『かき氷の日! その歴史に驚く!』
夏といえばアイスクリームにかき氷。お祭りや公園で食べる、舌がシロップ色にそまるかき氷は、どんな味かわかっていても買わずにいられない!暑さに一気に食べて頭がキーンといたくなるのすら、夏の風物詩。ところで、汗だくになって遊んだあとに食べる、ひんやりとした大発明「かき氷」はいつ生まれたんだろう。
7月25日が「かき氷の日」になったわけ
まずは、かき氷が愛されていることがわかる情報をひとつ。いろいろな記念日があるけれど「かき氷の日」ももちろん存在するよ。それは7月25日。これは日本かき氷協会が制定したもので、かき氷の別名である「夏氷...な(7)つ(2)ご(5)おり」の語呂(ごろ)合わせから決められたんだって。そして、この日になった背景にはもうひとつ理由があって、1933年に山形市で気温が40.8度を記録し、過去最高の猛暑日(もうしょび)となった日でもあるんだ。ちなみに、最高気温記録はこのあと何度かぬりかえられ、2020年には41.1度を記録しているというから驚きだよね。
かき氷の歴史って知っている?
そんな夏の暑さこそ、かき氷をおいしく食べるための必須(ひっす)条件でもあるよね。じゃあ、かき氷はいつから日本で食べられているのか知ってる?じつはとても長い歴史があったんだ。
清少納言(せいしょうなごん)の『枕草子(まくらのそうし)』に出てくる「削り氷(けずりひ)」が最初
今でこそ、冷凍庫(れいとうこ)で一年中作ることができる氷だけど、電気のない時代、しかも夏に氷を手に入れることができるのは、ごくごく限られた人たちだけ。つまりかき氷は超高級品。そんなかき氷が最初に登場する書物こそ、清少納言の「枕草子」なんだ。そのなかでは「上品なもの」として「削り氷」が紹介されているよ。
冷凍庫がないときに、どうやって氷を保存したのかというと、冬の間に切り出した天然氷を「氷室(ひむろ)」という場所で夏まで保存する。それを切り出して都まで運んで食べたのだという。氷室は「氷を食べたい」という人たちが暮らすような街中ではなく、山のふもとの洞窟(どうくつ)などに作られていたそうだから、手元に届くころには氷はほんとうに少しだけになっていたそうだよ。
日本初のかき氷屋は1869年に横浜で誕生
今みたいにお店でかき氷が販売されるようになったのは1869年6月のこと。町田房造という人が、アメリカで学んできた氷の製法などを生かして開いた店で、「氷水」や「あいすくりん(アイスクリーム)」を発売したんだそうだ。かき氷が生まれたのは平安時代だけれど、庶民(しょみん)にも手が届くようになったのはずいぶんたってから。最初はどんなものかみんなわからず、思うように売れなかったそうだ。
人工氷と氷削機(ひょうさくき)の登場で普及(ふきゅう)
機械での製氷が主流になったのは1897年ごろ。それまでは、北海道や東北、富士山麓(さんろく)などで採氷した氷を町に運んでいたというから驚きだよね。製氷技術が高くなって初めて、氷も庶民の手に届くものになっていったんだね。でも、かき氷を作るために使っていた道具はしばらくの間「かんな」だったんだそうだ。機械で氷をけずる氷削機が発明されたのは1887年、それが一般的に使われるようになるのは昭和になってからなんだって。
かき氷の名前の由来は?
「削り氷」と呼ばれていたものが「かき氷」になったのはなぜだろう。由来には諸説あるんだけれど、まず「かき=欠き」で、氷を砕(くだ)いたもののことを示しているようだ。
東京方言の「ぶっかきごおり」に由来
もうひとつ有名な説としては、関東地方で砕いた氷のことをさす「ぶっかきごおり」が「かき氷」になったというもの。ちなみに、西日本では「かちわり氷」というとか。
かき氷以外の呼び方は?
有名な「かき氷」以外の名前といえば「白熊」かもしれないね。鹿児島県を中心とした南九州の名物で、氷に練乳をかけて、フルーツなどをのせたもの。ほかにも「夏氷」「氷水」などと呼ばれることもあるよ。なんだか、文字からも暑い夏に食べるおいしいかき氷の雰囲気(ふんいき)が伝わってくるような気がしない?
世界にはさまざまな「かき氷」風の食べ物があるんだ。フルーツがとれる場所ではフルーツをたっぷりのせたり、氷を削ったところに甘いお酒をかけておとなのデザートになったり。旅行へ行くことがあったらぜひ挑戦してみたいよね!
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