船にあるいろいろな機器を管理して、安全な航海を支える技術者です。
船の機関部で、たくさんあるさまざまな機器の管理をして、航海するあいだの安全をたもてるようにするのが船舶機関士の仕事です。
機関長の指示にしたがって、数人の機関士といっしょに、エンジンや発電機、ボイラーなどを管理します。
航海中は制御室で計測機器の記録を見て、おかしなところがないかどうかを監視します。
異常があった場合には、すぐに処置をして、機関長に報告します。
また、船が港に停まっているあいだは機関部の点検や整備をし、故障があった場合は修理も行います。
燃料や消耗品の補給をするのも仕事のひとつです。
交代制で働き、長い航海になる時はあとでまとまった休暇をとります。
国内や外国航路の海運会社や商船会社などに就職し、貨物船や客船などに乗るのが一般的です。
また、陸上では船を建造する造船会社、船に載せられる機器を製造するメーカーでエンジニアとして働く場合もあるようです。
最近は船の自動化にともなって船員の数が減ったり、外国籍の船の増加によって外国人船員の数が増えたりしているので、受け入れ人数は少なくなってきています。
ひとたび航海に出れば、次の港まで休みなく働き、港に着くと補給のための作業をするので、休みがとりにくくなっています。
そのため、外国航路では長い期間にまたがる航海が終わると、まとまった特別休暇をとるのが一般的です。
航海中は交代制で勤務します。港へ出入りするときや緊急事態が起こった時は、勤務時間以外でも作業することがあります。
外国航路に出ると、航海が数か月もの長さにおよぶこともあるため、海の状況や厳しい作業にたえられる体力や、がまん強い心をもつ人が向いています。
また、たくさんの乗組員が乗り合わせる船上では、その船のルールを守って行動することが強く求められます。
最近では、外国人の船員も多いので、外国語でのコミュニケーションをとれる力や国際的な感覚もあればなおよいでしょう。
受け入れ人数は少なくなってきており、より高度な技術をもつ人が求められます。
船の自動化にともなって、ひとつの船に乗る乗組員の数は減っています。
ただし、船は大量の荷物を低いコストで運ぶことができるのでなくなることはなく、これからも一定の需要はあります。
最新鋭の船にはコンピュータ機器が増えているため、これからは、それらを使いこなす高度な技術や知識をもった機関士が求められるようになるでしょう。
船員教育の学科がある海洋系の学校で学ぶのが一般的です。
船舶機関士になるには、国家試験に合格して海技士(機関)免許を取る必要があります。
試験を受けるには、中学を卒業後、水産高校などを経て、水産大学校や大学の海洋系学部、海上技術短期大学校で、船の機関や機器について学ぶのが一般的です。
また、大きな船に乗る場合、上級の免許が必要になり、それに応じた乗船経験が求められます。