地域の住民の健康をたもち、病気の予防につとめる専門家です。
保健所や保健センターなどで、その地域に暮らす人々の病気を予防するのをはじめとする、さまざまな保健活動を行うのが保健師です。
対象者は赤ちゃん、妊婦、ねたきりの在宅療養者などはば広く、地域の住民すべてが対象と言ってもいいすぎではありません。
これらの人たちに対して、集団検診や家庭介護教室、電話相談、家庭訪問などを通して、健康問題などの相談にのったりします。
相談の内容も妊婦の健康維持や育児についての相談、病気の予防、介護保険に関することなど、広い範囲にわたります。
また企業や病院、健康保険組合などで、職員の健康管理を行っている保健師もいます。
公的機関に所属している人が多く、企業の保健施設などで働く人もいます。
2016年時点で全国に5万1280人の保健師がおり、その数は年をおうごとに増える傾向にあります。
保健師の約7割が、地域の保健所や保健センターなどの公的機関に所属しています。
企業の保健施設で従業員の健康管理を行ったり、病院で患者の保健指導や療養生活の相談にのったりしている人もおり、今後、需要が増えることが予想されます。
保健師は地域社会で、病気の予防や保健福祉の活動を行います。
生活上の問題もかかわってくるので、広い視野をもってものごとをみることが必要です。
だれもが安心して相談できる信頼感や親しみやすさ、そしてじょうずに説明でき、納得してもらえるような説得力も必要です。
さらに、医療や福祉などの専門家と協力することが多いので、協調性も大切です。
時代や地域のニーズにこたえて、活躍の場が広がるでしょう。
保健師の多くは市区町村で、住民に密着した保健サービスを提供しています。
今後は、ケアが必要な高齢者が増えていくことから、訪問介護ステーションなどの介護関連施設で働く保健師が増える可能性があります。
2015年からは従業員50名以上の事業所には働く人たちの「ストレスチェック」が義務づけられるなど、健康がますます重要視されるなか、保健師の必要とされる場面はさらに広がりそうです。
4年制大学などの看護師養成課程を卒業し、保健師国家試験に合格する必要があります。
保健師になるには、保健師国家試験に合格しなければなりません。
国家試験を受験できるのは、看護師の国家試験合格者か受験資格をもつ人です。
一部の大学の看護学系学部卒者、看護系専門学校(4年以上)卒者も受験できます。
また、看護師養成所または看護短大を卒業後、保健師課程の専攻科をもつ短大、あるいは保健師養成所で一定期間以上学ぶと、受験資格が与えられます。
また、看護師免許がないと保険師として働くことはできません。