広報・I R

広報・I Rの仕事内容は?

I R担当ってどんな仕事内容? やりがいや必要なスキルは?


I R(アイアール)担当は投資家や株主と信頼関係を築いていく仕事

・I Rとは?


I Rは投資家や株主に対して、自社の経営状況や財務状況を継続的に知らせて信頼関係を築いていく仕事です。I RはInvestor Relationsの略で、Investorは「投資家」、Relationsは「関係」の意味です。

上場企業は、投資家に自社の株を購入してもらって資金を集めているので、決算に影響する社内の情報は、業績の良し悪しにかかわらず投資家に公表する義務があります。(上場企業とは、株式を発行している企業のことです)

I Rはアメリカ発の職種ですが、近年、日本企業の海外での資金調達が進んだことにより、日本でもI Rが重要視されています。また国内でも個人投資家が増え、各企業の業績や経営方針など、投資判断に役立つ情報を求める人も増えています。

・I R担当者の仕事内容


I R担当者の代表的な仕事内容を紹介します。

1つは「企業説明会」や「グループミーティング」「決算説明会」などを行い、投資家やアナリストなどに向けて、自社の業績や経営方針の発表や質疑応答を行います。
(※「アナリスト」の仕事は、「アナリスト」の記事を参考にしてください)

また事業年度が終わった時には、その1年間の自社の財務状況やこれからの経営戦略などをまとめた「アニュアルレポート」を作成して、投資家や株主に公表します。近年はこの「アニュアルレポート」を、自社のI Rサイトに、わかりやすいグラフィックスや動画などを使って発表している企業も増えています。

そのほかにもI R担当者は、決算説明会の様子や新商品のニュースなど、リアルタイムにサイトで知らせて、投資家との信頼関係を築いています。


・広報とI Rの違いは?


広報は一般の人や社内の人向けにも幅広く広報活動を行う職種ですが、I Rは投資家を対象にした情報公開を行う職種です。投資にかかわる情報公開を専門に行う職種である点が大きく違います。

・I R担当者のやりがいと大変なことは?


I R担当者の一番のやりがいは、決算説明会などで、投資家の人たちに向け、よい情報を直接発表できることです。新商品のヒットによる業績アップなど、よい報告を発表した後、株価が上がって会社に大きな資金が集まると、I R担当者は自分の仕事に面白さややりがいを感じます。

もちろんその逆に業績が下がった時には、投資家から厳しい意見をもらうこともあります。そんな時は、謝罪や今後の改善策など説明をしなければなりません。

広報・I Rはどんな働き方をするの?

上場企業の広報部や財務部、経理部などに配属



I R担当者は、一般的に、上場企業の広報部や財務部、経理部などに配属されています。(上場企業というのは簡単にいうと株式市場で株式を売っている企業のことです。)
I R担当者の仕事は、社内でもかなり専門性の高い仕事なので、広報や経営企画部、財務部などで経験を積んだ社員が、希望や指名されてなることの多いポジションのようです。
基本的に平日に働き、土日祝日が休みになることが多いです。定時で帰れる時期も多くありますが、1年のうち4半期ごと(つまり3か月ごと)に決算レポートを提出するので、この時期は残業が非常に多くなります。経営陣とのミーティングや、決算にかかわる資料集め、数字の読み込み、プレゼン資料の作成など、迅速に行うべき仕事が押し寄せます。

広報・I Rはどんな人に向いているの?

I R担当には会計、法律について専門知識が必要

◯ 財務分析、会計、法律などに強い
I R担当には自社の財務分析や会計、法律について専門知識が必要です。また数字に強いことは必須条件と言えます。

◯ プレゼンテーション能力
ファンドマネージャー、アナリスト、投資家など、大勢の人の前で発表する機会が多いので、堂々と論理的にプレゼンテーションできる人に向いています。また投資家かからの質問に臨機応変にこたえる力が必要です。

◯ コミュニケーション力
I R担当者は、社内の経営陣や財務、経理、広報の人たちと連携プレイが必要です。コミュニケーション力が必須の仕事と言えます。

◯ 語学力
日本企業の株は海外の投資家にも買われています。自社の情報公開は英語でも行われるため、国際的な感覚や語学力のある人が向いています。

広報・I Rの将来展望は?

I R担当の将来展望 転職市場でも高い需要

今後はますますI Rの活動の重要性が認識されていくと言われています。I R経験者は転職市場でも高い需要があります。高い能力と専門性の必要な職種なので、将来はI R担当者の待遇もさらに良くなる可能性が期待できます。
広報・I Rにはこうすればなれる!

I R担当になるには まずは上場企業に就職することが必要

I Rの担当者になるには上場企業に就職することが必要です。一般的にまずは財務部や経理部、広報部などで経験を積みながら、希望を出してI R担当になるのが一般ルートです。
大手の上場企業の場合、採用条件に4年制大学以上の学歴が求められることがあります。(会社によって採用条件は異なります)
大手企業の就職をめざすなら4年制大学の経営学部などに進学して経理や財務について専門に学んでおくと、就職時にもアピールできるでしょう。中学や高校のうちから数字やデータを使って堂々とわかりやすく発表する練習をしておくと将来役立ちます。