医療事務

医療事務の仕事内容は?

医療事務の仕事は、病院の顔として笑顔で専門的な事務を行うこと


医療事務は病院の経営を支える仕事

・医療事務の仕事のやりがいは?


医療事務とは、病院やクリニックなどの医療機関で働く事務職のことで、病院に行ったとき、受付で患者さんへの対応や、事務処理をしている人のことです。多くの医療事務担当者は、患者さんからの「ありがとう」の言葉がやりがいのようです。また入院していた患者さんが元気になって退院していく姿を見たりする時に、大きな喜びを感じるといいます。

・医療事務の3つの具体的な仕事内容とは? 医療事務の仕事は主に「受付・会計業務」「クラーク業務」「レセプト業務」の3つです。それぞれを紹介します。

医療事務の受付・会計業務とは?


受付業務担当者は、来院した患者さんの保険証を預かったり、初めての患者さんに診療申込書を書いてもらったり、カルテの作成や診察券の発行もします。会計業務は診療が終わった患者さんに請求する金額を計算してお金の請求を行います。また電話の応対もしています。

医療事務のクラーク業務とは?


クラーク業務には「外来クラーク」と「病棟(びょうとう)クラーク」の2種類あります。
クラークというのは事務員という意味で、「外来クラーク」は外来専属の事務スタッフ、「病棟(びょうとう)クラーク」は、病棟専属の事務スタッフという意味になります。「外来クラーク」の仕事には、電話応対や、診療の順番がきた患者さんの呼び出し、カルテやレントゲンの準備、検査データの準備があります。
一方、「病棟クラーク」の仕事には、患者さんの入院・退院の手続き、入院中の食事の伝票管理、手術・検査スケジュールの管理などがあります。

医療事務のレセプト業務とは?


医療事務の仕事で最も専門性が必要なのが「レセプト」業務です。レセプトというのはドイツ語が由来で、簡単にいうと診療(しんりょう)明細の「レシート」です。病院で保険を使って診療を受けた場合、多くの患者さんは診療費用の3割を自己負担して、残りの7割は保険先の健康保険組合、国民健康保険組合などが負担する仕組みです。そのため病院では、患者さんの加入する保険組合に対して、残り7割の費用を1か月分まとめて請求します。この請求時に保険組合に提出するのが、「レセプト」という書類です。レセプトには患者さんの診療明細を専門のフォーマットに記入しなければなりませんが、現在ではほとんどの病院で、コンピュータが記入してくれます。そのため医療事務の人は、コンピュータの作成したレセプトの内容が正しいか、専門知識を使ってチェックを行っています。
医療事務はどんな働き方をするの?

医療事務は勤務時間を自由に選べ働きやすい

医療事務の仕事は、未経験でも年齢を問わず働けることで人気の職種です。
正社員だけでなく、アルバイト・パート、派遣社員での求人も多く、医療業界のほかの職種より、勤務時間を自由に選べるので、家事や育児と両立して働きやすいことが特徴です。
ただし、提出の締(し)め切りが近いときや患者さんの数が増えてレセプト業務の多くなる月は残業になることもあります。
また医療事務の仕事のメリットのひとつに、病院やクリニックは全国のどこにでもあるので「どこでも働けること」や「近所で働ける」という点が挙(あ)げられます。
医療事務はどんな人に向いているの?

医療事務は優しい笑顔と細やかな気配りの人に向く

医療事務の人は、患者さんに接する「病院の顔」として接客業のような役割も果たしています。来院する患者さんの多くは、身体に不調を抱えて元気がありません。そんなとき、優しい笑顔で応対して、細やかな気配りのできる人なら、患者さんに安心感を与えられるでしょう。看護師や医師になるのは難しいけれど、接客を通して医療分野で人の役に立ちたいと思う人には、医療事務の仕事はとても向いています。一方、事務仕事にはスピードも求められます。テキパキと正確に事務処理を行えることも大事な適性です。
医療事務の将来展望は?

医療事務の将来展望 超高齢社会で今後もニーズは増える見込み

医療業界は今後もなくなることがないと言われる業界の一つです。
日本は超高齢社会のため、今後も医療機関へ通う人は増える見込みで、医療事務のニーズも引き続きあるといわれます。
AIが進化することで医療事務の担当領域が減る可能性はありますが、医療事務には患者さんへの思いやりや気配りも必要です。緊急の患者さんの診察の順番を変更したり、具合の悪そうな患者さんに声をかけたり、臨機応変(りんきおうへん)に対応することは人間にしかできないサービスです。
そういった面で、医療事務を担当するスタッフは、今後も必要になるでしょう。
医療事務にはこうすればなれる!

医療事務の仕事に就職するには? 資格は必要?

医療事務の仕事に就(つ)くために必要な資格や学歴はありません。医療事務は資格がなくても未経験から挑戦できる職種です。
とはいえ医療事務に関する民間のさまざまな資格・検定は、医療事務のスキルアップや、就職の時にアピールするために役立つといえます。
民間の資格や検定で主なものには、「診療報酬(しんりょうほうしゅう)請求事務能力認定試験」「医療事務技能審査試験」があります。
難しい漢字が並んだ試験名ですが、「診療報酬請求事務」というのはつまりレセプト業務のことです。