飲料メーカー

飲料メーカーの仕事内容は?

飲料メーカーの仕事とは?やりがいは?必要な学歴はある?


飲料メーカーとは飲料を開発・生産、消費者に届ける仕事


飲料メーカーとは、さまざまな飲料を開発・生産して消費者に届ける会社です。

飲料メーカーの扱う商品は、その会社によって多少違いますが、炭酸飲料、コーヒー、紅茶、日本茶、ジュース、ミネラルウォーター、トクホ飲料、野菜系飲料、乳製品、アルコール飲料、栄養ドリンク、エナジー系ドリンク…などさまざまです。最近は健康志向の広がりで、野菜系飲料やトクホ飲料の売り上げが好調といわれています。

飲料メーカー社員の仕事内容は幅広く、さまざまな部門があります。ひとつの商品が消費者の元へ届くまでには、さまざまな工程があり、仕事があります。

・市場リサーチ


年々変化していく消費者のニーズにこたえるため、商品を改善する必要があります。
そのためにすでに発売している商品の評価アンケートや、そのほかの消費者のニーズを分析するためのリサーチを行います。

・基礎研究・技術開発


長期的な視点で、新しい商品を生み出すために役立つ基礎研究や技術開発をしている人たちもいます。
基礎研究や技術開発部門では、おもに原料の成分分析や加工法、包装や容器などについて研究しています。

・商品企画・マーケティング


市場リサーチで得られたデータから、既存の商品のどこが評価され、どこが改善点であるのか、またどんな年代層にはどんな飲料が求められる傾向があるのかなどを分析して、すでにある自社商品の変更案や、新商品を企画することが商品企画・マーケティング部門の仕事です。
ここでは自社ブランドをどのように売り出していくかを検討し、自社ブランドのコンセプトの立案なども行っています。

・調達・買い付け・設備導入


飲料メーカーは、お茶であれば茶葉、野菜ジュースなら野菜など、原料を調達しなければなりません。
原料の生産者から買い付けをして、価格交渉を行っています。
いかによい品質を確保しながらコストを抑えるかを考えつつ、安定した供給体制を整えなければなりません。
また新商品をつくるにあたって必要な生産設備の新規導入や維持・管理に関する業務をエンジニアが担当しています。

・生産・製造・品質管理


調達した原料から飲料をつくり出し、品質を管理する仕事です。
この工程は工場で行われます。安定した品質を保つために工場の管理をしています。

・販売促進(プロモーション)


製造された商品をより効果的に販売するためには、商品をうまくプロデュースして広告を打たねばなりません。
販売促進担当者は、どのようなメディアでどのぐらい広告を打てば、ターゲットとする人たちにアピールできるのかを考えてプロモーションをします。

・営業


営業の仕事は今までの活動から得られた販売実績データを分析して、どのルートでどのくらい商品を売っていくかを計画します。
その営業企画をもとに、スーパー、コンビニ、ディスカウントストアなどに営業をかけたり、飲食店や居酒屋などに対して店舗のメニューの中に取り入れてもらえるよう営業をかけたりします。

・物流


製造工場から小売までの物流を管理します。効率的に各所に商品を輸送するように調整し、在庫管理を行って商品の不足や過剰在庫にならないように、日々コントロールしています。

・飲料メーカー社員のやりがい


飲料メーカー社員の多くの人が、自社商品が店頭に数多く並んでいるのを見るときに、うれしさを感じるといいます。
そして自分が生産や販売にたずさわった商品が、消費者に「おいしい!」と言われるときに大きなやりがいを感じます。
開発部門の人たちは、企画のねらいどおりにそう快感や飲み心地などができ上がり、おいしいものができたときに、満足感を得ています。
また飲料の製造・販売には多くの工程があるので、飲料メーカーの社員は、多くの同僚や取引先と協力して、新商品を生み出す実感のもちやすい仕事です。そうした意味でひとつの商品が生まれる工程で、チーム感が味わえることも大きなやりがいのひとつといわれています。
飲料メーカーはどんな働き方をするの?

飲料メーカーの働き方 「本社勤務」か「工場勤務」で異なる


飲料メーカーは私たちの身近な飲み物をつくる会社で、就活生にとても人気があります。
日本全体の飲料の市場シェアは、現在(2021年)大手飲料メーカー上位5社が市場全体の8割以上を占めています。
それに対して中小規模の飲料メーカーは、ほかにはない「オンリーワン」商品で、独自の顧客層に確実に支持される路線をめざす会社が多いです。
ここではおもに大手飲料メーカーの場合を想定して働き方を紹介します。

