歯と歯のまわりの病気を治療し、予防する専門家です。
虫歯の治療や抜歯をはじめ、歯周病などの病気の治療、入れ歯の装着、歯並びの矯正などを行います。
口の中のけがやがんなどは、麻酔医などといっしょに治療をすることもあります。
病院での診察や治療のほかに、学校や児童施設に出向いて歯の定期検診なども行います。保健所や国の行政機関で働く医師もいます。
歯の病気の予防について広くけいもうするのも、歯科医師の大切な役割です。
開業医か、病院に勤める医師がほとんどです。
2016年の歯科医師の内訳は、自分の歯科医院をもつ開業医が6割弱、病院に勤める勤務医が4割で、そのほかは大学や保健所などで仕事をしています。
都心部では、開業医はあまり気味で、全国的には勤務医が増える傾向にあります。
歯科医師国家試験ではかつては合格率が9割を超えた時代もありましたが、2017年では、受験者3,049人に対して合格者は1,983人であり、合格率は65%となっています。
開業医は定期的は休診日を定めているところが多いですが、勤務医は当番制で、休日や夜間の救急治療を行うところもあります。
歯に関する専門的な知識はもちろん、せまい口の中で、器具を使って手ぎわよく治療しなければならないため、手先の器用さが求められます。
患者は子どもからお年寄りまで幅広く、だれとでも気さくに話ができる親しみやすさや温かさも望まれます。
歯科技工士や歯科衛生士といっしょに仕事をするため、協調性やリーダーシップも必要です。最新の治療技術をつねに学び続ける姿勢も大切です。
強みとする専門の分野で、他の歯科医院と差別化する必要が強まるでしょう。
現在、歯科医師は10万人を超し、特に都市部に開業医が集まる傾向が見られます。
その結果、都市部で新たに開業することは、難しくなっている状況です。
そのため、矯正歯科や小児歯科など、特定の分野を専門にする歯科医師もいます。
歯科治療の内容は高度になり続けており、医院ごとに診療内容がちがってきています。
今後は専門化の傾向が、ますます強まっていくでしょう。
専門科目を比較して、どの大学の歯学部へ進学するかを決定します。
歯科医師になるには、大学の歯学部で6年間の教育を受け、歯科医師国家試験に合格しなければなりません。
大学病院には小児歯科、矯正歯科、高齢者歯科などの専門科があります。
大学によって専門科目の取り組み方にちがいがあります。大学を選ぶ時には、各大学のちがいを比較することが必要です。