庭師

庭師の仕事内容は?

庭師とはどんな仕事?資格は必要?将来の展望は?


庭師は個人の庭だけでなく都市の緑化などでも活躍



庭師は庭をつくる専門家です。「造園技能士」「造園施工管理技士」の国家資格を持つ人は資格名で呼ばれることもあります。

庭師は5年先、10年先の変化をイメージしながら、庭石や樹木、池、水路、芝などを含めて庭を設計しつくります。また庭に植えた樹木や植物を管理し、定期的に枝を切るなどして整え、庭をつくった後の維持管理も仕事のうちです。

庭を美しくつくりたい。大切な庭を美しく手入れして維持してもらいたい。そんな願いをかなえてくれるのが庭師です。
しかし庭師は一般の家庭だけでなく、ビルの屋上や壁面、公園、街路樹など、都市の緑化計画のような公共の大規模工事の現場でもたくさん活躍しています。

庭師はどんな働き方をするの?

庭師の就職先は? 働く時間帯は?



庭師は造園会社や住宅会社の造園部門、エクステリアデザイン専門の会社などに就職して働きます。休日や給与などは就職先の規定によります。

基本的に屋外での仕事がメインなので、作業時間は日照時間、天候に左右されることも多くなります。夏は炎天下、冬は寒さに耐えながらの作業が多くなります。


庭師はどんな人に向いているの?

庭師は、どんな人に向いている? 体力勝負?


庭師は植物や自然、庭園が好きで、知識を吸収する意欲が大切です。しかし現実的な作業を考えると、庭師には体力が必要なことも重要です。
屋外が中心の仕事で、重い物を石や樹木の枝、道具を持つ仕事なので、それに耐えられる筋力や体力をつける努力のできる人が向いていると言えるでしょう。
またデスクワークではなく、屋外の仕事が好きな人に向いています。
庭師の仕事の幅を広げたり、大規模な造園工事を行うリーダーをめざしたりしたい人は、難関資格に挑戦し専門的な知識を学ぶ必要もあるため、勉強好きであることも必要です。
庭師の将来展望は?

庭師 資格や実力次第で将来の展望は広がる?


和風庭園など個人宅の仕事は減少、公共事業は期待できる



現代はマンションやアパートが増え、洋風建築が増えるにつれ、純和風の庭園を持つ個人宅は急激に減少しています。造園業全体も徐々に規模が縮小しつつあるのが実情です。

こうした時代の変化に応じて個人宅がメインの庭師は、庭だけの仕事ではなく、エクステリア工事や雨どいの清掃など仕事の領域を広げる人も増えています。

今後、個人の邸宅の造園をメインに活躍するには、従来の日本式の庭園づくりの技術を引き継ぐだけではなく、洋風庭園に関しても理解を深めるなど、積極的に新しいやり方やノウハウを取り入れる必要があると言えます。
一方、公共事業では地球温暖化や環境意識の高まりから、庭師の活躍の場は広がっていくと考えられます。
近年では都心のヒートアイランド現象を緩和させるため、屋上や壁面を緑にするプロジェクトなどが増えています。それには専門技術を持った庭師の知識や技術が必要です。「造園技能士」さらに上の「造園施工管理技士」などの国家資格を持つ高い技術力と知識を持つ庭師は、環境保全という面でも、大いに期待される存在となることが予想だれます。

庭師の資格にはどんなものがあるの?


  実は庭師になるために資格は必要ありません。しかしその技や能力を公的に証明できるのが「造園技能士」「造園施工管理技士」の国家資格です。現場で経験を積みながら資格に挑戦していくことで仕事の幅やチャンスが広がります。

特に最難関の「造園施工管理技士」を取得すると大規模な公共事業を請け負うトップの責任者にもなれるため、大きな仕事で活躍するチャンスが広がります。

「造園技能士」は1級〜3級がある


造園技能士の資格は国家資格です。造園の職人の技術を認定する資格で1級・2級・3級の等級に区分され、それぞれの等級を表わす「◎級造園技能士」の称号が与えられます。3級は実務経験のある初心者から挑戦できます。

「造園施工管理技士」は造園技術者の最高峰エキスパート


「造園施工管理技士」は造園工事技術者の中でも、主任や管理者になれる国家資格で、試験は施工管理技士関係の中でも最難関と言われています。

「造園技能士」とは異なり、設計から施工に至るまでの一連の管理監督を行う技術者を対象としており、大規模な公共事業での活躍の場が広がります。
造園施工管理技士の資格は1級と2級があり、それ相当の勉強と実務経験を積んだ人しか受験できません。大学・短大・専門学校・高校で造園にかかわる指定の学科を学んだ後、3~10年の実務経験が必要とされるなど細かい受験条件が定められています。

樹木医 資格を取る人も!


造園業を行う人には、弱った樹木の病気を治したり、病気を予防したりする「樹木医」の資格をとって活躍する人もいます。
(樹木のお医者さん「樹木医」について詳しくは「樹木医」の仕事紹介も読んでください)
庭師にはこうすればなれる!

庭師になるには?得意分野を分析して造園会社や、造園部門をもつ住宅関連企業への就職


造園会社や住宅関連企業へ就職する


庭師になるには、造園会社や、造園部門をもつ住宅関連企業への就職が一般的です。
造園会社の中には、個人宅の庭が中心の会社、公園など大規模な公共事業中心の会社など、それぞれ得意分野があります。

また、住宅周りの門やフェンス、カーポートなどの「エクステリア」を扱うエクステリア専門会社や、造園部門をもつ住宅関連企業に就職する方法もあります。

就職する時に、特に学歴が問われることはありませんが、大学や専門学校、高校で、造園・園芸・建築・土木などの知識をつけておくとアピールポイントになるでしょう。また現場でも役立ちます。
大学や短大の園芸科や造園科、土木科は理系学科であるため、進学を希望するなら高校で理系を選択しておきましょう。
庭師として様々な実務経験を積みながらプロとしてキャリアアップするには「造園技能士」「造園施工管理技士」などの国家資格をとって常に技術を磨くことが大切です。