アニメーターになるには 高校?専門学校? どっちがいいの?
アニメーターは自分の絵の動きで人を感動させる仕事
絵を0.1ミリ単位で動かしながら描(えが)く技術者です。
アニメをつくる工程にはたくさんの人が関わりますが、一般(いっぱん)にアニメーターと言えば、原画を描く人(原画マン)と、その原画をもとに1コマ1コマを少しずつ動かしながら動画を描く人(動画マン)をさします。
一つの作品ができるまでの流れは
(1)企画(きかく)を決め、シナリオをつくる
(2)シナリオに沿って絵コンテを描(えが)き、音や撮影の方法を指示
(3)絵コンテをもとに登場人物の動きを考え、原画をかく
(4)原画をもとに原画と原画との間をつなぐ動画をかく
(5)トレース、色づけ
(6)背景を制作
(7)撮影する
(8)編集する
(9)アフレコ(録音)やダビング、といったものになります。主に原画マンは(3)を、動画マンは(4)の作業を担当します。
アニメーターのやりがい
もちろんアニメ作品に関われること、自分の絵の動きで人をアッと言わせたり、感動させたりできることがやりがいの大きな部分です。もっと具体的に言うと、有名なアニメ作品のテロップに自分の名前が載(の)ったり、あこがれの作画監督(かんとく)の直筆が見られたり、といったアニメ好きだからこその楽しみ、やりがいもあるようです。
また、仕事を続けていけば1日何枚も描きます。当然画力は上がっていきますから、絵を描くことが好きな人は充実感を感じるでしょう。
アニメーターはどんな働き方をするの?
アニメプロダクションなどで修業し、一人前になれるよう修行します。
アニメプロダクションなどに就職したら、数年は修業の期間です。先ぱいたちの作業の様子を見て、覚えていくことが多いようです。
一人前になると、フリーのアニメーターになる人もいて、いろいろなところから仕事を引き受けることも可能になります。
作品によっては長時間の作業になることもあり、さまざまな苦労を理解した上で、アニメが好きであることが基本条件です。
また、デザインやデッサンの能力も求められます。さらに、自分の力で新しいものをつくり出す独創性も必要です。
アニメーターに向いている人 まず何よりも絵が好きなこと
アニメーション制作会社などに就職すると、まずは原画と原画の間の絵を描く「動画マン」として仕事をスタートします。
「動画マン」は給料も低く、長時間労働が当たり前です。
センスやデッサン力が認められると「原画マン」に昇格(しょうかく)し、さらに実力を磨(みが)いて作画監督へとなっていきます。
どの段階でもくり返しの作業に耐(た)えられる忍耐力(にんたいりょく)と、長時間労働ができる体力が必要です。
何よりも絵を描くことが大好きでないと続けるのが難しい職業といえるでしょう。
アニメ業界の将来性 世界的に市場拡大中
YouTubeやNetflixなどに代表されるように、アニメ作品が必要とされるメディアは増えています。
さらにクールジャパンなどの政策もあり、日本のアニメ市場は拡大しているのです。
しかし、アニメ業界の労働環境は非常に過酷(かこく)なものがあると言わざるを得ません。
現在は作画にデジタル技術が用いられるようになり、多少なりとも業務の効率化が図られ、以前から労働環境が問題視されていたことから、「働き方改革」の動きで待遇(たいぐう)改善が求められるところです。まだまだですが、アニメ業界の労働環境が改善されつつあるようです。
またアニメの世界もコンピューター・グラフィックスによる制作が広がりつつあります。
すべての作業をコンピュータ上で1人で行うことができますし、技術を身につければ、将来性、収入ともに大いに期待できるでしょう。
地上波放送だけでなく、BS・CS放送やインターネットなどでもアニメが使われ、アニメーターの活躍(かつやく)の場は広がっていくと考えられます。
アニメーターになるには 専門学校、大学、独学の3つ
・専門学校経由
学校で技術を身につけてから、制作会社に入社します。
アニメーターになるには、専門学校などで必要な技術を身につけ、アニメプロダクションなどに就職するのが一般的なコースです。
最近は、ゲームソフト会社などにも活躍の場は広がってきています。
在学中から、アルバイトなどで制作会社とかかわりをもっておいたり、自分で制作したアニメやキャラクターデザインをプロダクションに持ちこんだりしてプロになる人もいます。
・大学経由
最近では、大学を卒業してアニメーターになる人も増えています。
大学では一般教養の講義を受講するため、絵を描いていくにも必要な視野を広げることができます。
・独学
もちろん画力さえあれば、独学で制作会社の試験を受けることもできます。
とくに美術系の大学でなくとも独学で絵の技量を高め、アニメーターになった人もいらっしゃいます。
自らの画力に自信のある人は、制作会社などに積極的に売り込む方法もあります。