・「本社勤務」か「工場勤務」で異なる


飲料メーカーでの勤務時間は、「本社勤務」の場合と、「工場勤務」の場合で異なります。 本社勤務の場合、一般的なサラリーマンと同じ生活サイクルで日中に働きます。
シフト勤務や夜勤は基本的にありません。
工場勤務の場合は、飲料メーカーに限らず、朝が早めで7時か8時ごろ始業の場合が多いようです。工場によってはシフト勤務や夜勤もあります。

・待遇面


とくに大手企業は給与面や福利厚生面に恵まれている場合が多く、働きやすい環境があります。飲料業界はほかの業界と比較すると、離職率は低めです。
休日は、多くの場合「週休2日制」で、土日祝日が休みとなることが多いようです。
大手飲料メーカーでは、社員の休暇をしっかりと管理していて、一般的な休暇制度として年次有給休暇、年末年始休暇、夏期休暇があり安定して休暇を得ることができます。
ただし工場勤務の場合は、変則的な休みとなることがほとんどです。
飲料メーカーはどんな人に向いているの?

飲料メーカーには味に対する感覚が鋭い人に向く


基本的に「飲食」に興味、こだわりのある人
大前提として飲食に興味のある人が向いています。
食べ歩きや飲み歩きが好き、外食が好きな人、自分で料理するのが好きな人、いろんなドリンクをつくるのが好きな人、などおいしさに対する探究心のある人が向いています。
世の中の人たちに喜ばれる飲料をつくって届けていくためには、自分自身が「食」というものに強い興味を持っていることが大切です。

優れた味覚や嗅覚を持っている人
とくにドリンクの開発担当者や研究職の人は、業務の中で、人間の五感(視覚・聴覚・嗅(きゅう)覚・味覚・触覚)を使って品質を確認する「官能評価試験」を行います。
味覚や嗅覚が優れていることは、開発や研究の人にはとても大事な資質です。開発に直接関わらない社員でも、味に対する感覚が鋭いことが、飲料メーカーや食品メーカーでは重要なポイントとなります。

「感性」豊かな人
飲料はさまざまな人にとって身近な存在です。
とくに飲料の売れ行きは、味そのもののよさはもちろんですが、競合他社と差別化するときに、容器のデザインや商品名、キャッチフレーズなど、人の「感性」の部分に大きく左右されることがあります。
そのため飲料メーカーの社員は消費者の心を動かす「感性」、センスを大事にする傾向があります。

安全性への意識が高い人
食品を扱ううえで安全性は欠かせません。
安全性に対する厳しいコンプライアンス順守が求められます。
安全性への意識の高い人、仕事にも人にも誠実な姿勢が求められます。

語学力
海外進出に積極的な飲料メーカーでは、語学力のある人を求めています。
英語や英語以外の言語が得意な人は、採用の際に今後はとくに有利になるといわれています。
飲料メーカーの将来展望は?

飲料メーカーの将来展望 海外で販路拡大をねらう


日本は人口減少傾向で、国内の飲料の需要は頭打ちといわれています。
飲料メーカーでは海外企業との業務提携を進めて、販路拡大をねらう企業も増えています。
今後、需要増加が見込める、中国やアジア諸国での事業展開も活発に行われています。
飲料メーカーにはこうすればなれる!

飲料メーカーでは「研究開発職」「エンジニアリング職」「事務・営業職」を募集


・飲料メーカー社員になる一般ルートとは?


飲料メーカー社員として働くには、大学や大学院を卒業後、各メーカーが実施する新卒社員採用試験を受験するのが一般ルートです。 飲料メーカーでは技術系として「研究開発職」や「エンジニアリング職」、総合職として「事務・営業職」を募集することが多いです。

「研究開発職」は、飲料の技術開発や商品開発、生産管理・成分などの研究を行う技術者の採用です。

「エンジニアリング職」は、飲料を生産する設備の新規導入や維持・管理に関する業務を行う技術者の採用です。

「事務・営業職」は、営業、マーケティング、広報、人事、総務、経理、物流といった幅広い業務を担当します。

・技術職で求められるのは学部・学科


飲料メーカーの社員採用では、専門的な資格が求められることは、ほとんどありません。
資格よりも重視されるのが大学での学部・学科や専攻です。
一般的に技術系の職種では、いわゆる「理系」の学生を対象とした採用が行われています。
「研究開発職」は、大学で生物系、化学系、農学系、薬学系の学部で学んだことが重視されます。大学院まで修了した人を歓迎する企業も多いようです。

「エンジニアリング職」も同様に、大学や大学院の電気系、機械系、化学工学系などの学部・学科を卒業した学生を中心に採用しています。

一方、「事務・営業職」については大学の「全学部全学科」を対象としている企業がほとんどです。

また営業職に就く可能性がある場合は、「普通運転免許」はほぼ必須と考えておいた方がよいでしょう。また英語のTOEIC®︎900点以上など、高いスコアをもっていると、採用に有利になるといわれています。