アクチュアリーは数学を駆使して将来のリスクや不確定要素を予測するプロ
アクチュアリーは数学やデータを使い、将来の分析やリスク管理をする
アクチュアリーは、高校や大学の数学で習う「確率」「統計」などの数学の計算式やデータを駆使して、将来のリスクや不確定な数字を予測して、実社会に応用する専門職です。
アクチュアリーは主に「保険」「年金」「リスク管理」の分野で、分析調査や商品開発のサポート、会社経営のコンサルティングなどを行い、幅広く活躍しています。
例えば、生命保険で新商品を出す時は、その商品の対象となる年代の死亡率や金利などの膨大なデータから、商品の価格や積立金の計算や分析を行います。
また企業で働く人の年金の分析を行う際には、従業員の将来的な給料アップや途中で退職する人の確率などを考えながら、月々の賭け金の計算を行っています。
アクチュアリーの仕事は数学を使った分析だけではありません。
専門家ではない人に複雑な分析結果やプロセスをわかりやすく説明することもとても大事な仕事です。複雑で膨大なデータを使って計算するだけならAIに代替されますが、どのようなデータを使うかを考えること、そしてその結果を数学の専門家以外の人たちや経営者にわかりやすく伝えることができるのはアクチュアリーならではなのです。
「アクチュアリー」は日本ではあまり知られていませんが、大学で数学を専攻した人にとても人気の高い専門職で、資格取得は非常に難関ですが、数学の高度な知識をリアルな社会に活かせることが魅力と言われています。
アクチュアリーは数学を使う専門職として高待遇で働いている
日本のアクチュアリーは、生命保険会社や損害保険会社、信用銀行、コンサルティング会社など、さまざまな勤務先で活躍しています。アクチュアリーは専門性の非常に高い仕事で日本では資格を持つ人も少ないため、企業では厚遇されることが多いようです。そのため高い給与水準が期待できます。
特に外資系企業では日本企業よりさらに高い年収や社会的な地位が認められているため、海外に転職をする人も多くいます。
アクチュアリーには数学のセンスだけでなく幅広い知識とコミュニケーション力が必要
アクチュアリーは数学やデータサイエンスだけでなく、経済社会の動きに幅広い興味があり、IT・プログラミングなど幅広い知識にも興味を持てる人が向いています。
今後のアクチュアリーの仕事は、AIを使って行うことも予想されるため、数学を使った専門的な分析を人にわかりやすく解説したり、提案したりするコニュニケーションやプレゼンテーション能力のあるアクチュアリーがますます活躍できると言われています。
アクチュアリーはAIとの共存で将来の展望はますます明るい
アクチュアリーの活躍の場はますます広がっています。
リスク管理を重要視する企業が増え、アクチュアリーの専門的な分析力や提案力を、経営に活かしたいと考える経営者が増えているのです。
AIの急速な発達によってアクチュアリーの仕事はなくなる、と言われることもありますが、アクチュアリーの仕事は分析結果を使って提案したり説明したりすることもメインの仕事です。
AIが台頭してもそれはアクチュアリーの仕事の一部だけを任せる形となり、専門性の高いアクチュアリーの仕事と共存していく形になると考えられています。
アクチュアリーになるには?
アクチュアリーを目指す人の多くは、大学の数学科で統計学などを専攻して、その専門知識を社会やビジネスに活用するために志望するようです。
しかし法学部や経済学部から目指す人もいます。
数学のほか、マーケテイングやデータサイエンス、プログラミング、法律、語学を学ぶとアクチュアリーの仕事に役立ちます。
アクチュアリーになるには、日本アクチュアリー会のアクチュアリー資格試験に合格して、正会員になることが必要です。
アクチュアリーの資格試験は、国内の資格試験の中でも最高峰の難易度と言われます。
数学や生命保険や年金、金融に関する基本5科目に合格すると準会員に、プラス2科目に合格すれば正会員になれますが、正会員合格まで平均8年かかるといわれます。
そのため試験の受験者は大半が銀行や保険会社に勤めて実務を行いないながら資格取得を目指しています。
大学在学中に1教科でも合格していれば就職に有利になり、アクチュアリー候補生として業務に就くことができる会社が多いようです。