ガーデンデザイナー

ガーデンデザイナーの仕事内容は?

ガーデンデザイナーになるには?どんな仕事内容?必要な資格や学校は?


ガーデンデザイナーは庭や公園などを草花や樹木などでデザインし美しく仕上げる仕事

ガーデンデザイナーは庭や公園などを草花や樹木などでデザインし、美しく仕上げることを仕事にしています。ガーデンデザイナーの仕事内容を順番に紹介します。

◯ クライアントと打ち合わせ
クライアントの要望を現場で打ち合わせしてヒアリングします。
庭の土地を実際に見ながら、どのようなガーデンを望んでいるのか、詳しく聞き取ることが必要です。
「クライアントが庭の景観に最も求めていることは何か」「庭でどのように過ごしたいのか」「好みの草木や花の種類は?」「周囲の環境はどうか」「デザインはシンプルが好み? それとも…?」など、クライアントが伝えてくる希望のほかにも、的確な質問をして潜在的なニーズをつかみ取ることがとても重要です。

◯ デザイン画(設計図)を作成
クライアントの要望に沿った庭のデザイン画(設計図)を描きます。デザイン画は、庭に植える植物や、給排水設備の設置場所なども含めて設計します。
庭に植える植物はクライアントの好みに合わせつつも、その環境に適した種類から組み合わせる必要があります。また植物は成長していくので日常の手入れや管理のしやすさを配慮することも必要です

◯ 植物や設備工事の手配
設計後は、必要な植物や、実際に施工を行う庭師や造園業者などを手配します。
設備工事を行う庭師や造園業者との打ち合わせではクライアントの要望をしっかりと伝え、実際の工事には自ら立ち会って監督します。

ガーデンデザイナーの仕事には、デザインや植物の知識だけではなく、庭の空間を構成する素材や、給排水に関する知識など、広い範囲の知識や経験が求められます。

・庭師(造園師)との違い


庭師は、主に個人宅の庭を設計して日本庭園をつくる職人です。
「造園師」と呼ばれることもあります。依頼主の要望を聞き、樹木や庭石、芝、池などを集めて美しい日本庭園に仕上げます。(詳しくは「庭師」の記事を参照ください)
ガーデンデザイナーは、個人宅の庭や街の公園、庭園などを設計して、美しい景観づくりを行う仕事です。庭師は日本庭園が専門ですが、ガーデンデザイナーは日本庭園に限らず洋風の庭やハーブの庭なども設計します。
庭師は実際に植物を切ったり、庭石を動かしたりするのに対し、ガーデンデザイナーは「設計」が中心となります。
ガーデンデザイナーはどんな働き方をするの?

ガーデンデザイナーはガーデニングショップ、園芸店、造園会社などに就職

・ガーデンデザイナーの就職先


ガーデンデザイナーの主な就職先は、ガーデニングショップ、園芸店、造園会社、エクステリア専門の設計事務所などがあります。
エクステリアとは家の中のインテリアの対義語としても使われ、庭や外壁などの建物の外観全体を表す言葉として使用されます。
エクステリアには門やカーポート、フェンスなどの設備も含まれています。

ガーデンデザイナーの仕事は、就職先によって担当する仕事の傾向が変わります。
例えば造園会社なら個人宅の庭以外にも、公園や庭園、街路樹の整備、屋上緑化など、幅広い仕事を扱います。
園芸店、ガーデニングショップなどは、個人宅の庭のデザインが多くなります。

ガーデンデザイナーの待遇


ガーデンデザイナーは年収の幅が非常に広く、就職先の企業や、実力によって大きな差があります。
大半のガーデンデザイナーの勤め先は中小企業となりますので待遇には限界があります。しかし実力も集客力もあるガーデンデザイナーの中に、独立してかなりの高収入を得ている人もいます。
ガーデンデザイナーはどんな人に向いているの?

ガーデンデザイナーには自然や植物、庭が大好きな人に向く

・自然や植物に関する深い知識


ガーデンデザイナーは何よりも自然や植物、庭が大好きなことが前提です。
そして自然や植物に関する専門知識は必要不可欠。植物は生き物なので生育環境に配慮しなくてはいけません。
その土地や環境に合った植物は何か、どういうふうに配置したり組み合わせたりすると効果的なのかなど、知識がなければ判断が難しくなります。

・優れた美的センスとデザイン


一般人には到底マネのできないデザインのセンスこそ、ガーデンデザイナーに最も求められるものです。
美しい庭を設計するには、やはり美的センスが最も重要。クライアントの要望に沿いながら、エクステリアや植物をセンスよく美しく効果的に配置するには、優れたセンスと高度なデザイン力が欠かせません。

・コミュニケーション能力


依頼主の潜在的なニーズまでを聞き出したり、施工の業者と打ち合わせをしたりなど、ガーデンデザイナーにはコミュニケーション能力を必要とする場面が多くあります。
また納期までに庭を仕上げるためにスケジュール管理のスキルも求められます。
ガーデンデザイナーの将来展望は?

