、エリアマネジャーとなって複数の店をまとめる担当になったりします。
接客業では身だしなみを整え、自社の商品を着こなしてアピールすることも大切であるため、ファッションや美容に関する出費は多くなりがちです。
おしゃれが好きな人には楽しい仕事でしょう。
・ 接客
商品の説明やコーディネートの提案、試着室への案内などをすることです。
お客様の好みや状況(じょうきょう)、商品在庫、今後の入荷(にゅうか)状況などを考えて最適な提案をすることが必要です。
自分の好みやトレンドを押し付けることなく、お客様にとって最適なコーディネートを勧(すす)めます。
・ レジ・電話対応
お客様が購入(こうにゅう)を決めたあと、レジで会計の対応をします。
同時に商品のこん包も必要です。洋服を傷つけないようにていねいに扱(あつか)うことが肝心(かんじん)です。
雨の日はビニールをかけるといった作業も加わります。
お客様からの問い合わせの電話にも対応します。
商品の在庫や入荷の状況確認(かくにん)やクレームもあります。
とくにクレームの場合は対応を誤ると大切なお客様やブランドイメージを失うことにつながります。
言葉づかいや態度に特別の注意が必要ですね。
・ ディスプレイ
アパレルのお店に行くと、マネキンが商品の洋服を着て陳列(ちんれつ)されていますね。
一番目立つ場所に今シーズンの目玉商品を並べることでお客様の興味を引き、足を運んでもらえるようにします。
これもアパレル店員の仕事です。
いろいろな店舗(てんぽ)を観察・研究して見栄えのするレイアウトを作り上げていきます。
また、並べてある商品をたたみ直したり、補充(ほじゅう)をする仕事もあります。
店内が整然として商品が見やすい状況を作ることでお店のイメージが高まります。
・ 商品管理
商品が届くと商品に破損や不備などがないか検品・在庫数の確認をし、倉庫に保管します。このときに、すぐに商品が出せるように商品の種類や色、サイズなどに分けておきます。
お客様に求められたとき、すぐに商品が出せないようではお店のイメージが落ちますし、作業効率も上がりません。この商品管理は非常に重要な業務なのです。
・ 店内外の清掃(せいそう)
薄汚(うすよご)れたお店で買い物をしたい人はいません。
お店の中も外も常に清潔に保つのもアパレル店員の仕事です。お店の中ではディスプレイやレジ、試着室などの清掃を行います。外も同様ですね。
また、閉店後は商品にカバーをかけるなどして、ホコリから守ります。
アパレル店員のやりがい
・ メリット
つねにお客様とコミュニケーションをとりますから自然と接客技術が身についていきます。
シーズンごとに商品が入れ替(か)わるので、流行に敏感(びんかん)になりますよ。
そのなかでファッションセンスも磨(みが)かれていきますから、仕事以外でもおしゃれが上手になります。
また、社員割引でお店の服を買えるところが多いです。それはお店の宣伝にもなるからです。
もちろんその服はプライベートで着てもかまわないので、お気に入りのブランドをつねに身につけられますね。
・ デメリット
アパレル店員は一見華(はな)やかに見えますが、土日の休みが取りづらかったり(お店のかきいれ時のため)、倉庫業務や、一日中の立ち仕事で体力勝負という面があります。また繁忙期(はんぼうき)には朝早めの出勤、残業が多いようです。
アパレル店員に向いている人
扱う商品の知識を身につけ、流行を取り入れたりコーディネートを考えたりする仕事なので、まず自分自身がおしゃれやファッションに興味があるとよいでしょう。
接客では、人と話すことが得意で、初対面の人にも人見知りせず明るく話しかけられるような人が求められます。
常識やマナーがあることも大切です。立ちっぱなしで客の相手をし、客がいないときは商品の整理や確認(かくにん)作業などをするため、体力的にも強くなければなりません。
アパレル業界の将来性 し烈(れつ)な生き残り競争が起きる
アパレルは個性の表現という前に生活必需品(ひつじゅひん)です。
そのためどのようなことが起こっても最低限の需要は残り、まったくなくなるということはありません。
とはいえ日本国内は人口が減っていくために市場が縮んでいきますから、アパレル業界の中で今後し烈な生き残り競争が起こっていくでしょう。
今後のアパレルの販売はインターネットショッピングが主体になっていく可能性もあります。
そういった意味では絶対に人間にしかできない、対面のほうが価値がある販売の形を求められていくでしょう。
アパレル店員になる 正社員なら大学を卒業している方が有利
採用に関してはとくに必要な資格はなく、アパレルに関する店や会社に採用されれば販売員として働くことができます。
アルバイトや契約(けいやく)社員として働く人も多いですが、百貨店や有名ブランド、大型店舗などに勤めて長く働くには、正社員を目標に採用してもらうとよいでしょう。
その場合は大学に進学し、卒業している方が有利です。採用や就職(後のためには、「販売士(リテールマーケティング)検定」が役に立ちます。
「販売士(リテールマーケティング)検定」は流通や小売業界で唯一(ゆいいつ)の資格で信頼(しんらい)があります。
商品に関する専門知識や店舗経営知識など、自分でお店を開くときにも役立つ知識を得ることができますよ。
また「ファッション販売能力検定」や「ファッション色彩(しきさい)能力検定」などの資格もアパレル店員には役立ちます。
取得しておくと評価につながるでしょう。
*高校は普通科で問題ありません。