『倍率が高い高校 どのくらいが高い?』

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2022.09.02
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志望校を考えるときに気になるのが、「試験を受けた人のうち、どのくらいの人が合格するんだろう?」ってことだよね。
裏を返せば「試験を受けた人のうち、どのくらい不合格になってしまうんだろう?」ということでもある。
そんな数字を表すのが「倍率」。今回は、その「倍率」について解説するよ! 正しく理解して、志望校選びの参考にしよう。

高校受験で「倍率が高い」ってどういう意味?

「倍率」とは、簡単にいうと「受験した人●人のうち、1人が合格する」を数字で表したもののことだよ。

倍率が10倍→受験生10人のうち、1人が合格する(9人は不合格)
倍率が3倍→受験生3人のうち、1人が合格する(2人は不合格)

募集定員40人の高校を120人が受験したとき、倍率が3倍だといい、40人が合格し、80人は合格しない。
もし400人が受験したときは、倍率が10倍で、40人が合格し、360人は合格しない。というように計算するよ。
つまり、倍率の数字が大きい方が厳しい戦いになるよね。これを「倍率が高い」というよ。

「倍率が高い」ってどのくらい?

実際に「倍率が高い」って、どのくらいの数字に対して使うと思う?
10倍? 5倍? 1.5倍は低い?

倍率が2倍近くあると二人に一人しか合格できないから、倍率が高いと言えるよ。もちろん1.7倍だって高いほうだ。
ただ、高いといわれる明確な基準は存在しないよ。過去の数字と合わせてみて、「今年は少し高いな/低いな」のように見ることにとどめよう。

「倍率」には応募倍率・受験倍率・実質倍率の3種類がある!

「倍率」はどの時点で発表され、どの人数をもとに算出するかによって3種類あるよ。
それぞれ特徴があるから、くわしく見ていこう。

応募倍率とは?

出願締め切り後に発表される倍率のことだよ。【出願者数÷募集定員】で計算されるんだ。
高校が提示する「募集定員(募集人数)」はこの学年で何人とりますよ、という目安のこと。
そこに対して、何人の人が「受験します!」と意思表示をした人数が「出願者数」。それぞれの高校がこれをもとに応募倍率を計算し、発表するよ。
これは、あとでくわしく解説するけど、出願を変更するときに参考にするものだよ。

受験倍率とは?

試験終了後に発表される倍率のことだよ。【受験者数÷募集定員】で計算されるんだ。
当日の体調不良で欠席した人や、他の高校に合格したから、出願はしたけど実際に試験は受けなかった人が抜けるので、「応募倍率」より倍率が下がるのがふつうだよ。

実質倍率とは?

合格発表後に発表される最終的な倍率のことだよ。【受験者数÷合格者数】で計算されるんだ。
倍率を調べる場合この「実質倍率」を調べるのがいちばん正しい感触になるといえるよ。
応募倍率・受験倍率とちがって、分母が【募集定員】ではなくて【合格者数】になることがポイントだよ。
特に私立高校は併願する人が多い、つまり入学を辞退する人が多くなるという可能性を見越して募集定員よりも多めに合格者を出すんだ。
だから、受験倍率と差が出ることがあるよ。毎年の様子から、何割くらいの生徒が辞退するか予測しているらしいよ。
私立高校の受験を考えている人は、志望校の過去の実質倍率を参考にしよう。

倍率を見るときは3年分程度を見よう!

倍率は、前年度のものだけではなく、過去3年分程度は確認してほしいんだ。
実は、「揺り戻し」「隔年現象」といって、前年度の影響を受けて倍率が変わることがあるよ。
前年度に倍率が高かった高校・学科は「人気が高いんだ。受からないかも...」と出願者が減ったり、逆に前年度に倍率が低かった高校や学科には、次の年に「競争率が低いのかも!」と思って、出願者が増えることがあったりするんだよ。参考にしてみてね。

応募倍率が高かった場合は、出願先の変更も1つの選択肢に

公立高校入試は「出願先変更」というルールがある都道府県があるんだ。
(自分の受験する都道府県でその制度が使えるかどうかは、学校の先生に聞いたり、教育委員会のホームページを調べてみてね。)
希望する人は、一度だけ公立高校の受験校を変えることができるよ。
そのときの1つの判断材料になるのが「応募倍率」だよ。

出願先の変更の判断は意外と難しい

例をもとに考えてみよう。
たとえば、志望動機が同じくらいの2つのA高校とB高校。どちらにしようか迷った末、A高校に出願したとしよう。
発表された応募倍率は下の通りだった。
・A高校:1.5倍
・B高校:1.2倍

「同じくらいの志望度なら、B高校の方が倍率が低いから、受かりやすいはず」と考え、出願を変更しよう! と決める。
しかし、最終的に発表される確定応募倍率が
・A高校:1.3倍
・B高校:1.4倍
と逆転してしまった! という例も少なくない。

受験生の多くが同じように、B高校の倍率が低いからB高校を受けようと考えると、こうなってしまうね。
倍率だけで判断せずに、模試の結果などからわかる自分の実力・偏差値と、まわりの大人とよく相談することが大事だよ。

倍率が1.0未満ってどういうこと?

ホームページなどで発表される最終応募倍率をみると、たまに1.0よりも小さい数字の学校があるんだ。
募集定員と同じ出願人数が倍率1倍ということだから、1.0よりも小さいということは出願者が少ないということになるので...全員合格する!? チャンス!? と思ってしまうよね。
でも、そうとは限らないんだよ。学校側は、入学試験で最低このくらいの点数は取ってほしいという最低ラインを決めていることがあって、たとえ倍率が1.0未満で、定員割れをしても最低ラインをクリアしていないと、合格を出さないんだ。
つまり、他の受験生との競争はなくても自分が実力をしっかり発揮できるかという、自分との戦いは残るんだよ。一定の点数を取らないと合格できない、ということを覚えておこうね。

「倍率」に振り回されずに入試を乗り切ろう!

勘違いしやすいけれど、倍率は「合格難易度」つまり「合格しやすさの目安」ではなくて、「競争率」を表したものだよ。
「倍率」の情報を目にすると、●人に1人は不合格なのか...と気にしてしまうけれど、少しぐらい倍率が高くても「自分は大丈夫!」と自信をもって思えることがいちばん大事だよ。
そのために、日々の学習の積み重ねをしっかりしていくことが重要だよ。

「過去問得点率」が自分の実力の目安!?

志望校を調べるときに「倍率」だけではなくて、もし発表されていたら「合格最低点」も一緒にチェックすることをおすすめするよ。
過去に合格した人たちがどのくらいの点数をとっていたのかがわかるので、本番に何点とればいいのか、の目安になるよ。その点数と、自分が過去問を解いたときに何点とれたかの点数を比較してみよう。
自分の学力が志望校に合っているか? 合格できそうか? を判断するひとつの目安にすることができるよ。
「倍率」だけに振り回されずに、自分の実力を理解して志望校を最終的に決めよう!

さいごに

倍率はあくまで目安。
応募倍率が出た時点で、試験当日まではまだ時間があるよ。
「思っていたより倍率が高くてちょっと不安...」と心配になっても、当日の得点次第で十分に合格がねらえる可能性があるし、逆に「思っていたより倍率が低くて安心! 余裕ある~」と油断して、当日ミスをすれば不合格になってしまうかもしれないよね。
大切なのは倍率に振り回されずに、ふだんからしっかりと必要な教科の勉強をして問題1つ1つに向き合おうとする姿勢だよ。

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2022.09.02

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