ガーデンデザイナーの将来展望 公共事業でもニーズが高まっていく

植物の存在は、気温の上昇を防いでくれたり景観をよくしてくれたりするだけでなく、私たちに癒(いや)しを与えてくれます。
近年、癒しを求めてガーデニングを趣味とする人たちも増えており、まだ職業として一般的な認知度は低いものの、ガーデンデザイナーに庭の設計を依頼する人たちが増えています。
また設計事務所でも、近年は家のエクステリアを専門とするところが増え、ガーデンデザイン経験者の求人も多くあります。

また都市部では特に、緑地計画などの広がりとともに「ガーデンデザイナー」という職業は、公共事業でもニーズが高まっていくと考えられます。
ガーデンデザイナーにはこうすればなれる!

ガーデンデザイナーになるには?イギリスの大学へ留学する選択も

・ガーデンデザイナーの就職先となるための学校は?


ガーデンデザイナーの就職先は、ガーデニングショップ、園芸店、造園会社、エクステリア専門工務店、設計事務所などがあります。
造園会社や園芸店、設計事務所といった企業への就職をめざします。

ガーデンデザイナーとして就職する際に必須の資格・学歴は特に必要ありませんが、プロフェッショナルのガーデンデザイナーになるためには、植物に関する知識や造園のテクニックを身につける必要があります。

高校では理系科目を選択して、「造園科」「園芸科」「ガーデンデザイン科」などのある専門学校、短大、大学に進学するのがおすすめです。
そうした学科では幅広い種類の植物の特性や、造園の知識・技術を習得できるので就職や仕事で役立つことが期待できます。

あるいは、大学の建築学科で設計を専門で学んでいることも、採用の際に重宝されるようです。

・本場でガーデニング技術を学ぶには?


ガーデニングの本場はイギリスです。ガーデニングが盛んなイギリスでは「イングリッシュガーデン」というスタイルの、自然美をたたえる庭があります。
これは18世紀~19世紀に始まったイギリス式庭園(風景式庭園)の流れをくんだものです。
本場のガーデニングの技術を学ぶために、イギリスの大学へ留学する選択も視野に入れるのもおすすめです。
また日本の大学や専門学校で、提携しているイギリスの大学へ短期留学を手配してくれるところもあります。
留学に興味がある人は積極的に利用してみるとよいでしょう。留学には準備がいるので、入学に必要な英語力を調べて早めに必要な英語の勉強をしておくと役立ちます。

・ガーデンデザイナーに有利な資格は?


ガーデンデザイナーに関する民間資格はいくつかあります。

◯ ガーデンデザイナー認定試験
ガーデンデザイナーに関する資格で、最も代表的なものは、日本ガーデンデザイナー協会が主催する「ガーデンデザイナー認定制度」です。この資格は民間資格ですが、一定以上のガーデンデザイナーとしての知識と技術を認定する資格です。受験条件が特にないので、学生のうちにこの資格を取得して就職活動を行えば、意欲やスキルをアピールすることができるでしょう。

・ガーデンデザイナーに役立つ関連の国家資格は?


造園や園芸に関係する国家資格には、次の3つあります。
これらの資格はガーデンデザイナーとしての仕事の幅を広げる効果が期待できるものです。

◯ 造園施工管理技士
大規模な造園工事において施工管理を行うために必要な資格です。
この資格を取得することにより、現場監督として公共事業などに参加することができるようになります。

◯ 造園技能士
造園技能士は、庭に関するスペシャリストで、造園に関するさまざまな知識と技術を持っていることを客観的に証明できる資格です。
◯ 園芸装飾技能士
インドアガーデン(オフィスなどの室内に観葉植物を適切に配置することで、まるで植物がそこに生えているかのような空間をつくり出す)技術を持つことを証明する資格です。実際の庭だけでなく、インドアガーデンに関する仕事も受けられるようになります。

・イギリス留学に役立つ資格


◯ IELTS(アイエルツ)
IELTSと呼ばれるイギリス発祥のテストは、英語が母国語ではない人が英語圏に留学する際に必要となるテストの1つです。
イギリスの大学に入学する際に、英語力の証明のために使えます。IELTSで使われる英語は「アメリカ英語」ではなく「イギリス英語」です。リーディング、リスニング、スピーキング、ライティングの4つの技能が試されます。

◯ TOEFL(トーフル)iBT®︎テスト
IELTSと同じく、英語が母国語でない人が英語圏に留学する際に必要となるテストです。
以前はイギリスへの正規留学にはIELTS、アメリカにはTOEFLが必要とされましたが、両国ともどちらでも認める学校が増えてきました。
リーディング、リスニング、スピーキング、ライティングの4つのセクションに分かれています。
150か国で証明として使用可能で、世界で最も受験者数の多い英語の試験とも言われています。